元気な細胞であるためにはブドウ糖も必要です。このブドウ糖は単純に毛細血管から細胞に取り込まれるわけではありません。インスリンというホルモンが働かないと細胞の取込ドアーは開きません。ドアーが開かなければブドウ糖は細胞で使われずにそのまま心臓に戻っていきます。こうして細胞で使われずに血液を循環しているブドウ糖が増えると当然血糖値は上がります。仕舞いには、多すぎるブドウ糖を私たちの身体は尿として体の外に排泄しようとします。こうなると糖尿病という病名が付きます。
インスリンというホルモンが膵臓で作られますが、膵臓にはα、β、γという3種類のホルモンを作る細胞があり、インスリンはその内のβ細胞で作られます。もし膵臓の障害でインスリンが作られなければ人工的にインスリン注射で補います。これがインスリン型の糖尿病です。それに対し同じ糖尿病であっても、膵臓は正常にインスリンを作っているのに、ブドウ糖が細胞に入っていかない状態の場合に起こる糖尿病を非インスリン型の糖尿病といい、ほとんどの糖尿病患者がこのケースです。どうしてインスリンが本来の仕事を出来なくなるのかの原因は様々です。その数ある原因の中でも運動不足とストレス過剰は現代社会の特徴です。また、メタボリック症候群(内臓肥満症候群)で糖尿病になるのは、内臓肥満で溜まった大量の脂肪が新しいホルモン様物質を作り出し、インスリンの仕事を邪魔しているからと言われています。溜まった内臓脂肪を運動や食事調整で減らす必要があります。
 本題に戻りまして、毛細血管で運ばれたブドウ糖や酸素を各細胞は吸収し、それを材料としてエネルギーを作ります。細胞でエネルギー産生活動が行なわれると、当然不必要なゴミのようなものが生じますがこれは体外に排泄しなければなりません。二酸化炭素と老廃物がそうですが、いわば細胞の作ったゴミです。そのゴミは細胞から静脈に繋がる毛細血管に吸収されて心臓に運ばれていきます。
さて、細胞や毛細血管のあるところにはところどころに口を開けている管があります。毛細血管から滲み出た血液中の水分のうちその管に流れ込んでいくものもありまして、これがリンパ液の源になります。ここがリンパの故郷です。口を開けていた管はリンパ管です。そのリンパ管に流れ込んだのでリンパ液という名称になります。リンパ管には節のように膨れたところがありリンパ節と言います。リンパという言葉はリンパ液、リンパ管、リンパ節を総称して言います。
2.リンパの仕事
 リンパ液の始めのころは水分とタンパク質です。飲食し体内で吸収されたタンパク質は血液によって運ばれるよりも多くは間質液と共にリンパ管に流れ込んで運ばれます。それは脂肪は大きい細胞なので血管を通りにくいのです。脂肪が混じっているのでリンパ液は少し白濁した色になります。肥満体質の人はリンパの流れを改善しなくてはなりません。
 リンパ管には所々に瘤のような形になったリンパ節があります。リンパ節はリンパ球を育てる揺篭で、またリンパ液をキレイにするところです。そのリンパ節がたくさん集まっているところが体内に3箇所あり、@喉・首・胸の周囲、A腋の下、B腰の周り、でそれぞれ胸
部リンパ、腋窩リンパ、腹部リンパといわれます。外敵の細菌やウイルスが体に侵入した場合このリンパ節で細菌とリンパ球の戦いが行なわれます。そういう状態の時は炎症症状でリンパ節は腫れグリグリができます。体の免疫力が働いている証拠です。
【免疫】免疫とは文字通り「疫を免じる」ということですが、体を守る働きをします。それをしてくれるのはリンパ球や単球(マクロファージ)、顆粒白血球など白血球の仲間たちです。彼らが免疫作用を行なうメカニズムは次のとおりです。
細菌やウイルスが体内に侵入してきたら、まずリンパ球がそれを外敵であると感知して抗体というものを作ります。抗体が出たら、単球と顆粒白血球は戦いの合図が出たと感じて食作用を行ないます。戦いが勝利すれば病気に感染することはありませんが、戦いに負けると病気に罹ります。単球は比較的大きな細菌を食し、顆粒白血球は普通の大きさのものを食します。
 免疫という作用はこの働きだけを指して言うのではありません。リンパ球は抗体を出した外敵を記憶し、次にその外敵が侵入したら素早く退治します。その上、その記憶を次の新しく生まれる若いリンパ球に伝える遺伝という作用をも行ないます。この記憶と遺伝および抗体産生の三つの作用を含めて免疫作用と言います。
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