O.V.WRIGHT/THE SOUL OF O.V.WRIGHT
1.YOU'RE GONNA MAKE ME CRY 2.I'D RATHER BE
BLIND,CRIPPLED AND CRAZY
3.WHEN YOU TOOK YOUR LOVE FROM ME 4.GONNA
FORGET ABOUT YOU 5.EVERYBODY KNOWS
6.DON'T LET MY BABY RIDE 7.I DON'T WANT TO
SIT DOWN 8.BORN ALL OVER 9.ACE OF SPADE
10.EIGHT MEN,FOUR WOMEN 11.A NICKEL AND A
NAIL 12.HEARTACHES,HEARTACHES
13.DROWNING ON DRY LAND 14.MONKEY DOG 15.HE'S
MY SON 16.I'VE BEEN SEARCHING
17.MOTHERLESS CHILD 18.I'M GOING HOME(TO
LIVE WIYH GOD)
再びO.V.WRIGHTの登場です。O.V.WRIGHTは1964年にあの伝説的なサザンソウルのレーベルGOLD WAXで 「THAT'S HOW STRONG MY LOVE IS」という不朽の名曲でデビューする。 しかし、契約上の問題などからGOLD WAXでは2枚のシングルを残しただけで去ることとなる。 GOLD WAXでO.V.WRIGHTがアルバムを作り続けていたら・・・。想像するだけでサザンソウルファンの夢を膨らませます。 レコード会社と契約しても彼のマネージャーが起こすトラブルなどから破綻の道を歩み、南部を中心に小さなクラブを回る ドサ周りでしか活躍の場を与えられないという非常に恵まれないO.V.WRIGHTの当時の音楽生活だったのですが、この地道 な南部の田舎町のドサ周りツアーで彼の実力が知れ渡り名声を高めることになったといいます。 同時期、オーティス・レディングなどがモンタレーポップフェステヴァルなどに出演してロックバンドと競演してメジャーな成功 を勝ち取っていくのに対して、ソウルをよりどころにして生活している南部の黒人達に圧倒的に支持されたのはO.V.WRIGHT の様なシンガーだったそうです。自分達と同じ目線で手に届く存在であったのであろう。 そのO.V.WRIGHTがバックビートレコードに残した作品のなかから選りすぐりの18曲を選んで収録されたこのアルバムを紹介 しよう。また、レコーディングをあのHiレコードのスタジオでハイリズムをバックに製作したナンバーも多数含まれている。 O.V.WRIGHTの締め付けるようなヴォーカルスタイルに隙間のない緊張感溢れたHiサウンドが絡み合う瞬間はまさに70年代 ソウルの最高のリズムセクションとも言える奇跡のソウルミュージックが完成する。 8曲目、16曲目などはHiサウンドの頂点を極めた名曲といえるであろう。 その他、3曲目やメルヴィン・カーターというシンガーが歌っているヴァージョンも存在すると言われる9曲目などサザンソウル クラシックのオンパレードである。 前に紹介したHiレコードに残した作品集とともにこのアルバムを持っていればO.V.WRIGHTの魅力は余すところなく伝わると思 います。GOLD WAX時代の2枚のシングルも機会があったら聞いて欲しいです。(入手困難) そして、サザンソウル、ディープソウルというおじさん世代中心のこの分野の多くの若者が関心を持ってくれることを願います。 泥臭く田舎くさい硬派なソウルという印象がありますが、わたしにはむしろ新鮮な音楽に聞こえます。古臭さというより新しい音 に感じます。世の中が進歩して携帯電話、インターネットなど情報化社会も頂点に達し、何でも便利でコンパクトなものが好まれ る時代においてサザンソウルが持つ溢れるような熱い感情や生身の肉体感覚に新鮮さを覚えるのは当然であろう。 癒し系などという言葉が流行りその手のヒーリングミュージックがもてはやされる時代において、今こそサザンソウルの持つ心 に染み渡るような暖かさを!こんな事を考えているのは私だけかもしれませんが、ぜひ、O.V.WRIGHTのようなシンガーを聞いて みて欲しい。サザンソウルに再び光が当たる時代が到来して欲しい。心からの願いです。 |