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★ミ 【その11】 ・・・イベントブースビルダー? 設営の流れ

【イベントブースビルダー??(2)】
「設営の流れ(2)」
設営の流れというタイトルをつけましたが、
普段は設営の事を 仕込み と呼んでいます。
撤去作業の事は ばらし と呼びます。
んーーこの言葉はどうなんでしょう?舞台の方から来ているのですかねぇ?

前回話が途中になってしまいましたので、もう一度始めからおさらいしますと。
(事務局がブースの小間割をします)
(バナーを天井から下げます)
(基礎屋が基礎を立てます)
(基礎の経師屋が経師をします)
(基礎の電気屋が幹線をひきます) 
ここまでが基礎工事。
と、書いて来ましたが、人知れず(笑)というかσ(^○^)が気が付かないだけで
イベントの開催に重要な役割を果たす業者の方がおられるかも?しれません。
おーーい俺を忘れるなぁ〜〜 抜かしてるぞぉ〜〜等のご意見が御座いましたら
どしどし言って下さいね。
あっσ(^○^)も忘れていた業者さんが有りました。(汗)
それはいつも必ず目にする警備員の方々です。
警備会社も事務局からの依頼なのでしょうね。
それから各業者から依頼を受けて荷物を運ぶ運送屋、これも忘れてはいけませんね。
そしてもう一つ忘れている業者が有りました。リース屋です。

(リース屋が机と椅子を配ります)
ブースの施工業者の作戦本部用の机と椅子を配ります。
リース屋が机と椅子を配るのは、各ブースの装飾業者が入ると同時くらいですね。
イベント会場のリース屋はHリースとH(おぉ偶然頭文字が一緒(笑))
2社独占状態ですね。
リース屋は作戦本部用の机と椅子ばかりでは無く、イベントに必要な備品
一切の貸し出しを行っています。

そして小間屋と呼ばれる各ブースの装飾業者が入ります。

(絨毯屋が絨毯をひきます)
(トラス屋がトラスを立てます)
その時によって色々なのですが、絨毯屋とトラス屋も夜から作業に入って
朝までに作業を終了させる事も有ります。

(金物屋が金物(鉄骨等)を立てます)
最近ではトラスがはやりなので、鉄骨を組んで・・・という仕事は減っていますが、
トラスが普及していなかった頃は木のボーダーを回して居ました。
現在でも木のボーダーを回すことも有ります。
空中に飛ぶ距離が長かったり、ボーダーに照明器具等を取り付ける場合
木だけでは保たないので、中に鉄骨を組んで通す方法をよく使いました。

以前これをそのまま家に使えるのでは無いか?
と思う程の鉄骨を使って2階建てのブースを作った事も有りましたね。
3日間の開催で壊すのは本当にもったいないですね。

(木工屋が木工を立てます)
ジャジャーーン!! やっとσ(^○^)の出番がきましたね。(汗)
イベントブースビルダーの中ではやはり、木工をやっているので木工屋と呼ばれる
のでしょうね。σ(^○^)なんかはやはり、大工さんと呼ばれています。

イベントブースが出来上がってしまうと、表面には様々な色の紙やビニールクロス
アクリル、パンチ、その他色々な物で隠れてしまい
解りにくいのですが、ブースの装飾物の殆どが木で出来ています。
木と言っても小割か、たる木の桟にベニヤを貼った、ハリボテですけど。(笑)

イベントブースビルダーの中では最も歴史が古く。(多分)
ブースの中の造作で一番多い部分を占め、
最も重要な位置を占めている仕事だと思います。
ですからやり甲斐は一番有る仕事だと思います。
しかし技術の修得には一番時間が掛かりますね。
んーーσ(^○^)なんかまだまだぁ・・・。
この仕事を40年もやってきた職人さんがまだ悩む事が有るのですから・・・。
それだけまぁ飽きがこない仕事だとも言えますね。

トラス屋がトラスを立てている間、木工屋はぼーーっと見ているか
と言うとそうでは有りません。
運送屋のトラックから制作物を下ろし、各ブースに仕分けして
大体の位置に振り分けて置きます。
σ(^○^)とこの場合、1つの展示会で1社しか施工しないというのは少ないので
複数のブースの制作物を同じトラックに混載になります。

ここで大事な事が一つ有ります。
それは工場での制作段階でやる事なのですが、とっても大事な事です。
それは制作物に名前を書くという事です。
自分だけ解る書き方ではなく、誰が見ても解るように、
大きく、はっきりと、○○ブースの○○コーナーの何処と書いておく事です。
この作業ってどうでも良い様に思われがちですが、これがホントに大事な作業です。

量が多いときには4トン車に6、7台の制作物になりますので、
その中から目的の物を探すのは大変な作業です。
一枚のパネルが見つからない為に、その後の作業が大きく遅れる事も有ります。
またその様な大きな現場の場合、臨時の大工さんも沢山頼みますので、
何十人もの人で、荷下ろし作業をします。
旨く振り分けて貰わないと、大変です。

それから最近σ(^○^)は、現場取付図面なる物を書いて現場に持って行っています。
σ(^○^)の作るブースは全て、一度JW_CADで平面図を書き直しています。
工場での制作の際は、それぞれパネル、ボーダー、展示台等に分けて
寸法を入れた物をプリントアウトして、制作しています。
そして現場取付図面なる物=施工図ですかねぇ?は、
そのパネルがブースのどの位置からはじまり何処までか。
ボーダーは、展示台は、トラスはと、縦横の寸法を全て入れています。
ですからσ(^○^)は、ブースに制作物が置かれる前に、長い巻尺を持って
かけずり回り。(汗)
それらの位置をマジックで印し、糸を張りガムテープで固定します。
これがまた大事な作業なのですよね。
この位置だし作業によってもその後の作業に大きく影響します。
出来るだけ制作物は通路に置いて、ブースを空けて置く様にするのですが、
通路が狭かったり・・・周りのブースの人に先に置かれてしまったり。(汗)
と、色々な場合が有るので、んーーとにかく初日の朝はいそがしぃ〜。(汗)

