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4月9日 家族には内緒で……

 本日は、四谷のクレジット・サラ金法律相談センターでの相談担当でした。

 本日目立ったのが「このことはまだ家族には告げていません。家族には内緒で債務整理をしたい。」という方。

 家族に心配をかけたくない、という気持ちはわかりますが、私は原則として「家族に内緒で債務整理はできませんよ。家族にも全てを打ち明けた上でなければ、私は引き受けられません」ということにしています。

 この対応については、弁護士によって多少判断の分かれるところではあろうかと思いますが、私が「家族に内緒」の債務整理は引き受けない、という方針なのは以下の理由からです。

 第1に、実際問題として、家族に内緒は不可能であるということ。
 債務整理を依頼に来る方の多くは、既に返済遅滞に陥っているか、その寸前で相談に来られます。弁護士がどんなに早く債権者に受任通知を発送したとしても、行き違いで債権者が自宅に問い合わせをしてしまうことはあり得ます。
 さらに街金や闇金から借りている場合、こうした業者は、あまり法律を遵守しようという気がありませんから、弁護士が受任通知を発送しても、どこ吹く風で自宅に押し掛けたりします。かえって、弁護士を相手にしては面倒くさいことになるために、弁護士の影がちらついたら、むしろ焦って取り立てに来ます。ですから、受任通知後数日は、逆に違法な取り立て行為が来る可能性があります(もちろん、応じてはいけません。警察を呼ぶのが一番です)。

 第2に、家族に内緒で再建をするのは無理な場合が多いこと。
 一家の大黒柱である方の場合は当然です。家族から見れば、事情を知らない場合にはなぜそんなに生活を切りつめなければならないのか不審でしょう。

 家族に打ち明けることは恥ずかしいですし、当然怒りを買うことも多いと思いますが、自分から打ち明けずにあとでばれてしまった場合の方がもっと信頼を失う可能性が高いことだけは言えます。

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