「欝からの脱出に成功!」
草加市 足健会会員 岩田猛
昨年、私は欝のどん底に居ました。
それが、7月の下旬のある日、突然足もみのボランティアを始めようと思い、早速草加市の福祉課に行き「ボランティアをしたいのですが」と申し込むと、小冊子を提示され養護老人ホームは4箇所有りますから電話をしたら如何でしょうかと言われました。早速電話をしてみると、1箇所が受け入れると分かり、翌日出掛けて行きました。
そこが約5ヶ月お世話になる特別養護老人ホーム「キングスガーデン草加」でした。
初日は全ての施設を見学させて頂き、私の技術がどのようなケースの人に良いのか考えていただき、健常者のいるケアハウスが良いと言う事になり、場所は1Fのロビーで行う事になりました。都合の良いことに担当者の方は以前シンガポールにおられて足もみを良く知ってらっしゃいました。最初の数回は職員の方がサクラになりデモンストレーションをさせて頂きました。8月になりましたら午後1時〜5時迄で1人30分ということにして8人が私の足もみを受けてくれる様になりました。皆さんが私に協力してくれて、間が開かないように次の人がいないと呼んできてくれて、私は4時間休みなく足もみを続けていくことが出来ました。皆さんに私が疲れるのではないかと心配をして頂きましたが、それが全然疲れないのです。しかも足を揉めばもむほど楽しいのです。こんなに楽しいことは生涯初めてのことでした。
そして週に2〜3回のペースで行いましたから1カ月で約80人、合計して160本の足を揉ませていただいたことになります。その事が私の欝が、以前目指していた陶芸家で成功できなかった心の傷が、足を揉むことによって吸い込まれるようにして無くなって行き、また、揉むことによって、自信が蘇ってきました。そして、自分の心の傷がこんなに大きかったのかとはじめて気がつきました。このような事を、天の啓示というのかもしれません。私にしては、タイミングといい、提示された場所といい、これ程ベストなことは無いからです。以前、足もみを習ったときに、「お金になることより、楽しくなる仕事を探しなさい」といわれたことを思い出しました。この事だったのかと思い当たりました。
閑話休題
私が足もみに出会ったのは約10年前になります。台湾に漢方薬を求めに行った時でした。ガイドブックに足もみのことが出ていましたので興味を持ってすっ飛んでいきました。
確か、遠東百貨店の4Fにある店でした。担当してくれた人が運よく日本語の出来る謝武雄先生でした。その時の印象は物凄く痛いことでした。でも痛い所が悪い所だと言われ、何か信憑性が有るようなので、日本に帰ってきて早速健康診断を受けてみると、だいたい言われた事があっているので驚きました。それからは、台湾に行った時は必ず謝先生に足を揉んで貰いました。
また、当時の私の仕事がエステティックに関する仕事でしたので、私がある程度覚えて資料を揃えて会社に次の仕事として提案をしてみようと思いました。しかしその時は、肌と肌が触れ合うと言う事は、医師法に触れるのではないのかという事が大きな問題でした。やはり、その時点での事業化は無理だという事で、私の提案は通すことは出来ませんでした。しかし私は個人的に興味が有りましたので、調べてみたら東京に支部が有ると言う事でしたのでそこで勉強することにしました。しかし技術を身につけても、やはり私自身が技術者になるという事は別だと思っていました。その時点ではこの健康法の紹介者という立場でした。知り合いにこれは良い健康法だと紹介して台湾で求めた本とビデオを渡していただけのことでした。残念ながら私は、幸か不幸か肩こりも腰痛もどこも痛いところは無かったのです。まして、マッサージを受けるとくすぐったくて仕方が無かったのです。
それが、引越しをして今の住所に来て、近くの人が腰痛で悩んでいると言うので初めて他人の足に対して自ら足もみをしてみようという気持ちになりました。それから足を揉むのが気持ちのよいことだということに気がつきました。ですから、私が台湾の足もみ健康法を理解するのに10年が要したということになります。私が特別に鈍感と言う事かも知れませんが、やはり私にしては10年が必要でした。そういう時に出会ったのが、足健法でした。私が相談しに伺うと、先生は私の話を聞いてくれてとにかく100人の足を揉みなさいとやさしく私の背中を押してくれたのです。
私は、台湾にも大変感謝をして居ります。本当の漢方薬とはどう言う物なのかと言う事を教えてくれました。又、美味しいお茶とは、どう言う物なのか、そして本当の足もみがどの様なものなのかと言う事も教えてくれました。どうして、日本人はあんな不味くて冷たい烏龍茶を飲むのか、台湾の人に問われます。一級茶葉使用と宣伝しているお茶は下から2番目のお茶だと言う事が判らないのでしょうか。
私の子供の時の様な日本の生活様式が何時の頃から失われて行ったのでしょうか?
それが台湾では普通の様に昔の生活様式が残っているのです。寅さんがする様な腹巻はいつの間にか身近から失われていきましたね。子供の金太郎の腹巻もそうです。ドイツ人が日本のビールはどうしてこんなに冷たいのかと言います。そして、日本のビールが内容物から言って本物のビールとは言えない事も指摘します。今の日本で漢方薬とされているのが顆粒で、生薬では無いのも言われます。本当の漢方薬は生薬です。そして、日本で手に入るのはせいぜい約100種類で、中国では漢方の生薬は約400種類以上とされています。これでは本当の漢方薬の良さが分かることにはならないのでしょう。
詰まらない愚痴になってきましたが、これが、私が鬱から抜け出ることが出来た経緯です。私の足もみのボランティア経験が、同じ様な鬱病でひそかに悩んでいる方の参考になればと思い記してみました。
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