めのう二刀流・無痛台湾法とイー鼻呼吸

イー鼻呼吸


 <高齢でも元気に生きるために>

                 <痛みのない足揉みをするために絶対必要な事>        折田 充

 台湾式足もみを台北で1988年に勉強した時、気功法の研修もあり、腹式呼吸と鼻呼吸をするように心がけていました。腹式呼吸からさらに逆腹式呼吸に変え、息を吸ったときにお腹を凹ませる逆式鼻呼吸をするようになってからは、足もみの時の肩・腕の無駄な力がさらに無くなり気持ち良く効くマッサージができるようになります。

 普通の鼻呼吸では鼻で吸うことがまず基本ですが、同時に肛門を引き挙げます。そして大 腿の内側が連動して動くようになります。こういう所に力が入ると、歩き方が本来のあおりの歩き方に戻って足裏全体を使って歩くことができるようになり、足の反射区に本来のとても良い刺激になるのです。

 これだけでも凄いと思っていましたら、鼻呼吸にはそれ以上に凄い力が隠れていることに今回気づきました。「イー鼻呼吸」法と名付けました。

 で息を吸う時に口を閉じて下唇の端(口角)を左右に強く引いて「イー」をしてみてください。首の両脇にスジが浮き立つくらい力を入れか、または目(目の玉)に力を入れると自然に首の喉の左右の胸鎖乳突筋という筋肉に力が入り、胸からお腹全体から肛門の筋肉が連動して動いて力が入り、吸う時に横隔膜が引き挙げられ、吐くと元に戻され、その腹圧の違いで腸がマッサージされます。

これで便秘下痢潰瘍性大腸炎などの方にはとても良い効果が期待できます。

また、お腹や肛門だけでなく、肛門から続く骨盤底筋にも力が入りますので、トイレが近い前立腺肥大冷え症生理痛子供が授からない・等々の下腹部の問題を解決する良い方法です。

骨盤底筋という骨盤の一番下にある筋肉群の骨盤底筋を動かすのは普通では至難の技です。動かそうとしても力の入りにくい筋肉群なのです。和太鼓を叩く時、餅を杵でつく時、スコップで穴を掘る時、などの時に使う筋肉群です。元気な80,90才の高齢者の特徴的なことはこの骨盤底筋を日常動かしている、とテレビなどで報道されていますが、これをしていると体に活力が付きます。また、<とんコロリ>とバイバイできるのです。

さらには肩の筋肉が縮んで肩が持ち上がります。持ち上がった肩を後ろに引くと背筋が真っすぐになって猫背も解消し、肩甲骨も動くようになりますので、首コリ肩コリ腕が上がらない、五十肩などにも効果的です。

※鼻で吸えない方は、まず肩を持ち上げてから鼻で吸うと出来るようになります。

最後になりますが、耳の耳管にも力が入って通りが良くなります。耳は聴覚器官・平衡器官・呼吸器官の3役も果たしていますが、耳管は耳と鼻の間にある小さな管です。その耳管の空気詰まりをなくすと、難聴耳鳴り足元のふら付きめまい、に効果的です。

こうして目・鼻・口にある普段動かさない筋肉を動かすことが健康にとても良いのです。

座って「イー鼻呼吸」をすると骨盤底筋の動きが強く感じられます。つまり、事務作業でパソコン操作をしょっちゅうしている人・どこへ行くにも車を運転する人・テレビばかり見ている人にも大いに勧めます。とにかく座っているときには大いに「イー鼻呼吸」をして活力と元気を生み出しましょう。

長い時間する必要はありません。10秒間でいいです。吸って吐いてを3回するだけでいいのです。そしてそれを思い出すたびにするようにしていると習慣づきます

 下唇を突きだして「イー」とするのはふとした拍子に考え付いたものです。3年前からNHKテレビのBSで放送している日野正平さんの「こころ旅」を見ているのですが、11月の末に日野正平さんの横顔を見ていて、妙に下唇が上唇より突き出ているのに気づきました。何気なくその真似をして鼻で息を吸いこんでみたところ、我ながらビックリすることが起こりました。座椅子にすわっていたのですが、肛門がグーと引き挙げられ腹筋に力が入るではないですか。喉の横にスジも出て、目が大きく見開かれてビックリして息を飲んだような表情になります。それが今回の発見のきっかけでした。

皆さん是非もやってみてください。たったの10秒間です。目が大きく見開かれる様子も手鏡で確認してください。

「イー鼻呼吸」と仁王さま

 仁王像は阿形と吽形が対になっていますが、今回のことで連想したことがあります。

仁王様はイー鼻呼吸をしている姿ではないのかなあ、と思います。特に吽形の仁王様は「イー鼻呼吸」で息を吸っている時の究極の姿が彫られているのではないでしょうか。

大きく見開いた目、大きな鼻の穴、阿形の口、見事な筋肉で表現された首・肩・胸・お腹・大腿・下腿など、見れば見るほどそう思います。吽形と比べると阿形はお腹がチョット緩んでいるような、息を吐いて緩んだお腹のように思えるのです。大腸や小腸の内臓は、隆々とした筋肉のような意志で動く随意筋ではなく、不随意筋ですので意志では動かせません。その不随意筋の内臓を動かして丈夫にするのは呼吸の力だけです。内臓マッサージが「イー鼻呼吸」で出来ますし、腹筋運動にもなります。