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1月4日 弁護士と公益活動(3)

 昨日の続きです。

 誰からか声をかけられたり、事務所のボスに命令されたわけでもないのに自発的にビラ配りに参加する新人弁護士というのは、このご時世では珍しかったらしく、私は「会務をやりそうな奴」ということで、早速引っ張り出されてしまいました。

 初年度の7月に行われた東京弁護士会の政策合宿での「司法修習の実態を語る」座談会にパネリストの一人として出されたのです。このときの座談会は、当時の「法学セミナー」にも掲載されましたが、今読み返してみると、自分の発言は日本語になっていないし、企画の趣旨とは関係なく、ほとんど盛岡修習の宣伝ばかりしていたような感じで赤面してしまいます。

 でもって、私としては、この単発の企画に参加してこれで一件落着、と思っていたのですが、その後なぜか、東京弁護士会の司法試験・法曹養成制度改革対策本部なる特設の委員会のメンバーにされてしまい、出席するようになりました。

 弁護士1年目の新人にとって、東京弁護士会の委員会の本会議というのは、どちらを向いても自分より遙か先輩のえらい先生が講釈をぶっている恐ろしい世界です(笑)。

 まあ、恐ろしいと言っても、会社の上司のように指揮命令関係にあるわけではないですが、とにかく新人がのこのこ出かけていっても自分にはちんぷんかんぷんな議論の空中戦が繰り広げられていることが多く、多くの新人弁護士はいやになって出なくなってしまうような気がします(少なくとも当時はそうでした)。

 しかし、幸いにして、法曹養成にかかわる分野は、当時司法試験改革を巡る議論が中心で、ついこの間まで受験生だった私にも体験という一日の長があったため、時々生意気にも口を挟むことができました。このため「新人のくせに生意気な奴」という一部の定評ができてしまったようですが。

一つ前へ  一つ後へ

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