幸せ合コン計画




皆様のご想像通り、私は合コンというものに参加したことがない。恐らく、人数が足りなかったとしても、誰も私を呼ぶことはないだろう。また、合コンの現場を目撃したことも多分ない。されど、合コンというものがどのようなものなのかを想像することは出来るし、その想像は極端に間違ってはいないはずだと思う。その程度の知識は日常生活を送る上で流入してくる。


その知識を踏まえて、私は常に夢想している。私のあるべき合コンデビューを――私と合コンを繋げるイデア界のかけ橋、それは理想――嗚呼、T-KSが行く……



手順1…服装は私の一張羅、柔道着(上、名前入り)+ハーフパンツ+裸足というエセサンボスタイル(サンボの服装はサンボジャケット+スパッツ+サンボシューズ)。特に理由はない。もちろん白帯。


手順2…自己紹介は以下の通り。
「私の名前なんぞはどうでもいいのでここで述べはしません。その代わり今回の抱負を述べさせていただきます。先日、私が知人達と飲んでいると次のような会話が繰り広げられました。
A『就職決まった。工業系』
B『オリエント工業か』
私『それは違うだろ』
全く何の仕込みもなく自然と「オリエント工業」というような単語が出てくる飲み会、これが私の目指す飲み会です。本会もそのような飲み会にしたいと思っております。ご静聴ありがとうございました」
(よい子のみんなは間違っても「オリエント工業」という語でweb検索なんてしてはいけないよ。絶対ダメだよ。絶対だぞ。)


手順3…料理を注文する段にあたっては、とにかく刺身を強硬に主張する。絶対だぞ。


手順4…刺身が運ばれてきたならば、執拗にツマを狙う。刺身は食べない。ツマだけを狙う、執拗に。


手順5…会話は全て天気の話題――飲み会で宗教と野球と政治の話はしてはならないので。ロンドン紳士は天気の話題で見知らぬ人との会話を円滑にこなすという。その知恵を拝借させてもらう。天気の話題以外はしない。


手順6…席は動かない。特に理由はない。


手順7…二次会は何としてもカラオケを主張。カラオケに飛び込め。そしてカラオケ道に則って清く正しく朝まで頑張る。


手順8…午前3時50分頃に部屋には自分しかいないことに気が付く。そもそも最初から自分しかいなかったことには気が付かない。とりあえず『償い』(さだまさし)を歌って部屋を出る。合コン参加人数分の支払いをし『メモリーグラス』(堀江淳)を歌いながら自転車を漕いで家路につく。


手順9…自宅で『信長の野望 武将風雲録』(光栄)を伊勢国司・北畠家で始める。


手順10…1555年3月は鳥屋尾石見守に開墾を、北畠政成に訓練を命じる。


手順11…1555年4月は鳥屋尾石見守に開墾を命じる。


手順12…何だか面倒になって唐突に電源を消す。布団の上であぐらをかいたまま眠りに落ちる。



That's all.


(「オリエント工業」については本当に卑猥なネタなので、苦手な方は検索しないでいただきたい。代わりに「北畠政成」でもどうぞ)



(2006/10)



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