大阪 ことば悦覧 ことば紀行 2008年5月12〜18日   home 

 井戸健治さんことば悦覧 2008年 5月13日午後 高津 ビルの5階井戸さんの事務所にて   
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その09

佐藤:建築家は図面は書くけど、作ることはしないので、施工業者とのコラボレションなので、協力してくれる人の能力とか才能とかを否定できないと思うんだよね。共同者の人格否定は出来ないからね、間違いは許すわけじゃないけど、間違いをどういうふうに消化するかとういうのも職能としては必要だと思うんだけどね。

井戸:僕も理想がそこに在って。そういうのが間違ってでも、佐藤さんがおっしゃる形式さえしっかりしてたら良いと言うか。なにかもっと大きな見え隠れする何かさえ伝われば、充分ですね。逆にそういう在り方が一番建築のあるべき姿。Aさんやったらおそらく作り直すであろうやつで作ったものが、出来たものはかっちりとやるかもしんないけども。それって別になんちゅうか、別のあれを背負うじゃないですか。恨みもそうですけども、お仕着せ背負うじゃないですか。 それって建築っちゅよりもデザインを作っているちゅう。感じするんですよね。それって在り方じゃないと思うんです。

佐藤:自分の考え方も作りたいけども、自分でも作れないんだから他人が作れるわけない。技術もないしね。作るって言うことは現代の社会の技術とか能力とかに、それから集合した知識ね、。それを技術と言ってもいいしマテリアルと言ってもいいんだけども。それらを活用するわけですからね。おれがマテリアルを生みだしたわけでも何でもない。誰かが作ったあり合わせの素材でや知識をつかて建築を作るわけであるから、最初から他者を許さなければしょうがないよね。他者に依存しなければしょうがないよね。理想の空間に適したマテリアルや技術を発明したらそうではないかもしれないけど。それって現時点では建築ではないと思うんだよね。

井戸:それは建築という意味ではナイン違いますか。形式の話で言うと
佐藤;その境界は判らないけど、おれがつくったのは形式しかないんだよね。それだけでいいんじゃないって。デティルを集合させたいわけでもないし

井戸:形式と関係性ですよね
佐藤:そうだね、それだけが定着できればあとはホドホドでいい。デティルに拘ってない。出来ることなら丈夫で長持ちする素材を使いたいぐらいでね。それから自分で設計すると色々な問題が直接帰ってくるから、組織に居るときよりは建築との関わりが判りやすくなるよね。個人で事務所をやるというのはね。

井戸さんは個人でやるというのはさっきいわれたように、自分の時間を確保するというか翻訳ね。洋書に向かう時間を確保したいから、まあ自立したみたいな話だだったんだけど。他者にもそれを許しますか

井戸:人には許さないでしょうね〜
佐藤:僕は社員は雇わないからそうい問題は発生しなかったんだけど
井戸:それは矛盾ですけど、例えば僕が人を使用するときはそれを先説明します。そういう条件で幾ら払いますという。

佐藤:そうかそうか君の時間は奪うけど
井戸:そのために僕はお金を払うと 
佐藤:なるほど

井戸:僕はそうは言っても自分の時間はとるから
佐藤:おれは翻訳する時間はとるから、お前達そのかん仕事してくれと、その分の金は払うと
井戸:そうです
佐藤:わかりやすいね

井戸:それは説明義務じゃないですか
佐藤:ふふふふふふふなるどほど、ああそうか、生活と建築を考える時間というのは井戸さんにとってはセットになっているからね。
井戸:そうですね、境界がない

佐藤:設計することが生活になる 建築主義者と言ってもいいし、建築馬鹿と言ってもいい。そういうものを中心に置いて生きていこうという話ですね
井戸:そうですね。生き方のスタンスは。そうですね。

佐藤:俺の建築の設計を説明してしまいましたけど はははは
井戸:凄く楽しかったです

佐藤:へーえ、参考になりますかね。
井戸:なります。自分なりにずーっと20代の頃からなんちゅうかな。やりすぎる建築がなんで僕嫌いなやろうと思ってたんですよ。お仕着せの建築が嫌だなと思っていて。佐藤さんにデティール見てると
佐藤:デティールないからね

