1997年秋 初めての北京-7
天津包子




 高級ホテルのレストランで食事をする機会があった。 こうした外国人向けの店では、料理の量が少なく、 食器や雰囲気も落ち着いているが、お茶だけで10元もする。   日本円では「安い」が、現地感覚としては高い。
こんな店でも充分においしく、日本人好みと思われるが、 何だか庶民の味という感じがしない。
 ある夜、「包子」(バオヅ=肉まん)を食べに行くことにした。  ホテルから路地を歩く。 家を塀で囲ってあるので、 路地には明かりが漏れてこない。  暗い路地を夜歩くのだが、 市民の暮らしに触れたい気持が強くて、恐い感じはしない。 
 途中何度か道を尋ね、大きな通りに面した有名な包子店に 着いた。 客がほとんどいないので、少しだけ注文してみる。  おいしいが、大したことない味である。 これなら日本にもありそうだ。 
 何だか物足りないので、帰りに路地にある「天津包子」 という小さな店に入ってみた。
 混んでいる!  しかも、皆うまそうに食べている。  大衆食堂の雰囲気で、メニューは壁に貼ってある。  とりあえず包子4個と、皆がうまそうに食べているスープを 指差して、「あれと同じ物が食べたい」というと、 何やら言ってくる。 よくわからないが、トラブつているようだ。
 でも、うまそうなので絶対食バたい。  何度も「包子4個とあれ」と言い張ったら、 どうやら食べられることになった。 「多少銭?」(いくら?)と 聞けば、ソロバンを弾き、「4個、4個」と言いながら何度 も計算している。
 金を払い終えて、テーブルで待っていると、隣のテーブル に料理が来た。  男女2人連れだが、包子は山盛りである。 どうも、大の大人2人が包子「4個」しか食バないなんて、 可笑しくてたまらないらしい。 (1つ1つは日本の肉まんの半分くらいの大きさ)   しかも、包子は量り売りである。 な〜るほど!
 私達の料理が来た。  店員が「4個、4個」と笑いながら 運んできてくれる。 食バてみる。
うまい。 これだ、これが本物だ!
!  私達は、きっと見るからに美味しそうに幸せそうに 食べていたに違いないし、外国人が来るのも珍しいようだ。  店中の注目の的である。 「4個、4個」と笑いながら見ている 店員も嬉しそうである。 
 私達は「外国人の食事風景公開」よろしく、 皆に時々手を振りながら、残さず平らげた。


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大成鍼灸院 2001年11月
   
Ly-Zh-9707