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3月5日 「20世紀少年」に想う

 最近はまっているのが浦沢直樹のマンガ「20世紀少年」です(マンガですから、はまっていると言ってもすぐに読み終えてしまいましたが)。

 現在8巻まで出ていて、まだまだ先は長そうですが、勝手に現在までのあらすじを言うと、20世紀末の日本に「ともだち」なる不気味な人物を崇める謎の宗教団体が登場し、細菌兵器をはじめとするテロを起こし始める。ところが次々に起こるテロ事件は、主人公たる青年とその幼なじみが幼少の頃に秘密基地で作り上げた空想の世界の未来のストーリーそのままだった。そのことに気づいた主人公たちが「ともだち」の正体を探り、世界の破滅を阻止しようとするが、逆に主人公たちがテロの首謀者という虚偽の嫌疑をかけられ、2000年12月31日の大テロによって世界は大混乱、主人公たちも生死不明、あるいは投獄される。そして迎えた21世紀は、混乱に乗じて世界を乗っ取った「ともだち」一派が牛耳っており、歴史も改ざんされた歪んだ世界だった………というものです。

 まあオウム真理教にヒントを得たとしか思えないのですが、この作者のストーリーは確かに描写がうまくて、引き込まれてしまいます。

 しかしながら、何事にもイチャモンをつけないと気が済まない弁護士の悪い癖で、すぐにストーリーのディテールに矛盾を見つけてしまいます(^^;

 例えばオッチョは前述のテロのために「懲役300年」の刑で投獄されているとのことですが(マンガを知らない人にはわかりませんね、ごめんなさい)、罪刑法定主義の原則からは、行為時に法定されていない罰は科することはできないところ、日本の刑法では有期懲役は20年が限界で後は無期懲役と死刑しかありません。

 ですからこんな刑はあり得ないはずです。

 仮に「ともだち」が牛耳るようになって罪刑法定主義なんかふっとんでしまったとしたら、逆になぜオッチョを死刑にしないのか?という突っ込みが可能でしょう(ストーリー上生かしておかないといけないだけなのでしょうが)。

 まあマンガの話ですから目くじらを立てても仕方ないのでしょう。願わくば、「Monster」のように、大風呂敷を広げすぎて収拾のつかないエンディングにだけはしないでほしいです。

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