井戸:これでいいやと思っうんですよね。なんとなく。それでその話聞けたんで。なんとなくそういうやり方もあるやな〜というのが

佐藤
:形式だけ作りたいんだけど、でも雨漏りしてはいけないんだよね
井戸:それはもちろんそうです。
佐藤:生活するところなので、ある程度の自然に対する不安は除去して、建築で取り払ってあげないとね。

建築は権力だからね、他者を拒絶するからね。最初から権力の宿命は背負っているので、それを充分活用するよね。同時にそういう権力を突き崩すかっていうもとも行うよね。 建築の使いかたの可能性を提示したりするよね。 竣工して引く渡す前に俺が使ってしまうからね。

今日は建築あそびのために私の家を開放しますから、皆さん来て下さいと呼びかけるしね。 生活や仕事を中断してその建築の権力溶かす行為もする。解放してくれる、やってくれる人も居るけど、閉ざしてばかりいる人もいるからね、。時々使わしてもらうけど、相手が嫌だっていえば無理矢理はできないので、日本では建築は所有物ということになているからね。 どうぞと言う人もいるんだよね。

建築あそびは俺の家でけじゃなくって、他の建築でもやって来たんだやよね。

井戸:へーえ

佐藤:そのあたりの 記録しても コストがかかって発信出来ないんで諦めてた長い時間。 今はもったいなく思うけどね。発信出来なかった事もあると。後悔が残るけどね。
井戸:うん

佐藤:こんなに簡単に自前の情報が当たり前のように流せるなんて 俺にとっては革命だったね。
井戸:うんうん、それはインターネットとボイスレコーダーがね
佐藤:デジカメもあるし、写真何枚とっても金かからないんだものね。300枚とったら以前だったら2,3万掛かっていたよ。
井戸:かかりますよね

佐藤:手間を惜しまずに行動しれば コストはダダ当然なんだから幾らでも発信できるからね、世の中変わったよ。本当にね。
井戸:なにかそれ年期入ってますね、カメラ
佐藤:なんども落っことすからね 継ぎ目の口が開くんだね。このへんはラブホテルだらけだね。

井戸:夜になったらネオンだらけですよ
佐藤:キラキラ綺麗だね、いいね〜・大阪って具象的ですよね
井戸:具象的って

佐藤;:看板とかね抽象度がちょっと低い分生活しやすいよね
井戸:ただスーパーとかいって引いてみると抽象的ですよ
佐藤:いっぱい欲望が単に並んでいるだけだからね
井戸:だから模様に見えますよ

佐藤;:それはそうだね、それはいいね
井戸:ラブホテル街も もっと引いてみたらモダンに見ると思いますよ、ここ近いから
佐藤:ラブホテルに行く人捜して、大阪ラブホツアーもいいかもな〜
井戸:ははははは、女性ですか
佐藤:;男でもいいけど
井戸:ラブホテルの内装も色々ですからね
佐藤:ラブホやったことあるんですか

井戸:ないですけど、あれは専門の人居るんですよ、僕らがおいそれと出来ないんちゃいますか

佐藤:まあそういう事で僕は5年ごとにインタビューに来ますから、どうなるかわからないですね
井戸:わからないですね〜

佐藤:先ほどのインタビュー本を出してくれる社会がいいのかどうか判らないな〜

井戸;これは全部スターじゃないですか、有名な
佐藤:ターゲットリーダが最初から絞られているわけだよね
井戸:この人インタビューしたら売れるなって判っている人ばっかりですよ、だからそういうのを読めて

佐藤:結構寂しいインタビューだねそれは
井戸:雑誌しゃとかがセッテングしてるかもしれないですね
佐藤:はああ〜
井戸:雑誌社というかその美術館とか
佐藤;そういう意味では予定調和的なインタビュー記録だね、でもそううのも在っていいしな
井戸:読み物として面白いです、簡単な英語ですし、批評文読むのシンドイですからね。

佐藤;対話のほうが読みやすいよね
井戸:会話の方が、書き言葉と決定的に違う

 井戸さんの記録はこれで終わりです
 読んでいただき有り難うございました
 続きは2013年です 文責佐藤敏宏