足リフレクソロジーと出会って
私が藤原先生とお会いしたのは、従妹の嫁ぎ先で「お姑さんが足もみを習うけど、あなたも来てみない?」と誘われて行ったのが最初でした。人様に足を揉んでもらうことなど生まれて初めてで、その時は痛かったという記憶しか残っていませんでした。でもその時先生が私の足をもみながら「ん?」と表情を変えられたのが妙に気になりましたが、その内日々の忙しさに取り紛れ忘れてしまっていました。それから三ヶ月ほど後のある朝、目覚めと同時に首の痛みを感じました。しかし「また、いつもの寝ちがいだろう」と放っていました。子供の頃から寝ちがいをすることがよくありましたが、二〜三日もすれば自然に治っていたのです。ところがその時ばかりは痛みが違っていました。段々と首の痛みが強くなり、ついに肩も腕も頭までも痛くなって入院ということになったのです。
髄膜炎と診断が下され、絶対安静とオムツの生活を余儀なくされました。天井と黄色いカーテン以外は、何も見えない世界で考えたことは「私は生きて帰る」でした。生きるだけでなく元気になって今後の人生を、人様の元気になるお手伝いをするという、大それたことでした。この時はまだ、その為にはなにをすればよいのかということまでは分かっていませんでした。
入院中に又ひとつ他の病気をしてしまいましたが、36日間で退院できたのは、整形で受診した私を医師が適切な判断で、脳内治療の医師に会わせてくれたことで処置が速く、一命をとりとめたこと、そして明るく呼びかけてくれる看護師やリハビリの先生に支えられたことは勿論ですが、何よりも主人や子供、孫達の毎日の見舞いと励ましのお蔭と思います。特に主人と長女は勉強中の足リフレクソロジーの練習台とか言い、下手ながらも揉んでくれていました。それに病室とリハビリ室と温泉での運動浴などのリハビリもこなし、医師も驚くほどの回復で「少し早いのでは」と言われはしましたが、退院をさせて頂きました。
丁度その頃我が家では、主人と長女、次女が藤原先生の下で初級、中級の勉強を終えたところでした。退院したばかりの私は当分仕事を休むことでもあり、先ず自分の健康を保つためと、将来、何かの役に立つかも知れないとの思いから私も続けて初級、中級を受講しました。その年は運のいいことに初めての折田先生の上級コースがあるとのことで続けて昨年の3月に受講させて頂きました。
終了の日に藤原先生から「たくさんの人の足で練習させて頂きなさい」とのお言葉で近所の方々、又、同級生達の足で練習をしていましたが、もっとたくさんの人の足で練習をしたいと思っていたとき、近くにデイサービスセンターがオープンしたのです。そのオープンの日に藤原先生に応援をお願いして、長女、次女、私の四人がボランティアで足リフレクソロジーのコーナーを作って頂きましたところ、センター長に大変喜んで頂き、後日わざわざ自宅まで来てくださり、「今度は有料で来て欲しい」と言われました。「まだ練習中で人様へ指導ができない」と言うと「それでもいいから是非来て欲しい」と言われ今日に至っています。
間もなくオープンから一年になろうとしていますが、ここまで続けて来れたのには折田先生、藤原先生がどんな小さな悩みも真剣に聞いてくださりアドバイスを下さるので、安心してセンターや友達の集まりに行けるからだと思います。まだまだ練習中の身でありながら待っていてくださる方々の「待っとったよぉ」「九十にもなるまで人に足の裏をさわってもらうなんて知らんかった。長生きしてえかった」「あんたに会えてほんにえかったわぁ」の声に励まされ、今日もその声を聞きに行きます。又、いつもは嬉しそうに私の前に座る利用者様がある日「今日はやめようかな」と言われるので訳を聞くと熱があるとのことでしたが「そろっと少しだけしてみませんか」と座っていただきました。普段からあまり水の飲めない方ですので「今日はコップ一杯のぬるま湯を飲んでください。」と言ってセンターを出ましたが、実は熱のある人をさわったのは初めてだったので気になって仕方がありませんでした。次の日、様子を聞きに行ったところ「昨日あれから熱が下がった。これからは自宅のほうにも来て欲しい。」とのことで、近所の方も呼んで下さりにぎやかに楽しくしています。「今度会うときまでに、ここのところをこうしてみてください」と言うと、きちんとされる方がおられます。「やわらかくなったよぉ」と言うと「あんたの言う通りやったよ」とのことでした。これからこのような人をひとりでも多く増やして行きたいと思っています。
昨年の秋には、地区の公民館祭りで健康相談室に足リフレクソロジーのコーナーを設けて、主人と次女、私の三人でボランティアをさせて頂いたところ公民館の方も大変喜んで下さいました。又、遠く大山口から車で、境港市から列車で来られる方もおられて、色々な方々とお会いでき話を聞かせて頂き、忙しいけれども楽しい日々を過ごしています。お電話を頂いたらどこへでも出かけて行きたいし、仕事と両方は無理なのでお勤めの方はやめました。
又、最近の嬉しいことは主人の従妹のお姑さんが、藤原先生の初級中級を受講されることが決まり私の家に滞在して頂く為、九州から来られる予定になっております。リフレクソロジーという言葉さえもしらない私でしたが折田先生、藤原先生とお会いできて本当によかったと思っています。藤原先生の教室には時々ですが、顔を出してなつかしい人や新しい生徒さん達と楽しい時間の仲間入りをさせて頂いています。あの日「最悪は死ですからね」と医師から、絶対安静を告げられ恐怖と不安で泣いてばかりいた私が、天井を見つめ「生きる」と決心したことがあったから今日があるのかとも思います。今後は一人でも多くの方々に練習をさせていただき、足リフレクソロジーを知って貰って自分のものにして頂いて、自分の健康は自分で守って頂きたいと思います。私はその為のお手伝いをさせていただこうと思っております。
myweb1115003.jpg
myweb1115002.jpg
myweb1115001.jpg
page 2
足健会会員 米子市 井田房子