『痛くない足揉みに惹かれて』
東京都足健会会員 越野 由香
2年程前、婦人科系の病を患う友人が毎日自分で足を揉んでいると聞いたのが、私の足裏按摩との出会いです。その後彼女と一緒に台湾式の講座に出かけ、友人達と足を揉み合いました。私は職業柄のどを使うので、一日終えると夕方にはのどが痛く声もかすれ気味になります。ですからのどの反射区を押してもらうと、思わず叫び声が出てしまうほどの痛さがありました。それでも押してもらった後は、喉が楽になり声も出しやすくなります。この施術法の即効性を実感していました。
その頃、足裏按摩が小児麻痺の子どもを回復させた話や自閉症の子どもに効果をもつ話を聞きました。私は障がいを抱える子ども達とふれあう機会が多いので、その子ども達にとってこの施術が成長や健康維持に有効なのではないかと考えました。しかし痛い施術では子どもは逃げてしまいます。何とか彼らに受け入れられる方法はないだろうかと探し、見つけたものが折田先生の足健法だったのです。
これまでの足裏だけに拘った方法とは異なり、足裏からまさに身体全体を見ている、その展開図のようなイメージが私には印象的でした。また、痛くない方法でいかに効率良く凝りを解していくのかという考え方も新鮮なものでした。 専門課程を通して身体全体のバランスや流れに注目し、足揉みとはこれらを整えることによって自己治癒力・回復力を支える行為であることを改めて学びました。当然のことながら、足揉み駆け出しの私にとっては凝りを見つけることさえも大変な作業です。毎回毎回足の重さに辟易しながら、苦労してやっと見つけた凝りも足を動かすとすぐに見失ってしまい、また最初から探し直し…そんなことを繰り返しつつ、凝りがじわっと解れていく感覚を知ると、解していくのが楽しくて夢中になりました。
講習を終え、ほんの少しずつですが、障がいをもつ子ども達の足に触り始めました。「触っていい?」と聞かれ恐る恐る足を出す子ども、「くすぐったーい!」と足を触られて転げ回る子、私を見つけると自分から足を出してくる子と、子ども達の反応はいろいろです。身体の他の部分を触られるのには抵抗があっても、足なら触られても大丈夫という子どもも多いようです。こうしたなかで、特に触れられることが苦手な子ども達にとって、足に触ってもらうことが人とのつながりのきっかけとなり安心につながっていくといいなと考えるようになりました。子ども達の成長や健康維持のために、足健法をどのように生かしていけるのか、これから少しずつ試していきたいと思っています。
『講座に参加して』
マッサージの勉強を始めたのがきっかけで、胴体をやるなら足のことも知っておいた方がよいかな?と、軽い気持ちで受講を決めました。数年前に専門コースを終えていた妹の紹介で知ったのです
実際に学び始めてみると、足裏をはるかに越えた、先生の筋肉ほぐしの世界に驚くやら、感激するやらでした。予科課程の細かな反射区の勉強も大変興味深く、奥深さを感じましたが、私の元々のスタートが全身のマッサージだったせいか、個人的には先生の真骨頂は、専門課程で習う筋肉ほぐし&足首回し(足根揉捻)にあると私は感じています。
めのう愛心棒を使った、痛みを出さず且つ実に素早い、その確かすぎる手技!には専門課程を終えた今でも、私には奇跡にうつります。(もちろん、これは私の至らなさゆえです!先生は実に丁寧にご指導くださいます。)
いまでは、マッサージの勉強そっちのけで、先生の筋肉ほぐしの技を何とか掴みたいと格闘する毎日です。いつか、先生にめのう愛心棒を使う許可をいただける日を夢見て・・・。(めのう愛心棒は、手でほぐす技術がないと使いこなせないどころか、逆に振り回されてしまうそうです。)
足もみは心と体のビタミンi(愛)、暗いニュースが続く日本に折田式足もみが少しでも広がることを願ってやみません。
『足裏の世界に足を踏み入れて』
埼玉県足健会会員 永吉敦郎
厳しい寒さが少しずつ遠のき、ときに汗ばむほどの陽射しが降り注ぐ。木漏れ日の陽射しとそよぐ新緑の葉音はもうすぐ。55歳の声を聞いてから、加齢ということを考えるようになった私は、当時、幼児向けのヨガの本を編集していた。著者である(ヨガの先生)が私の体を見てこう言った。「体の声にもっと耳を傾けて、もし不調を感じたら、まずは体を動かしてください」。あれから2年が経過し、ヨガはものになっていないが、その代わり足裏の世界に足を踏み入れてしまった。昨年の10月からスタートした、予科コース。その後すぐに専門コースを学んだ。週1回の講義と実技は、仕事を調整しながらの時間的に綱渡りであつたが、3時間の授業は楽しく、学生時代を思い出して目黒に通った。他人の足の声を聞くのは、まだもどかしく、技術の習得は未熟の極みである。鍛錬は始まったばかり。右も左もわからない私に、丁寧な指導を授けてくださる恩師(折田先生)に、いつかちゃんとした足裏を披露できることを日々願いながら、いま春の足音を静かに聴いています。
東京都足健会会員 北村 陽子
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