大室佑介さんに聞く 2010年3月8日ダメハウス   home 

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         その03

  提出模型は2つ 作った 

大室僕の経歴を話してもあれだと思うのですけど
佐藤:いや経歴でいいですよ、どこで産まれたとか
大室うふふふふ、卒制が終わって、

佐藤:卒制日本一展に出そうと思った理由などから
大室:卒制に出そうと思ったのは、僕のとき第三回目だったんですけど。こういうコンペが有るっていうことがまず珍しかったですね。公になってこれだけ大々的にやっているコンペっていうのは珍しかったんで。出すっていうのは秋ぐらいには決めてましたね。

佐藤:日本一になりたかったからでしょうか
大室:それもあります。ぼく飯島洋一先生にずーっと付いていたんですけど。それと多摩美だけで出して終わるのではもったいないだろうから、仙台とか出してみればいいじゃないって話をしてた。で決めてましたね。

佐藤:審査の日に当然仙台に来て、オフ会とかも参加したですか?
大室:オフ会もそうですね終わってから、でもかなり押してて。僕もその日のうちに帰りたかったんで。もうふふふ
佐藤:だれとも喋らず

大室:ちょっとだけ
佐藤:一人でニコニコ微笑みながら帰ったんですか!俺を喜べよとか俺を祝福してくれよ〜とか言わなかったんですか
大室:いやいやちょっとだけ呑んで、あんまり懇親会の時間も少なかったんで。
佐藤:日本一になった途端廻りの学生さんは冷たい目線をおくって来るんでしょうか、あいつ日本一に成った奴だと
大室:そうですね。日本二位の方がもてますよ
佐藤:あははは残念だったね〜で

 かいじょう ウガヤギャガヤ

佐藤:二位は同情されるんだ、あそうなんだ。そんなもんか。ふふふふ。なんだよヤッパ ユダヤ博物館かよ〜みたいな事を言われてしまうわけだね、
大室:その日は直ぐに帰って

佐藤:学校に帰ると話題になっているんじゃないですか
大室:話題!?でも僕の大学ってこの卒制の仙台のコンペと、僕の大学の卒展が同じ時期だったんですね。この模型を2個作って。

 会場へええ〜えええ

大室:片っ方はこっちに持って来て。もう一個は東京の大学
佐藤:それは忙しいね

  かいじょう がやがや がやがや

大室:
安っぽい作りの方が。
佐藤:大室さんは二個同じ模型を作っていたという事実が明らかになってしまいました。

大室:これを2個つくったんですね。1m80×1m50

  会場 デカイ!

大室:審査員じゃなくって実行委員泣かせの大きさだったと思います
佐藤:ダンボールだから石じゃないから重たくはないな。ふふふ軽そうだけど。
大室:これを二個
佐藤:加藤、浅野さんすぐツイーットしなければ、今、二個作ってたって

  会場 はははははは

大室:仙台に運んだ時も、大きくって 持って来れなかったんで。
佐藤:自分でそんなに大きいの電車で運んできたの〜
大室:いや。後輩にもう、最後頼んで。

佐藤:自動車で運んだんですか
大室:自動車じゃないです。これもまたちょっと面白いんですけど。僕自身は行けなかったですねその日は。卒業設計の方の展示会場の構成やっていたんで。それでどうしても行けないので、後輩二人を呼んで。この模型を土台から真っ二つにノコギリで切って。梱包して。もう郵送では絶対間に合わないから。もう二人に新幹線代を渡して

  かいじょう うわ〜

佐藤:
新幹線で運べた!?邪魔だろうに
大室:スキーのシーズンだからたぶんこれでも行けるだろうと言って。で夜に出発して、東京駅で一泊 飲み屋で夜明かししてもらって。朝一でもって行って。で、仙台の方に住んでいる後輩の実家が在ってそこのお父さんが車で迎えに来てくれて、それをメデアテークまで持って行って。最後 そこで後輩がつなぐ。

佐藤:そういう事実が明らかになるのは面白いね、後輩に模型を二つに割って運んだもらった
大室:模型をノコギリで切るとき、あの〜なんて言うんですか。ふふふふふ
佐藤:切断されてない模型は一個多摩美に飾ってあると
大室:そうですね、中まではしっかりは作り込んでないですけど。仙台の方に持っていったのは本棚を全部アクリルで切って、多摩美の方は本棚はスチレンボードだけで。ちょっとズルしてやってました。