σ(^○^)とこの仕事の場合、絨毯屋、トラス屋、電気屋、経師屋、映像屋
照明屋、アクリル屋、文字屋、その他ほとんどの業者が
σ(^○^)とこの営業の会社からの発注になっています。
ですからまぁ、仕事がやりやすいと言えばやりやすいのですが、
全てに置いて責任を持たなければならないので、大変は大変ですね。
間に広告代理店等が入って下請けの仕事の場合は、
その代理店の発注になる事も有りますし、σ(^○^)とこからの場合も有りますし、
その時によって業者は色々です。

とにかくブースの中で木工の造作が基本となりますので、責任は重大です。
搬入開始時間には殆どの業者が一斉に搬入してきますので、
木工がある程度出来ない限り、他の業者は待ちになってしまいます。
工場で分割して制作した物が、旨く納まるか納まらないかによって、
現場での作業の進行状況が大きく変わります。

ブースの木工造作物を簡単に大きく分けると パネル ステージ 
ボーダー 展示台 の4つに成ります。
工場でバラバラに制作した物をブースで組み立てる訳なのですが、
まずは基本となるパネルから立て込みます。
そこにステージ、ボーダーを付けて、最後に展示台ですかね。
ブースによって組立方はいつも違います。

(経師屋がパテを掛けます)
紙又はビニールクロスを貼る前に下地処理として、
パネルとパネルの繋ぎ目、ベニヤの繋ぎ目等にパテを掛けます。
この下地処理も予算によってσ(^○^)所では3段階になっている様です。(汗)
パテ掛け>ちゃちり(ちゃちり(くわちり)と呼ばれる和紙で繋ぎ目を袋貼り)
>ラッカーテープ貼り。
もーちろんパテで処理した方が、仕上がりが断然きれいなのは言うまでも有りません。

木工屋がパネルを立てると、立てたそばからパテを掛けて行きます。
以前のパテは、パテを掛けて、乾いてからサンドペーパー掛けをしなければ
ならなかったのですが、最近ではペーパー掛け不要というすぐれ物が出てきまして
作業が早くなっています。
とにかく時間的に余裕が余り無いので、木工パネルが完全に固まるまで待たずに
パテ掛け作業を行って行きます。

(電気屋が配線工事をします)
パネルが立ち上がるとストックルームに配電盤を設置し、幹線を繋ぎます。
そして配電盤から電気を使う大体の場所まで、Fケーブルを引いて置きます

(照明屋が照明器具を取り付けます)
トラスが組上がり、その周りのパネルが固まると、
照明屋がトラスによじ登り照明器具を取り付けます。
照明器具には必ず落下防止のワイヤーが付いています。
照明はコンピューター制御で、向きを変えたり色を変えたり模様を変えたり
点減させたりといろいろ出来ます。

(木工屋がステージを組み立てます)
パネルが大体組上がったら、ステージを組立てパネルに付けます。
その時の状況に寄って、ステージを先に組みそこにパネルを合わせる
場合も有ります。
ステージはW1800*D900*H100の平台の下に、
箱馬500*350*200をかませて、床上げします。
この箱馬でH600H450H300のステージを組む事が出来ます。
箱馬を重ねて使用すればもっと色々な高さのステージを組む事が出来ます。
それでも高さが合わない時は、たる木、小割で調整します。
この平台、箱馬は舞台から来ているものです。
舞台がメインの所では、平台、馬は尺単位の物を使っているようです。

変形のステージの場合は、変形の部分だけH100で作り、箱馬をかませます。
そしてステージの前面、側面はベニヤを100ペラ延ばしにしたパネルを
作っておき、それで立ち上げます。

(映像屋が機材の設置をします)
ステージが組上がると、映像屋が大型プロジェクターや通称キューブと呼ばれる
マルチディスプレイを設置します。

(木工屋がボーダーを取付ます)
空中を這う物で箱型の物をボーダーまたはボックスパラ。
厚みの無い(パネル厚)の物をパラペットまたはルーバーと呼びます。
これもブースによって取付順序は様々です。
ボーダーの取付位置が高く、ローリングタワーに乗っての作業になる場合には、
ステージを組んでしまうとローリングタワーが動けなくなってしまいます。
その場合には、ボーダーを先に取付します。
*ローリングタワーー組立式の鉄製の足場で、下に車を付ける事が出来ます。
             W1560*H1520のパイプ枠(梯子になっている)
             を2本一組で、すじかいと足場板で組みます。
             一組でW1560*D1900H1520になります。
             その下にキャスターを付け移動できます。
             それを上に何段も組み上げて行き、高所作業に使います。
             イントレとも呼びます。
             イントレの意味は?・・・後で調べまーーす。(汗)

パネルが高く、タワーに乗らないと経師が出来ない場合も、
ステージを組む前に上の方だけ経師してもらいます。

(経師屋が紙またはビニールクロスを貼ります)
パテが乾いた所から紙を貼ります。
σ(^○^)がこの仕事を始めた頃は、糊付けを刷毛でつけていたのですが、
最近ではみんな機械の糊付け機でつけています。
糊をつけたい長さを入力すると、自動的にその長さまで糊をつけてくれます。
その時両サイドのみみもカットしてくれます。
また電気の引きにくい展示会場では、手引きの糊付け機を使っています。

とーーまた話が途中に(汗) 「設営の流れ(3)」につづきます。 
                     
                                      ではまたσ(^○^)くん


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