『足もみの神経伝達が効果を生みだす』
折田 充
足の反射区を刺激すると体の臓器・器官の働きが正常化になる効果があるのは、@血液循環が良くなること、とA脊髄反射による神経伝達が臓器・器官に伝わるからです。
足の反射図はどの臓器・器官に繋がる神経の末端がどこにあるかということを示す図です。今回はこの足の反射区を刺激したときにその刺激がどのような仕組みで臓器・器官に伝わるのかを説明します。理論的には反射理論として勉強するものです。
T.まず神経の一般的などの医学書にも書いてある神経伝達について説明します。
足には腰椎や仙骨から出ている神経が束になって指先まで行く坐骨神経という人体で一番長くて太い神経があります。足を刺激するとこの座骨神経が感じて背骨まで伝達します。そこで背骨の中にある脊髄という名の別の神経に伝わり、脳の付け根の視床というところまで伝達されます。その後は大脳に伝わり最終的に大脳の表面の大脳表皮というところまで伝わります。
この大脳表皮まで伝わると、初めてその刺激が痛いのか、痒いのか、熱いのか、などと感じます。もし、とても痛いとか熱いとか感じると自然に足を動かすことになりますが、当然足の筋肉が刺激されて動くことになります。この足の筋肉を動かすのは運動神経といって大脳表皮から脊髄そして坐骨神経に伝わって筋肉を動かします。足の刺激を大脳表皮まで伝える方は感覚神経といいます。
このように一般の医学書では神経の働きを説明しています。しかし、その説明では足の反射区刺激で臓器や器官に刺激が伝わることは説明できません。
U.二つ目の説明は足もみの本にしか書かれていない理論ですが、神経の脊髄反射といわれます。
あくまでも仮説として説明に用いるものです。そうした仮説を考えないと足の反射区刺激がなぜ効果を発揮するのかつじつまが合わないのです。
例えばK胃の反射区を刺激した場合を考えましょう。押したり擦ったりした刺激は坐骨神経を通じて脊髄へ伝わります。そこまでは医学書の説明と同じですが、脊髄と坐骨神経に刺激が伝達されるところで二つに分かれるのです。一つは大脳表皮まで伝わる第1ルートで、もう一つは胃に反射して伝わる第2ルートです。神経と神経の繋ぎ目をシナプスといいますが、このシナプスのところで二つの方向に刺激が伝達される仕組みがあるのです。まるで光が鏡で反射するように脊髄が鏡の働きをして足の反射区の刺激をその対応する各臓器・機関に伝えるのですが、これを脊髄反射といいます。
脳梗塞などで半身マヒになった場合、足もみでマヒ症状が軽くなったという体験談はたくさんあります。どうして良くなった訳をこの脊髄反射が説明してくれます。手足を動かすのは筋肉ですが、その筋肉に頭で考えた指示を伝えるのは先程説明した運動神経です。しかし、その筋肉の運動を支配している大脳の運動野に脳梗塞を起こして血液が流れなくなると、この運動野の脳細胞が壊死して肝心の運動神経が働かなくなります。その結果末端の手や足の筋肉がマヒするわけです。西洋医学の療法ではリハビリを行いますが、軽いマヒ症状が回復する程度です。
しかし、足の反射区刺激は効果的なのです。手足のマヒ以外にも言葉が出なくなったり、瞼がぱちぱちしなくなったりする脳が働いて行なっていることの機能回復に期待がもてるのです。脳は50の分野に細かく働きが分かれます。その分野(機能局在という)に対応する反射区が@大脳の反射区にあります。その一部を下図に紹介します。
手や足の筋肉は骨格筋と言い意志の力で思うように動かせますが、胃腸は平滑筋という筋肉組織で出来ていて意志の力では動きません。しかし、足の反射区を刺激することによって動きが活発になることも実験で証明されています。
もう28年前のことになりますが、内臓がマヒする鎮痛剤をわざと打ってからバリウムを飲んでレントゲンの撮影をしました。内臓全体がピクとも動いていなかったのですが、胃の反射区を刺激すると、20分は動かないはずの胃が3分後に動き出したのです。胃の反射区の効果を見事にレントゲンは映し出しました。その実験の映像は安藤優子さんがキャスターを勤めた「スーパータイム」というフジテレビの夕方の報道番組で放映され大きな反響を起こしました。
myweb1192005.jpg
myweb1192004.jpg
myweb1192003.jpg
page 5
myweb1192002.gif
myweb1192001.jpg