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6月7日 クレジット・サラ金相談のリピーター

 最近、多くなったなあと思うのが、弁護士会のクレジット・サラ金法律相談に「再び」やってくる人。

 一度債務整理を始めたものの、何らかの理由で挫折して、また相談に来るという方々です。

 中でも困り者なのが、前任の代理人に対し、約束した弁護士費用や債権者への弁済準備金を支払わず、やむを得ず前任の弁護士が辞任した結果、債権者からの取り立てが再び始まり、また相談に駆け込んでくる人。

 弁護士が受任通知を出すと、確かに取り立ての大半は止まります。

 そこで「のど元過ぎれば熱さを忘れる」で、無責任にも弁護士に連絡もよこさず、打ち合わせにも無断欠席し、当然お金は支払わない、という方が、残念ながら相当数います。

 弁護士としてもこれではどうしようもないので、仕方なく辞任せざるを得ません。債権者に対しても赤恥をかくことになります。

 過日、私が受けた相談では、こんなことさえありました。

受付から前回の相談シートが添付されており、そこを見ると、相談結果の欄に「受任」と書いてあります。

 おかしいな、と思って「前に相談したときの弁護士さんに頼んだのではないですか?」と聞くと「頼んではいない。それきり、会ってない」と言うのです。

 「いや、でも前の弁護士さんが『受任』と書いてありますよ。契約書を作っていませんか?」「いや、覚えてません」

 「そうすると、前の弁護士さんが嘘の報告書を作っていることになる。それはけしからんので、今ここで私が前の弁護士さんに電話して聞いてみますがいいですか?」

 ここまで聞いて、ようやく「いや、実は3万円払って契約書を作ったような気がします」と認めました。

 「その後、どうされたのですか?」「何もありません。突然、辞任する、と手紙が来ました」

 「いや、その前に弁護士から『打ち合わせをしたい』とか『連絡が欲しい』とか何度か言われたでしょう」「そうかも知れません」「連絡をしたのですか?」「………」

 私もさすがに呆れてしまい、こう言いました。「前の弁護士さんに辞任されてしまったことだけならまだ仕方ないなあ、ですみますが、なぜそのことを隠すのですか?そのような仕打ちをされては、私もあなたのことがあまり信頼できません。普通の方には着手金を分割で払うことも認めていますが、あなたには認める気になれません。もし頼みたければ、先に着手金全額を用意してから来てください」………こう通告したら、なんとその後、その方が受付に私の苦情を言ったそうで、何か迷惑をかけてしまいました。

 でもねえ、弁護士だって最初から信頼の置けない行動を取られる人には腹が立ちますよ。

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