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★ミ 【その17】 ・・・つくる パラペット |
【つくる(3)】
「パラペット(1)」
イベント(展示会)ブースで、空中を這う?飛ぶ?両面のパネルをパラペット
(パラ)と呼びます。
パネルの厚みの物を平パラペット、平パラ、単にパラペット(パラ)と呼びます。
箱型の物を箱パラ、BOXパラと呼びます。
ボーダーと呼ぶ事も有ります。
パラペットとは何語なのか? どーしてパラペットと呼ぶのか?は不明です。
欄干を意味する、と言う人もいるのですが・・・?
ちゃんと調べないといけませんね。(汗)
「平パラ」
最も良く使うH300の平パラペットを作ります。
10枚まとめて作ります。
材料ー小割 たる木 防炎の並ベニヤ
木工機械ー昇降盤 横切り盤 コンプレッサー
電動工具ードリル
手道具ー玄翁(なぐり) 差し金 鉛筆 ガンタッカー サンドペーパー
治具ー横切り固定定規 ベニヤ打ち用直角定規
作業の流れ
1小割を床に並べる
2墨付け
3釘を立てる
4桟を切る
5組む
6ベニヤを切る
7ベニヤを貼る
8長さを切る
9はしごを作る
1小割を床に並べる
小割を切らずに(4000)床に並べます。
10枚ですので20本。ちょうど1束です。
束を解いたときに、曲がっている小割ははねます。
長手に使う物は、出来るだけ素性の良い物を使います。
床に止めの小割を打ち付けます。
床のコンパネラインに合わせて、かねになるように並べます。
止めの小割に押しつけて、全ての端を揃えます。
2墨付け
ベニヤの縦の長さを計ります。
ベニヤの長さに合わせて割り振りをします。
パラペットの定尺は3600です。
ベニヤは同じ長さの物が2枚繋ぎになります。
ベニヤの繋ぎの位置以降は450間隔で墨を付けます。
詳しくは、「パネル(2)」ー4縦桟に墨を付ける を参照して下さい。
3釘を立てる
パラペットは、後から長さを切ったり足したりして使う物なので、
端の桟は入れません。
両端は立てずに、墨を付けた所だけに釘を立てます。
釘は材料の上に乗って、向こう側から手前に戻りながら打ちます。
詳しくは「イベビル3」ー【うつ(3)】ー[釘を打つ(2)]を参照して下さい。
4桟を切る
縦桟?横桟?中桟かなぁ(汗)を横切り盤で切ります。
寸法的には300ー(20*2)=260なのですが、
定規を300に合わせて、今使う小割の背(20)2本分引いた寸法で切ります。
1本のパラペットに、小割6本たる木1本入ります。
10枚分ですので、小割60本たる木10本切ります。
短い桟は、出来るだけ切り落としや曲がった材料から、取る様にします。
切り落としが無く真物から取る時は、はじめに旨く取れるような真ん中辺で切ります。
260の桟を切る時なら260*8=2080なので、スライド定規を2100
の所にネジを絞めずに移動しておきます。
そこを目安に小割の後ろを合わせて切ります。
小割を回転させて260の定規に合わせて切ります。
8本(2本づつ切るので16本)切れて、切り落としが少しならOK。
切り落としが長くなったり、8本切れなかったら、目安の位置をずらします。
真物を真ん中辺で切ったときの切り落としが、定規に合わせて切る邪魔になります。
回転させる小割で、その小割を手前側に移動させます。
8本(16本)切り終わったら、スライド定盤を引き戻します。
鋸刃と充分安全な間隔をあけて、左手で切り落としをスライド定盤に引き上げます。
この時左手は鋸刃を避けるように、円の動きをします。
*すごく短い桟を切る時
横切り盤の目盛りの始まりが、60くらいからしか有りません。
それより短い桟を切る時は、一度100に小割(たる木)を切ります。
50に切りたい時は、定規を150に合わせます。
100の小割(たる木)を定規に当てます。
その小割(たる木)に切る小割を当て、少し長い小割で切る材料を押さえます。
刃の近くに指が行くとあぶないですからね。
5組む
横桟に縦桟を打ち付け骨組みにします。
ニョロニョロ線の所にはたる木を平で入れます。
短い桟を打つ時は、自分は同じ位置で桟を横にずらしながら打ちます。
組む前に必ず、小割の背2本に打つ桟を当てて寸法の確認をします。
詳しくは「イベビル4」ー【うつ(4)】ー[釘を打つ(3)]を参照して下さい。
6ベニヤを切る
パラペットは両面にベニヤを貼るので、1本で4枚使います。
10本分なので40枚ベニヤを切ります。昇降盤の定規を300にセットします。
ベニヤの横幅は905〜920なので、1枚で3枚取れます。
40枚切るので、14枚昇降盤の近くに用意します。
半端なベニヤで試し切りをして、300に切れる事を確認します。
*正確に寸法をあたる時は、スケールの目盛りを100から計ります。
