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★ミ 【その3】 ・・・うつ 釘をうつ

【うつ(3)】

んーーー イベントブースビルダーが うつ と言ったら (゚゜;)\(--;

[釘を打つ(2)]

そしていよいよ釘を打つ訳なんですけど
ここでσ(^○^)が、この仕事をはじめたばかりの頃の話を・・・
内装の職人さんと共に床張りの仕事に行った時の話です

σ(^○^)のイメージでは大工さんが釘を打つというと
口に釘をくわえて、口から釘を取って、釘を打つ
というイメージが有りました

とにかくその時の仕事は、コンパネを敷いて1寸5分のフロア釘を
ひたすら打つ、とにかく打って打って打ちまくる
σ(^○^)に与えられた仕事はそれだけでした
よーーし打つぞ と思い、釘を口に頬張り口から釘を取って
釘を打っていました
ふとまわりを見回すと・・・あれっ
釘を口にくわえて、釘を打っている人なんか誰も居ない(汗)きゃーーー

釘を打つ段取りとしては、まず釘箱から自分の釘袋に釘を入れます
釘袋から釘を取り出し、左手で釘を立てて玄翁で打つ

*釘袋ー腰にベルトで下げる袋で、ポケットが2段または3段になっており
    種類別に釘を入れて置く事が出来ます
    脇には小さなポケットが有り、カッターとか釘締め(へし込み)
    を差して置く事ができます =腰袋
    大道具さんはこの袋の事をガチ袋と言います

訳なのですが
釘を一本づつ取り出して打っていたのでは、遅いのです
ですからいったん口に入れて、そこから釘を取れば出し易い
だから大工さんは釘を口に入れるものだと、σ(^○^)は思っていたのです
ところが・・・
職人さん達はおもむろに左手に釘を掴むと
その沢山の釘の中から1本を旨く出して、釘を立てて打っているのです

*釘を出すー釘を打てる体制にする事です
      頭部を上にして尖っている方を下にして
      親指と人差し指で構える事を言います

あらぁ σ(^○^)のイメージと違うぅ〜〜と思い、聞いてみました
「釘を打つときって、釘を一度口に入れてから打つんじゃないんですか?」
「汚いだろう」
きゃーーーーー
「ばい菌でも入ったらどうすんのぉ」
ゲェェ〜〜〜ペッペッペッ! ゴロゴロペッペェ!
常識のかけらも無いと思っていた職人さんから(笑)
この様な正当な答が帰ってくるとは(汗)

そう言われてσ(^○^)も、左手で釘を出して打とうと思ったのですが
出せないのですよね、これが結構難しいのです(汗)

それは・・・
おもむろに釘を掴み、手のひらを上にして釘を軽く握ります
この時 おもむろに 釘を掴まなくてはいけません
間違っても掴む前に、釘の方向を揃えたりしたらいけないのです
そして親指、人差し指、中指の3本の指を旨く使って
釘の頭を上にして親指と人差し指で摘みます

いや もう結局ですね、そのひたすら釘打ちの仕事は3日続いたのですが
結局左手で釘を出す事は出来ずに、ばい菌を気にしながら
口に釘をくわえて釘を打っていました(涙)

*ワンポイントアドバイス
 床の下地材(コンパネ)を貼る時、コンパネとコンパネの間を並ベニヤ
 1枚分程(2.7o)間を開けて貼ります
 こうする事で湿気による材料の膨張から起こる床の盛り上がり、
 材料と材料が擦れて起こるギシギシ音、等を防ぐ事が出来ます

連続して釘を打つ時の早さって玄翁で打ち込む早さよりも
左手で釘を出す早さの方が重要です

右手の玄翁の振りはパンパンパンと一定のリズムを刻みます
そして釘を打ち終わるまでに、左手には次の釘を出して置きます
もし打ち終わっても釘が出せない場合
パンパンと床を空打ちしています
その釘を打つ音によっても、職人の腕が解ってしまうのです

