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『反射区の即効性の検証―33心臓』
折田 充
足の反射区は67箇所あり刺激に即座に反応して対応する臓器・器官に即効性を示します。刺激前後に即座に計測できる機械類があれば反射区刺激の結果が目に見える効果のデータとして確認できます。サーモグラフは温度変化を色で教えてくれる仕組みですが、筋肉や皮膚の血行改善で温まる様子が分かる器械として良く使われ、腰と肩への効果実験で使ったことがあります。今回の計測器械は血流速計(写真参照)です。血流速計は皮膚の上から血管にセンサーを当てると、血管の中の血液の流れる速さを秒速cmという単位でグラフで示してくれます。グラフの山になっているところは心臓が収縮して血液を押し出したときの血流速で、谷は心臓が緩んでいる時の血流速を示します。グラフの縦軸に10c m/秒、20cm/秒、30cm/秒目盛りが刻まれています。
被験者になった方は親から受け継いだ先天的な不整脈をお持ちの方でした。実験前のデータで見ると、一番高い山で25cm/秒、一番低い山で10cm/秒を示しています。心臓の動きが一回一回違うという不整脈の様子が分かります。特に4つ目の山と5つ目の山との間が何とも複雑です。心臓が収縮して全身に送り出す血流速が違うということは、送り出す血液量も違うことになりますので、体に充分な血液が巡っていないことになります。貧血や疲れやすさが症状としてでます。
ちなみに、心臓が収縮して押し出した直後の速さが一番速い血流速で40〜50cm/秒です。実験では足首の内踝の際を走っている後脛骨動脈を計測しました。心臓から一番遠いところで足もみ効果を知るのには適当な場所です。健康な人はこの一番遠い部位でも40〜50cm/秒の血流速を計測できます。(左図)
心臓は神経の影響を強く受ける臓器の一つで、動悸や不整脈などの心臓の異常も本人が容易に感じることです。神経系統に影響を受けやすい臓器・器官の反射区はその刺激に敏感に反応します。心臓はその典型的な臓器です。
刺激前のグラフの山の高さの不揃いさと、刺激後のデータを比較すると反射区刺激の効果が良く分かります。不整脈の原因が心筋の縮む力が弱いせいか心弁の不整で血液の逆流が起こっているのか分かりませんが、専門の医師が見ると分かるでしょう。このグラフは5秒間の記録ですが、刺激前のデータでは山が5回ありますので、心臓が5秒間に5回収縮していることを示します。つまり1分間では、12倍して 60回の心拍数になりることを教えています。70回が標準心拍数ですので、心拍には異常があまりないようです。あくまでも収縮するリズムに不揃いさがあります。
刺激後のデータでは3つの山を記録して機械の調子で止まっていますが、そのまま類推すると5つの山が殆ど同じ高さで記録されていることでしょう。山の高さは約30cm/秒の血流速を示しています。大変な血流の改善です。
さて、心臓の反射区の揉み方の注意です。この方の心臓の反射区を触ってみると全体に平らになっていました。心臓の反射区の場所は第4趾と第5趾の中足骨頭の出っ張りがグッとえぐれるところから始まります。この骨がえぐれた部位が心臓の心筋に対応する反射区です。(左の骨格の説明図は右足の模型をモデルにしていますので、これを左足にあてはめて反射区を左足にとってください)。その部位を触ると骨の形はおろか骨の場所もはっきり分からないほど埋まっていました。まず、指で骨を掘り起すようにして表面や周りの筋肉をほぐしていきます。骨の出っ張りがはっきりしてきたら、次に反射区の肝心の部位をほぐしていきます。この作業はまるで考古学の発掘調査で行なう作業と同じようなものです。回りの土を少しずつ丁寧に払いのけて土に埋もれたものを掘り起こすようにして揉んでいくのです。こうして余分な老廃物をほぐして取り除くことが反射区の刺激になります。その結果がグラフに現れます。