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ふくらはぎの筋肉は足裏まで伸びている
―夜中のひきつりを予防する―
冬の寒い季節になると寝ているときに足が引きつって困るという方が増えてきます。引きつりはふくらはぎの内側から足裏にかけての部位に多発します。
折田 充
 原因は内側の筋肉に疲労物質が溜まっているからです。夜寝ているときは、私たちの体の中では新陳代謝が行われて昼間使った足の疲労物質が吸収され排泄されます。しかし筋肉の運動不足や老化で新陳代謝力が衰えると疲労物質が十分排泄されません。夜中や明け方に寝返りを無意識にするとき、排泄されずに残った疲労物質が筋肉に引きつりという誤作動を起こします。
 @図は長趾屈筋と長拇趾屈筋がふくらはぎの内側からくるぶしの後ろを通って足裏まで延びている様子が描いてあります。この筋肉がよく引きつりを起こす犯人です。この筋肉は足裏を内側に曲げるための筋肉です。自分で自分の足を揉むときの姿勢はこの筋肉が働くことにより出来ます。足もみをするときにこの筋肉の始まりから終わるところまで満遍なく揉むことを加えたらいいでしょう。自分の足もみを日頃していれば、その姿勢でこの筋肉を伸ばしていますので、引きつりは起こさないで済みます。
 私たちの今の生活は、太腿やふくらはぎの内側の筋肉を、以前の生活と比較して極端に使うことが少なくなりました。分かりやすい例をあげると、トイレが洋式になりしゃがむ動作をしなくなったのが典型的です。しゃがむとふくらはぎの筋肉全体が最大限に伸ばされて筋肉やスジの柔軟性が取り戻せるのです。
 この他にも階段の上り下り、自転車を漕ぐ、四股を踏む、などの動作をすると内側の筋肉を使います。1日の中でこのような動作をすることを心がけてください。若い年齢の筋肉は問題ないのですが、50歳を過ぎると筋肉が日々衰えていきますので、動かさなければその減少にさらに衰えに拍車がかかります。
 そうかといって、歩くことが体によいからといきなりウォーキングをしたりすると、膝や股関節を痛めてしまいます。筋肉にはスジがありますが、年齢とともに、筋肉が衰えると同時にスジも柔軟性がなくなって硬くなります。硬いスジはまるで「突っかい棒」のように関節を硬くして膝や股関節の柔軟性を奪います。そのような状態の関節の足でウォーキングをすると必ず関節を痛めてします。
 運動をする前に、スジを先ずほぐすことをするべきです。柔軟体操やスジ伸ばしの運動は室内でできますのでいつでも安全にできます。運動をする前には必ず準備運動をしますが、そういう準備運動のようなことでいいのです。
 A図はふくらはぎの外側の筋肉の短腓骨筋と第3腓骨筋がくるぶしを取り巻くようにして、足の裏へ続いている様子が描かれています。また脛の長趾伸筋は4本の指先まで延びています。足裏を内側に曲げるのは、@の長趾屈筋と長拇指屈筋が縮むだけでなく、外側にあるこれらの筋肉が同時に伸びることで可能となります。縮む筋肉と伸びる筋肉が同時に働いて体は動きます。足裏がうまく裏返せなくて自分の足裏がうまく触れない方は足裏の内返し外返しの運動をしてください。
 のような10秒、20秒の時間があれば出来るような運動を一日のうちで何回でも繰り返して行うことが大切です。服装を運動用に着替えて「やるぞ!」という氣になって頑張ることもいいですが、それより、簡単なことを思い出したその都度ちょっとすることの方が筋肉には効果的です。
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