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3月4日 任意同行19時間の取り調べ?

 弘前の武富士強盗殺人・放火事件で小林被疑者が緊急逮捕されました。

 物証に乏しい中、逮捕にまでこぎ着けた警察の努力には頭が下がります。………が、マスコミの報道が事実なら、警察は昨日、午前6時45分に被疑者を任意同行してから、深夜まで取り調べを続け、4日午前になってようやく自白を得て、午前1時18分に緊急逮捕したとか。

 これはかなり問題です。

 まず手続き面。

 朝6時45分の「任意同行」といいますが、そんな早朝に「任意」で同行される人がいるのでしょうか?ほとんど逮捕の要件を満たさない「令状なき逮捕」ではないでしょうか?

 そして19時間の取り調べです。

 こんなにぶっ続けで一日中取り調べられて、へこたれない人がいるのでしょうか?たとえ逮捕されていたとしても、明らかに行きすぎの長時間の取り調べだと思います。いわんや本件は「任意」の取り調べです。「任意」で深夜1時まで取り調べにつきあう人がいるのでしょうか?相当問題になると思います。

 実際問題として、ここまで長時間の取り調べの結果、得られた自白というものは、本当に信頼できるものかどうか。真犯人でなくとも、自白しかねないほどの長時間の取り調べをうけていたわけで、自白の信用性には相当疑問符がついてしまいます。

 仮に起訴されたとして、公判で被告人が自白を撤回した場合、捜査の行き過ぎが自白の証拠能力や信用性の判断に深刻な影響を与える可能性は否定できないと言わねばなりません。

 この点を指摘するマスコミが見あたらないのは非常に残念ですね。犯人さえ捕まれば、手順は何でもいいというのでは、近代国家とはいえないはずです。

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