LUTHER INGRAM/IF LOVING YOU IS WRONG
1.(IF LOVING YOU IS WRONG)I DON'T WANT TO
BE RIGHT 2.I'LL BE YOUR SHELTER 3.ALWAYS
4.DYING&CRYING 5.HELP ME LOVE 6.I'M TRYING
TO SING A MESSAGE TO YOU 7.I REMEMBER
8.I'LL LOVE YOU UNTIL THE END 9.LOVE AIN'T
GONNA RUN ME AWAY 10.I CAN'T STOP
11.OH BABY,YOU CAN DEPEND ON ME 12.I'LL JUST
CALL YOU HONEY 13.MISSING YOU
14.YOU GOT TO GIVE LOVE TO GET LOVE 15.SINCE
YOU DON'T WANT ME
72年に、ロサンゼルスのワッツ地区で起きた暴動を記念しコミュニティ募金を目的に開催された伝説的 なコンサート、「ワッツタックス」。スタックスの所属アーティストのほとんどが出演した10万人規模のコンサート、 その記録映画は公民権運動から始まるいわゆるブラックパワーや当時の黒人コミュニティーに生きる黒人達 の世界観を知ることができるソウルファン必見のブラックシネマである。 その「ワッツタックス」では、ジョニー・テイラーが叫び、ルーファス・トーマスが踊り狂い会場を熱狂のるつぼに塗り 変える。コンサートも終盤に近づき日も沈み始めてくる。夕日をバックに哀愁を漂わせて登場するのがルーサー・ イングラム。「もし、君を愛する事が間違っているというのなら、私は正しいやり方を選ばない」と不倫の恋における 苦しみや切なさ、良心の葛藤を胸が締め付けられるように感情的に歌うルーサー・イングラム。 「IF LOVING YOU IS WRONG(I DON'T WANT TO BE RIGHT)」、会場の女性はこの歌の内容に感情移入してしまい ルーサー・イングラムを一点を見つめるように魅入ってしまっている。 私は「ワッツタックス」のビデオで繰り返しみる場面はルーファス・トーマスのダンス大会とこのルーサー・イングラムの シーンです。 そのルーサー・イングラムの代表作がこの「IF LOVING YOU IS WRONG」です。70年代サザンソウルの代表作とも 呼ばれるこの名曲を収録したこのアルバムは、彼の生涯の名パートナーであり名プロデューサーであるジョニー・ベイラー の設立したココから発表されている。ココはスタックスの傘下にあったことからバーケーズやアイザック・ヘイズのムーブメント などのバックミュージシャンが付き重厚なサザンソウルに仕上がっている。ちなみに1,2,3,6,10はマッスル・ショールズで 録音されている。 しかし、60年代的な熱狂と田舎臭さを漂わせるサザンソウルとは異なる都会的で甘さも漂うモダンなつくりのサザンソウル が彼の持ち味であった。 そのため、個性的な容姿も含めてサザンソウルのイメージが薄れてしまい敬遠されがちなシンガーでもある。 しかし、誰が何と言おうと「ワッツタックス」のルーサー・イングラムとこのアルバムは70年代ソウルを代表するアルバムであ ることは間違い無い。このアルバムには2曲目の「I'LL BE YOUR SHELTER」など分厚いリズムセクションが聞き物の名曲も 多い。密度が濃い曲がそろっている聞き応えのあるアルバムである。 それにしても、70年代ソウル、特にサザン/ディープソウル系のシンガーの歌には不倫ソングが多いのは何故であろうか? |