急勾配な鉄梯子(第28話より)

「ここにはほんの少し古い東京が残ってて素敵ね」
これは劇中、取材で下町を訪れたひとみが拓也に言った台詞であるが、
それから30年近く経過した現在でもこの辺りは十分に昭和を感じさせる味わいのある街並みだ。

【画像左】逃げる少年探偵団の明たちを追う警官に化けたニンダーたち。
明たちは路地奥にあるこの鉄梯子を降り、ニンダーたちを振り切った。

【画像右】鉄梯子は、今では老朽化し使用されてはいないものの、かろうじて現存していた。
画像でも確認できるが、間近で見ると想像以上にボロボロで、恐らく何年も前から使用されていない模様。
急角度に設置してあるこの梯子は、安全面を考慮し使用禁止になったのか?

ロケ地は東池袋四丁目、都電荒川線沿い。後方に少し見える建物は造幣局(東京支社)。

【撮影:2006年12月11日(月)】







それでも少しずつ変化していく下町の街並み
【画像左@、A】少年探偵団の明、治、努はスパイダーマンの要請を受け伸子たちの父親の元へ向かう。
この場所は第38話「ブリキの一番星と少年探偵団」の中でも登場している。【画像左B】
ただし黒いフェンスは28話では無かった。

【画像右】都市再開発事業の一環の為、向かって左側の家屋が取り壊され道幅が拡張されている。
さらにコンクリート階段が半分程削られスロープが出来ていた(残り半分は階段として残っており、かなり変則的)。
向かって右側の住宅は当時のまま。黒フェンスも残っていた。

いつも思うのだが、新しく建てられた住宅というのは古い家屋と比べ見た目は立派だが存在感が薄い印象がある。
それは新しい住宅自体の色が全般的に白っぽいというのもあるが、
変わりゆく街並みを見て、ついつい感傷的になってしまう自分の受け取り方にもよるのだろうか・・・。

2007年10月より、この街並みに隣接する地区(東池袋四丁目第2地区)では地上52階、地下2階の超高層ビルの建設が始まる。
いずれこの街並みも無くなってしまうのかもしれない・・・。


ロケ地は上記鉄梯子から南西へ100m足らずの所。

【撮影:2006年12月11日(月)】







サンシャイン60
28話で下町の様子を紹介している数カットの内のワンカット。
左後方に見えるのは「サンシャイン60」。
「サンシャイン60」は1978年4月6日に建設された。つまりスパイダーマンのテレビ放送開始(1978年5月17日)とほぼ同時期ということになる。
古い街並みに新しく建設された高層ビルが映りこむアンバランスな構図はおそらく意図して撮られたものだろう。
独特な踏切の表示板は現存していたが、店舗(寿司屋)は営業していなかった。

ちなみに「サンシャイン60」は、1990年12月「東京新都庁」が出来るまで12年間日本一の高さを誇った。

【撮影:2007年6月4日(月)】




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