AL GREEN/LET'S STAY TOGETHER

1.LET'S STAY TOGETHER 2.LA-LA FOR YOU 3.SO YOU'RE LEAVING 4.WHAT IS THIS FEELING
5.OLD TIME LOVIN 6.I'VE NEVER FOUND A GIRL 7.HOW CAN YOU MEND A BROKEN HEART
8.JUDY 9.IT AIN'T NO FUN TO ME


  女友達に聞かせてあげたいソウルミュージックは何か?誕生日のお祝いなどにプレゼントしてあげたいアルバムは
 何か?そんな下心丸見えのあなたが彼女のハートを虜にすることができる恋愛必勝アイテムがこのアル・グリーンの
 「LET'S STAY TOGETHER」です。
  いわゆるサザンソウル系の音楽は60年代にSTAXのシンガー達を中心に大きな盛り上がりを見せた。オーティス・
 レディングなどがモンタレーフェスティヴァルに出演してロックバンドと共演したりすることで広範囲な支持層を獲得したが
 ソウルのメインストリームとして一般的な人気を獲得するまでには至らなかった。
 サザンソウル系の音楽はゴスペルが持つ高揚感と暖かみとブルースやR&Bの持つ泥臭さや熱気をポップスのオブラート
 で包まないで、むしろ黒人音楽のルーツの部分を全面的に押しだし力強く伝える音楽であった。
 その点がモータウンのようにヒット曲を量産して「SOUND OF YOUNG AMERICA」とまで呼ばれるようなシーンを形成できなか
 った要因であると思う。もちろんオーティス・レディングの事故死による影響も大きいのであるが・・。
  そのようなサザンソウルシーンの中から生まれたシンガーでポップスターとして成功した数少ないシンガーがアル・グリーンで
 ある。テキサスのクラブであのHiレコードのウィリー・ミッチェルに認められスカウトされたアル・グリーンは「TIRED OF BEING
 ALONE」でミリオンセラーを記録して、それ以降出すシングルが全て大ヒットを記録してアル・グリーンの名前とHiサウンドを広
 めることになる。まさに70年代メンフィスソウルを代表するシンガーとして活躍するのであった。
  そのアル・グリーンの最大のヒット曲「LET'S STAY TOGETHER」(全米1位)を含むこのアルバムは70年代ソウル、Hiレコード
 を代表する名盤である。
 時にはねちっこくささやくように歌う彼のヴォーカルスタイルにどこか控えめなホーンやオルガンが織りなす心地よい甘さが漂う
 アル・グリーンのスタイルはサザンソウルを下地にしながらもどこかサザン特有の情熱的な躍動感や泥臭さを感じさせない。
 その点が甘いマスクと共にアル・グリーンがメインストリームでも通用する要因であると思いますが。熱狂的なサザンソウルファン
 から評価されない一因ともなっている。
 ”メンフィスの貴公子”とも呼ばれるほどであったアル・グリーンは女性の心情を揺さぶるような曲を歌い続けました。
 このアルバムの後に発売された「I 'M STILL IN LOVE WITH YOU」などもHiサウンドの真骨頂とも言うべき「LOVE&HAPINESS」
 が収録されているなど聞き所が多い名盤である。余裕があればこちらもおすすめです。
  アル・グリーンは80年代にゴスペル界に転向してグラミー賞を獲得するなどの活躍を見せています。