スケールの先端は可動式なのであまり正確でありません。
先端が曲がっている場合もありますしね。
ベニヤの端を定規に沿わせて、まっすぐに切ります。
ベニヤを横方向に切るよりは簡単です。
でも油断しないように。
7ベニヤを貼る
ベニヤ貼りは 馬(うま)に乗せて行います。
タッカーで止めます。
タマは肩幅4ミリ足長16ミリの416ステープルを使います。
タッカーにはDRIVE CONTROLLER(ドライブ コントローラー)
の装着をおすすめします。
*ドライブ コントローラーーパソコンの周辺機器のような名前なのですが、
タッカーに入るエアの圧力を調整する物です。
手元で簡単に圧力を調整する事が出来るので便利です。
止める材料によって、タッカーの強さを調整ます。
一つのコンプレッサーで、複数の人がエアを使う
時には必修です。
ドライブコントローラーで、タマがベニヤに少しめり込むくらいに調整します。
めり込み過ぎるとタマがベニヤを貫通して、ベニヤが剥がれやすくなります。
弱すぎてベニヤよりタマが出ていると、紙を貼ったときにブツブツと出てしまい、
汚ならしくなります。
程良い強さに調整しましょう。
タマを打つ向きなのですが、これがまたいろいろな事を言う人がいましてですね。
タマが目立たない様にベニヤの目に沿って打つ。
タマが抜けないようにベニヤの目と直角方向に打つ。
ベニヤの目に対し45度で打つ。
これって結局人それぞれ、どぉ〜打ってもえぇ〜ねぇんって事ですかね。(笑)
その時の状況に応じて打ちやすい様に打てば良いと思います。
パネルですと、長手を打つ時は目と直角が打ちやすいし、
妻手を打つ時は目に沿った方が打ちやすいですね。
きれいに仕上げる時は目に沿って打った方が良いかもしれませんね。
パラペットは長さを切って使う物なので、のり(ボンド)はつけません。
ベニヤは真ん中から貼り出します。
たる木を入れた墨を基準にします。
骨組みの上にベニヤを二枚乗せます。
真ん中付近に立ちます。
まず左側のベニヤの手前の角を墨に合わせて止めます。
向こう側の角を墨に合わせて止めます。
向こう側は長手の桟を打たないように、中桟ぎりぎりの位置に止めます。
右側のベニヤを左側のベニヤにピタリと合わせて、手前側と向こう側を
一発づつ止めます。
2枚の妻手を本止めします。
右側のベニヤの長手を仮止めします。
左側のベニヤの長手を仮止めします。
二枚の長手を一気に本止めします。
ベニヤ打ち用直角定規(長さ300ミリくらい)を使用して、中桟を打ちます。
この時も、向こう側の長手の桟には打たないようにします。
反対側にまわります。
桟とベニヤの面(つら)が合っているか見ます。
桟が引っ込んでいる時は叩き出して合わせます。
桟が出っぱっていた時は致命傷になります。(笑)
右側のベニヤから面(つら)を合わせて仮止めします。
左側のベニヤの端まで全て仮止めしたら、二枚のベニヤを一気に本止めします。
ベニヤの繋ぎ目にペーパーをかけます。
ひっくり返します。
骨組みの上にベニヤを二枚乗せます。
裏のベニヤは、貼り始めた側の長手から合わせて貼ります。
右側のベニヤの手前の角を止めます。
長手を所々仮止めします。
左のベニヤの手前の角を止めます。
二枚の長手を所々仮止めします。
この時、二枚のベニヤの妻手が合っていなくても、気にしない事とします。
ベニヤが かね になっていないという事です。
二枚の長手を一気に本止めします。
中桟を止めます
反対側の長手を止めます。
ベニヤの繋ぎ目にペーパーをかけます。
8長さを切る
横切り盤に4000の定規をセットします。
端金(クランプ)で3600の位置にたる木を止めます。
定規より少し後ろに伸ばしておいて、前を切ります。
パラペットを回転させます。
後ろを定規にピタリと押しつけて、前を切ります。
9梯子(はしご)を作る
パラペットの繋ぎには梯子を使います。
梯子のサイズは、長さ600幅300ー40(小割背2本)ー3(遊び)=257
端々の桟は小割、真ん中の桟はたる木。
パラと共に梯子もストックしておきます。
繋ぐ時は、まず片方のパラに梯子を差込みます。
真ん中の墨に合わせて、タッカー又は七分の釘でベニヤを止めます。
もう一方のパラを差込みます。ベニヤの小口をピタリと合わせて止めます。
パラを裏返し、ベニヤを止めます。
パラを立てて、小端から、梯子に向かって片側2本づつ、二寸釘を打ちます。
反対側も釘を打ちます。
システムの基礎が多くなった現在では、余り使われなくなりましたが、
以前は小さなブースの前には、300のパラが付くのが当たり前でした。
工場にはいつも何十本もストックして有ったのですが、
今では数本しかストックしていません。
しかし、イベビルにとってパラは、基本中の基本とも言うべきモノなので、
作り方はしっかり覚えましょう。
ではまたσ(^○^)くん