佐藤:
なるほど。日本一になった途端ちょっと仲間はずれっぽくされ日本二位に同情が集まりって。

大室:ふふふふふ
佐藤:多摩美での賞賛話が抜けちゃいましたけど。二つ作った話にずれちゃいましたけど。多摩美では仲間の反応はどうでしたか。後輩とか手伝ってくれた者の感想は?お祝いとかしたんですか

大室:後輩は散々手伝ってくれたんで、もう取らなきゃ拙いっていう感じにふふふふ なってましたね。見に来てもくれてましたから。
佐藤:日本一をネタに学校で話し合ったりはしたんですか
大室:そうですね
佐藤:勝因を説明せよみたいな議論は?
大室:多摩美の中ではあまりないです、自分の学科よりも外の学科でやったことはありますけど、芸術学科というところからですけど。そこでプレゼンテーションしたこともありますし。

佐藤:日本一になると隣の大学の学生から講演に呼ばれるってことはないんですか
大室:とくにないですね
佐藤:今回加藤さんから掛かったのが初めてですか
大室:声掛かったのはなんですかね〜インタビューを前に

石井:去年
佐藤:去年インタビューしてた。聞いてきた記録は無いの
加藤:パンフレット有ります
石井:ありますか?

佐藤:東北大の石井さんが聞きに行ったと
大室:そうですね、それぐらい。あと響きは良いですよね。外のコンペとかよりも。日本一っていうとちょっと。
佐藤:日本一の冠がいいのね
大室はいほかの学科の人達に説明がし易いんです、彫刻科とか油絵科とかのやっている連中に日本一って紹介されると何か、凄いみたい!?って。

 かいじょう ふふふふふふ

佐藤:やっぱり日本一にならないといかんぜと。なるほど。
大室:ただまあこれで就職がどうにかなるとかってわけじゃないですね友達が増えるぐらいですねふふふ

  会場  ふふふふふ

佐藤:
日本一になった経歴は邪魔にならないですか?この作品に拘束されることはないですか
大室:そうですね僕としてはこれをスタートにして、メモリアルとこの次に3つ全部で作ったんですね。これと津波のメモリアルと、国立追悼施設についてやったんですけど。
佐藤:それはコンテストに出すわけではなくってですか
大室:じゃなくって
佐藤:作家としての一連の流れで作ったのであると
大室:コンテストが一個と、あと作家としてやったのが一個、メモリアルと三つ作って
佐藤:津波と何ですか

大室:あと靖国問題
佐藤:靖国問題に??建築で挑んだですか!
大室:それは修士設計で

(絵ゲルニカ焼けた樫の木が中心にまつられてる)

佐藤:凄いね〜!靖国問題のテーマは何だったですか
大室:テーマは靖国に直接関わるんではなくって、千鳥ヶ淵テーマにして、千鳥が淵戦没者墓園を国立追悼施設としてあるのに、なぜまた新たに国立追悼施設を作ろうとしているのか?っていう処を。
佐藤:靖国問題かなり詳しいですか
大室:多少ですね
佐藤:私も多少知ってますけど ふふふふ

大室:一応千鳥ヶ淵の建物の軸線が靖国の方に実は向いているっていうことがあって。谷口さんが設計したんですねあれは。その軸線をどうにか穏やかに壊すというか、それをどうするかっていうのを修士設計でやった

佐藤:一貫してますね
加藤:大きな社会問題を

佐藤:
行き当たりばったりではなく、テーマを一貫して。死者からの依頼。卒制から修士設計と。模型は2つ作ってしまうし、今日の参加者は良い勉強になっているね。なるほど。この話はここまでとして、この場所に至るまでの話を聞かせて頂きましょうかね現在に至るまで


    彫刻をつくる 作家・大室佑介 になる 

大室:現在に至るまでですか。
佐藤:日本一以降を

大室:この後石山さんにお声を掛けて頂いたりはしたんですけど。でも多摩美で飯島さんと一緒にやっていこうと思って大学院に入って。大学院の一年一杯は飯島さんと一緒にやっていたんですけど。ちょっと色々ありまして大学院一年で僕も飯島さんと一緒に居られない状態になって多摩美に居ても意味無いんじゃないかな〜という時があったんですけど。

それから多摩美で建築をやるよりも彫刻学科とか、その連中と凄いつるむようになって。で、芸術学科っというところと、思想の話とかするようになって、だんだん建築よりも、自分で彫刻とかを作るようになって来たですね。

