LAURA LEE/TWO SIDES OF LAURA LEE
1.AT LAST 2.EVERY LITTLE BIT HURTS 3.GUESS
WHO I SAW TODAY 4.CRUMBS OFF THE TABLE
5.IF YOU CAN BEAT ME ROCKIN' 6.WORKIN'AND
LOVIN'TOGETHER 7.RIP OFF 8.男が女を愛するとき
9.YOU'VE GOT TO SAVE ME
まず、最初に個人的な意見を言わせてもらいますが、いわゆる「レディソウル」という称号が一番似合うシンガー がローラ・リーではないかと思っています。 デトロイト生まれのローラは子供のころからゴスペルの世界で鍛え上げられ、その実力を看板に60年代にシカゴのチェス などでレコードを発表する。この時期のローラの作品の数々はディープソウルの名作として語り継がれていくことになる。 そのローラが生まれ故郷であるデトロイトに戻りあのインヴィクタス/ホットワックスと契約する。 モータウンを基盤にしたファンキーでパンチの効いたポップなソウルでハニーコーンなどのグループをヒットさせていたイン ヴィタクスサウンドに南部じこみのディープでゴスペルフィーリング溢れるローラのヴォーカルスタイルが見事なまでにマッチ したレコードはヒットを記録してローラは全盛期を迎えるのであった。 ローラの2枚目のアルバムにあたる本作はファンキーなデトロイト風ソウルとディープなゴスペル色が強いバラードナンバー、 つまり、「TWO SIDES OF LAURA LEE」(ローラ・リーの二面性)を楽しめるアルバムである。 ローラの最大の聞き所は躍動感あふれる内面から搾り出すようなパワフルな歌いっぷりであるのだが、表面的な強さ以上に この時期のローラは一人の女性の立場から女性としてあるべき姿を歌い上げていることを忘れてはならない。 例えば、7曲目の「RIP OFF」はローラの最大のヒット曲であり、ソウルクラシックとして今でも聞き継がれている名曲であるが、 ここでのローラはこんな具合である。 「椅子も、ベッドも、食物が一杯入った冷蔵庫も、電話も持っていってしまおう、フロアーからカーペットを、壁から壁紙をはがして しまおう、いい加減に扱われるのはもうたくさん。彼には平手をくらわしてやるわ」 ここでのローラは男性に従属しない自立した女性の姿を見事に表現している。 こういった女性の自立という視点にこだわりをもったことで当時盛り上がりを見せたウーマンリブ運動のシンボルに祭り上げられ ることもあったそうだ。 そのゴスペルで鍛え上げられた歌の実力はたくましく一人立ちして生き抜く女性の心理を表すのに最適である。その点を取り上 げて「レディソウル」としての称号はローラにふさわしいと私が思う所以である。 チェス時代のアルバムとインヴィタクスから発売されたアルバムは聞かなければ損します。体全体でソウルを楽しみたいという 願いをかなえてくれる数少ないシンガーである。 ローラ・リーはその後80年代に入るとゴスペルの世界に戻ってしまったみたいです。今はどうしているのであろうか? |