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5月8日 あきれた新人弁護士

 本日受けた相談で、びっくりした件がありました。

 その相談者はなかなか研究熱心な方で、素人ながら自分のぶちあたったトラブルについて文献等を研究し、当たらずといえどもいくつかの方策を考えるところまではいったらしいのです。

 ところが、私以前に相談した弁護士にとんちんかんなアドバイスをされ、時間を無駄にしていたそうです。

 と、ここまでなら結構よく聞く話ですが、その弁護士の名を聞いて、念のため名簿で調べると、なんと昨年10月に弁護士登録したばかりのほやほやの新人です。

 だから新人はダメだ………などと言うつもりはありません。私自身、数年前は社会経験もロクにない新人だったのですから。失敗しない弁護士の選び方・頼み方Q11に書いたように、新人弁護士だって調査能力と熱意さえあれば、事件の見通し以外は役に立つアドバイスはできるはずです。

 しかしながら、相談者に話を聞けば聞くほど、その新人弁護士は「本当に司法試験に合格したの?」といいたくなるような目を覆うばかりのアドバイスをし、しかも自分で何一つリサーチをしようとせずに、その間違ったアドバイスの尻ぬぐいまで相談者にさせていたようです(具体的内容はプライバシーに関わるので言えません。ごめんなさい)。

 ベテランで腰の重い老弁護士が、いい加減で気乗りのしないアドバイスをするのはよく聞くことです(それだって相談者から見ればたまらないでしょうが)。

 しかし、私が悲しいのは、弁護士登録したばかりで、これからキャリアを積み、実力を付けていこうとする新人がそこまで不誠実な対応をしていていいのか、という点です。自分のキャリア、実力、評価のみならず、法曹界全体に対する信頼さえ失いかねないような対応を、青雲の志に燃えているはずの新人がしていていいのか!

 ため息の出るような話でした(一人で憤っていてすみません。久々に腹に据えかねる出来事だったので)。

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