それの写真が

佐藤:今も彫刻作品を作っているということですか
大室:作ってますね。この前も個展をやって。スライドあると思います
佐藤:ではそれを見せていただいて、ちょっと横ずれしたと。建築家というよりは彫刻作家の方へと。

 フォルダを探している加藤大室 

佐藤:ああこれだね
大室:これが大学院の2年の時に
佐藤:インスタレーションですか
大室:はいインスタレーション、彫刻インスタレーションみたいな。多摩美の彫刻棟という処だったんですけど二人展で重たいことというテーマでやったんですね。下のコンクリートのボックスと、枕木のような、丁度、宮城美術館で高山さんやってますけど。の角材を置いて。東西に軸を採って棺桶が走っていくような姿っていうのを僕が作って

佐藤:ミニマリズム作品ですが 上から下がっているのはものも そうなですか?
大室:これは二人展のもう一人の
佐藤:大室さんの作品は枕木状の配列コンクリート制の棺桶ですね

大室:
はい水平のラインが僕の方で。もう一人がこっちの上ですね。 この時二人展って、普通作品を水平にポツポツ置くんですよ。今回は下と上で分けてやろうという話をしてて。下で水平で上から垂直が降りてきて。これ女性の作家とやったんですね。

佐藤:女性の方の作品は照明器具ですか

大室:
蛍光灯の廃材、廃材の蛍光灯の先に色々付いているんですけど、この辺に鉛筆とか。この人は彫刻家として活躍しています。この作品を大学院の2年の秋に
佐藤:建築やめちゃって!彫刻ですか

大室:一応修士設計もやりながら
佐藤:やりながら!いいね未来の建築家らしいですね〜! 隣の職業をやりながら設計もしていると、なんでもやりますものね
大室:でこういう作品が、

佐藤:この作品は一人で作ったですか
大室:一人ですね
佐藤:型枠作って流し込んで
大室:あの〜コンパネを箱形にして。そこに網を張って、あとコンクリートを手でずーっと
佐藤:あ、中空洞なんだ
大室:あえて空洞にしたんです、手で打って、手で打った形というのをそのまま表現していますね。中も開かないようにコンクリート。
佐藤:この材木はどういう経路で

大室:木は近所の銭湯からもらって来ました
佐藤:銭湯の燃料をもらってきてね
大室:それを昔のピラミットの石を運ぶような 棺桶が東から西へずーっと
佐藤:東西に移動中を配置していると
大室:軸とってますね
佐藤:なるほど

大室:東西軸でこのタイトルがかろうど
佐藤:どのような文字ですか
大室:棺桶じゃない、墓の中にお骨を入れる空間をかろうどって言うんですね
佐藤:どういう形の文字ですか

大室:、からの室って書くです「唐室」唐十郎の唐です。室って書く場合もあるしもっと難しい字のこともあるし。カタカナでカロウドと。カロウドというタイトルで作品を作った。

佐藤:骨壺じゃないのね〜一般的ではないので 勉強になりました。



  西分舞台 身体表現を演じてもらう

大室:これをやった後に、これは東京の青梅で、青梅の西分神社という所で。西分舞台というのを作ったんですね。これが一応舞台ということにしてあるんですけども。神域というのは、四つ角4つの角に天があればその真ん中は舞台になると。ここでも近くに杉が立っていたんですけども。それとはまた別の杉を買ってきて。杉を四つに切って

佐藤:割って
大室:割って埋めて、ここの中を舞台として
佐藤:随分ちっちゃいですね
大室:小さいですね 1m四方なんでけど

佐藤:あ、人が居るね
大室:舞踏家を入れて、舞台として舞踏をやってもらいました
佐藤:女性の舞踏家ですか
大室:これは男性でしたね。

佐藤:暗黒舞踏のは舞踏家は白塗りがおおかったですが これは!真っ黒塗りですね

大室:
ここに人が並んでずーらーっと、ここの中と外で、舞台としてパフォーマンスやってもらいました。
佐藤:この舞踏は暗黒舞踏のようなパフォーマンスですか。じーっと動かないですか
大室:開演時間まではずーっとこのままで、開演してからは動いて。この木の上に載っかったりとか。
佐藤:木に登ったりもするんだ、1時間ぐらいですか

大室:いや短いです。20分ぐらいです  


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