3.リンパの良い流れを維持することが大切
血管を血液が流れる場合は、先ず心臓が伸び縮みして血液を送り出しますし、全身の筋肉が動く力を借りて血液は心臓に戻っていきます。しかしリンパ液の流れるリンパ管は自分では殆ど伸び縮みして動くことはありません。どうしてもリンパ管の周りにあるものに協力してもらわないとリンパ液は流れません。流れないと体は浮腫みます。リンパ液が流れる方法は、@動脈が心臓の押し出す時に縮んで伸びる収縮運動の力を利用する方法、A全身の筋肉が動く時のリンパ管に与える圧迫力などを利用します。だから、リンパ管は必ず動脈の横にあり、また適当な運動が健康な体を保つ基本の一つになっているのです。リンパマッサージのように掌で皮膚を心臓方向に擦るのもいいのです。なにしろ自分の力では流れようとしないリンパですので、いろいろ世話してあげないといけません。一日中ジーと同じ姿勢でいることが一番いけません。
リンパ液は全身をリンパ管を通して流れたあと、もとの血液に合流します。リンパ管が血管につながるところは2箇所あります。ともに首の前で、左側が胸管で右側が右リンパ本管です。右リンパ本管には右腕と右胸を巡ったリンパ液が戻っていきます。それに対して胸管にはそれ以外の全身からのリンパ液が流れてきます。なぜか非常に偏っていますが、何故かは不明です。神様のいたずらでしょうか。両サイドとも首の前ですので、慢性的な首こりの方は首の運動、特に天を向いたり地を見たりの運動をしてください。
寒さもリンパの流れの大敵です。冷房や外気の寒さもいけませんが、口に入れるものの冷たさもいけません。アイスクリーム、ジュースやビールなどの飲みものを避けてください。喉越しの一瞬の快楽だけのために胃腸などの内臓を犠牲にしています。
『青竹踏みの効用』
足の下腿や膝周辺が日本人に共通して硬くなりがちであると日頃から言っていますが、直接その部位を揉むのが基本ですが、その他に普段からちょっとした動作が大変効きます。今盛んに私がお客さんに言っていることは「青だけ踏みを励行するように!」ということです。
下腿裏側のふくらはぎ、アキレス腱やその表側の前脛骨筋が硬くなると、必然的に足裏のかかとや足底腱が硬くなるからです。足裏とふくらはぎは連動していま。かかとは体の全体重を支えていつもどしんどしんと靴底や床に押し付けられているので皮膚が硬くなる部分です。そこは足底腱がくっ付いて来るところですので当然足底腱も硬くなります。この足底腱のかかと寄りの部位はちっとやそっとの手の力では柔らかくなりません。そこで、体の体重を利用して青竹踏みをするのがとてもいいのです。戸棚に仕舞わずにいつも床に転がして、通りがかりに3・4回、5・6回踏んで通るようにしましょう。
これから冬場を迎える時期から青竹踏みの習慣を付けておけば、皮膚が硬くなってガサガサになったり割れたりすることもなくなります。その効果はアキレス腱にも及びますし、また足底腱がほぐれると反対側の足指に付いている部位もほぐれて、血液循環の改善にもなり、足指の冷たさの解消にもなります。
『胸のしこり早期発見』
足の反射区はよく観察していると体の異常をいち早く教えてくれますので、病気の早期発見・予防に大変役立ちます。そのためには毎日触れることが必要ですし、その異常を感じる手の感覚を鋭く保つことも必要です。
例えば、42胸部・乳房の反射区は乳腺の異常や腫瘍が出来ると初期のうちに教えてくれます。胸部・乳房の反射区の第4趾に現れます(左図参照)。軽く表面をなぞるように触れるとゴマ粒のような固まりが触れるのが特徴です。昨今は乳がんの話題が多いですが、足の反射区にしこりを感じたら、良性なのか悪性のがんに発達する可能性があるのか検査する必要があります。良性の腫瘍や乳腺炎であれば足もみで回復しましょう。悪性のがんであれば、分かった段階でどのように対応するかしっかり考えてください。抗がん剤や放射線治療、もしくは手術を医者は勧めるでしょう。でも進行段階の初期であれば、なるべく自分の体の自然治癒力を高めて克服する方法もあることを選択肢の一つとして頭に置いてください。
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