映画と原作・倉田かおりと犯罪


 映画と原作とでは、年齢と能力の他は、劇的に設定が異なる倉田かおり。
 原作のかおりは、「力」(パイロキネシス)を制御出来ない子供。同級生に火傷を負わせたことがあるらしい描写がありますが、それが故意なのか事故なのかははっきりしません。
 映画のかおりは、正気の状態で花瓶の花を燃やしたことから、自らの意志でパイロキネシスを使うことが出来るようです。
 パイロキネシスを制御出来、その力を人間に向ければ、相手は燃えて死んでしまう。それは、犯罪です。
 映画では、「私もやる」と言うかおりに対し、淳子はいけないことだと、必死に訴えていました。しかし、木戸に押されたかおりは、自分の意志でしたことではないとはいえ、自動販売機を壊して硬貨を盗んでいた男達を、燃やしてしまった・・・・。正気を失っていた、操られていた間のこととはいえ、倉田かおりが、人を燃やした、殺してしまったのです。(この「殺人」は、長谷川により、他の件とまとめて、青木淳子の犯したものとして処理されたものと思われますが。)
 正気を取り戻したかおりは、果たして、木戸に押されていた間の出来事を、淳子がいけないと言ったことをしてしまったことを、人を殺してしまったことを、覚えているのでしょうか?・・・・・・真相を知る者は皆死んでしまったので、後からかおりに事実をささやく者もいません。かおりには、このことは、覚えてないでいて欲しいと思っています。「お姉ちゃん」の教えを守り、自分の意志で人を燃やすような子には、決してならないと思うから。
 原作に比べ、映画は、登場人物が全体的に善良化している印象があるのですが、ローティーンの少女に人殺しをさせているのは・・・・・・。時間を置いて振り返ってみると、とても、むごいことに思えてなりません。



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