SHIRLEY BROWN/WOMAN TO WOMAN
1.IT AIN'T NO FUN 2.LONG AS YOU LOVE ME 3.STAY
WITH ME BABY 4.I'VE GOT TO GO ON WITHOUT
YOU
5.WOMAN TO WOMAN 6.SO GLAD TO HEAVEN YOU
7.PASSION 8.I CAN'T GIVE YOU UP 9.I NEED
YOU TONIGHT
女性ソウルシンガーのスタイルを確立したのはおそらく「ソウルの女王」アレサ・フランクリンであろう。 アレサのゴスペルを基盤にした力強いヴォーカルスタイルが後のソウルシンガーのお手本になっていくのであった。 そのようなアレサの感化を受けたレディソウルシンガーのなかでもアレサのスタイルを最も踏襲したシンガーがシャー リー・ブラウンではないであろうか? アルバート・キングとアル・ジャクソンに見いだされてあのスタックスからデビューしたシャーリー・ブラウン。 その彼女の出世作となったのがこのアルバムです。 妻であるシャーリーから夫の浮気相手であるバーバラへ電話するという設定で始まる「WOMAN TO WOMAN」の冒頭のセリフ は鮮烈な印象を与える。この語りの部分の発想はアイザック・ヘイズからアイデアをもらったそうです。 また、アレサによく似たヴォーカルスタイルという点では1曲目に影響が顕著に現れています。 また暖かみのあるスローナンバーの9曲目が心に染みてきます。 「WOMAN TO WOMAN」が74年にR&Bチャートの首位を2週に渡って輝いたことで一人の女性としての立場から女性の 生き方や主張を歌いあげるシンガーとしてのイメージで語られることが多かったという。 そのため当時盛り上がりを見せた「ウーマンリブ運動」に祭り上げられるような事もあったそうです。 シンガーとしての実力は申し分なくヒット曲に恵まれ始めた矢先にスタックスが倒産してしまう。 以降、彼女の音楽活動も迷走状態に入ってしまう。しかし、80年代に入りJ・ブラックフットなどのサザンソウル系のシンガー の復活に便乗するような形で見事に返り咲くのであった。 80年代末に発表した「INTIMATE STORM」など円熟味をました深みを聞かせてくれる作品を多く生みだしている。 シンガーとしての実力はこの頃のほうが上ではないかと思います。たんなるアレサを彷彿するシンガーではなくスターになる 可能性を多く秘めていたシンガーであったのであろう・・・。それがスタックスの倒産など様々な不利益な要因の為に迷走して しまったのだと思います。80年代以降に復活し、現在もマラコレコードなどで地道に活動する彼女の姿に少し複雑な思いを 抱くのは私だけであろうか? |