PARLIAMENT/CHOCOLATE CITY

1.CHOCOLATE CITY 2.RIDE ON 3.TOGETHER 4.SIDE EFFECTS 5.WHAT COMES FUNKY 6.LET ME BE
7.IF IT DON'T FIT 8.I MISJUDGED YOU 9.BIG FOOTIN'

 
 奇才ジョージ・クリントン率いるファンク連合、「P-FUNK」軍団については私など足下にも及ばないほどのマニアが
存在することであろうし、この分野は特にこだわりの強い熱狂的な信者が多いのでここでは深く掘り下げず率直なアル
バム紹介に限定させていただきます。
 モータウンでコーラスグループとして出発し、インヴィタクスなどで数枚アルバムを制作していたパーラメントにジェームス
ブラウンのバックバンドに在籍していたブゥーツィー・コリンズが加わり、さらに音楽学校出身のキーボード奏者ヴァーニー
・ウォーレルが加入することでファンクグループとしての活動を始動する。
ファンクグループとしてのパーラメントは「ファンクは地球を救う」というメッセージをコンセプトに黒人社会の現実、またゲットー
で生活する黒人同胞へ力強くストリートからメッセージを投げかけていった。
それは、後に正義の味方ドクター・ファンケンシュタインとそれを妨害しようとするサー・ノウズとの戦いというB級SF映画を思
わせるスペースオペラという形をかりることでゲットーなどを中心に黒人社会で起こっている現実、さらにアメリカ社会の矛盾
を描き出している。
 これでもかと言わんばかりの無限のアイデアと派手で円谷プロも真っ青な特殊効果を効かせたステージで黒人達のカルト
ヒーローとしてその人気を確立していくのですが、そんな彼らが一番、ストリートから誕生したファンクバンドの体臭を感じさせ
るのは彼らの2枚目のアルバムであるこのアルバム「CHOCOLATE CITY」ではないであろうか。
スライ&ファミリーストーンやジェームス・ブラウンなどのファンクからの影響をストレートに表現した骨太なファンクをここでは
堪能することができる。タイトル曲である1曲目などは後のパーラメントのサウンドに通じるクールでシニカルな音作りを見て
取れるが2曲目からは激しくうねり体を直撃するブーツィーのベースが強烈な快感を聞き手に与える熱いファンクナンバーの
連続である。その漲るエナジーは張りつめた心を解放してくれる。ただひたすらリズムに埋もれて体を揺すり続けたくなるリアル
なファンクがそこにある。当時の黒人コミュニティーの熱気が伝わってくるようだ。
 パーラメントを始めP-FUNKについての話題ではその手の専門家が星の数ほど存在するのでここでは「CHOCOLATE CITY」
が熱いアルバムであり、本物のファンクを体で味わう事ができるという事実だけを伝えておきます。
そして彼らのメッセージや音楽性はプリンスなどが伝承して、またラップやヒップホップのお手本として今も尚、ストリートの黒人

達に息づいて