LEROY HUTSON/LOVE OH LOVE

1.SO IN LOVE WITH YOU 2.LOVE OH LOVE 3.WHEN YOU SMILE 4.GETTING IT ON 5.TIME BRINGS ON A CHANGE
6.I'LL BE THERE,I STILL CARE 7.I'M IN LOVE WITH YOU GIRL 8.AS LONG AS THERE'S LOVE AROUND


  60年代のシカゴソウルの中心グループであったインプレッションズから離脱したカーティス・メーフィールドの後釜として
 リードヴォーカルを担当したのがリロイ・ハトソンである。
 彼が70年代ソウルシーンに名前が躍り出てくるのはスティーヴィー・ワンダーやダニー・ハザウェイなどの「ニューソウル運
 動」が大きなムーブメントとして巻き起こされてからだ。
 73年にインプレッションズから独立して交流のあったダニー・ハザウェイらの助けを借りて作り上げたのがカートムレコード
 から発表されたこのアルバムである。
 ホーンやストリングスを効果的に使いやさしさと暖かさを感じるぬくもりあるサウンドに独特のファルセットが効いたヴォーカル
 がからむ。シンセサイザーの使用など進歩的な音への挑戦などで「ニューソウル運動」からの影響を大きく伺うこと
 ができる。事実、後にダニー・ハザウェイと競演したり「THE GETTO」をカヴァーしている。
 カーティス・メイフィールドと共に70年代シカゴソウルを形成したリロイ・ハトソンは80年代ロンドンで起こった「レア・グルーブ」
 の波の中で再評価され80年代後半にはイギリスのレーベルからアルバムを発表している。
  ところで「ニューソウル運動」と言われるシーンで活躍したシンガー達のレコードは4半世紀たった現在においても少しも古くさい
 音に聞こえることがないのは何故であろうか?ブラックコンテンポラリーの基本になり今時のR&Bシンガーも「ニューソウル運
 動」の影響を大きく感じさせるアルバムを制作したりしている。偏見や伝統にとらわれず新しいものを取り入れていくクリエイティ
 ヴな姿勢、また現実の矛盾を痛烈に批判していく社会意識の強さなどの精神はソウル、R&B、ラップ、ヒップホップなど後黒人
 音楽に引き継がれていったのであろう。