釘が出せないのが悔しくてですね
その後σ(^○^)はしばらくの間
釘をひとにぎり、ジャンパーのポケットに入れていました(笑)

それからこのフロア釘って、旨く打たないと曲がるのです
途中で曲がってしまうと、緩みが少ない釘だけに
なかなか抜けなくなってしまいます
そこで手間取ってしまい、釘を打つのが旨い人との差はどんどん開きます(汗)

釘はパンパンパパパンとリズミカルに打ちましょう(笑)

最近気がついた事なのですが、釘が入っている箱には必ず注意書きが有ります
「作業中は保護メガネを使用して下さい。」です
釘を打つのに保護メガネ? と思うかもしれませんが
これがたまに飛ぶ時が有るのです

それは左手で釘を立てての一撃目です
あたり所が悪いとピィーーーンと釘がすっ飛んで行きます
長い釘(2寸5分、2寸)あたりは余り飛びませんが、
1寸2分、1寸5分のフロア釘は、良く飛びます
これは連続して釘を打っている時に、飛ぶ事が多いですね

まず自分の方に飛んでくる事は無いのですが、絶対無いとは言えません
σ(^○^)は保護メガネなんか掛けた事が有りませんが
んーーーやっぱり掛けた方が安全ですね

あと1寸5分1寸2分くらいは、手頃な長さで握りやすいのですが
7分とか8分になると、手の中でいろんな方向になりますので
手に刺さったりとかして握りにくいし
小さいので釘を出すのが大変です
7分とか8分の釘になると年季の入った職人さんでも出せない人が多いです
σ(^○^)はもう ポケットにいつも釘を入れていたお陰で ぐふっ!V(^○^)

7分の釘で思い出したのですが、もう1つ(汗)
オヤジと店舗の仕事に行った時の話です
その時7分の釘をやたらと打つ仕事が有りまして
σ(^○^)は出せないのですよねぇ んーーもうイライラとしましてですね(汗)
ふと床を見ると、そこに段ボールが落ちていました
その断面を見ると、表面と裏面の紙はまっすぐで、中に通っている紙は
クネクネと曲がっていて、丁度良い穴が空いています
おぉぉ ここに釘を刺しておけば きゃっほ〜い
σ(^○^)てなんて頭が良いのだろう ルンルン ♪と
段ボールを横方向に細く切って、その穴に7分の釘を詰めて
その段ボールを丸めて釘袋の中に入れて居ました
σ(^○^)は、ササッと釘が出せるし、画期的な大発明だと思っていました
ところが・・・・
それをオヤジに見つかり
「なんだ それは」
「あっいいでしょコレ、ササッと釘が出せるんだよ」
と自慢げに言いました
「ばかやろう そんな みっともないまね すんなぁ」
えっ 汗 きゃーー なんでやろう????
すごく良い方法を思いついたねぇ
と ほめて貰えるのかと思ったσ(^○^)に、全く反対の答えが (汗)
「いや これね 良いんだよ ね 取り出しやすいでしょ」
と言うσ(^○^)に
「いいから すてろぉ〜」
と怒鳴られ (涙)
納得いかずにブツブツと言いながら、それを捨てたσ(^○^)でありました

いやぁ この時はどーしてこんなに怒られたのか、解らなかったのですが
職人というのはとにかくカッコです
んーーと言うか何というか、カッコつける訳では無いのですけど
職人のカッコというか、やり方というか・・・有るのですよ
そのやり方から外れたやり方をしていると、そのやり方は職人の目からは
素人と写るのです

んーーー余り旨く説明出来ませんが、この時の場合は
どんなに遣りやすい方法だったとしても、職人はそんな事しない
職人は左手に釘を握ってサッと出すか、口にくわえてサッと出し
パンパパンと釘を打つ、そんな段ボールに釘を刺して、そこから出すなんて
そんなみっともねぇやり方はしねーーよ、って事だったんですねぇ

その辺の所がなかなか解らなくてですね(汗)
その辺の所が解る様にならなければ、一人前とは言えないのですね

工場で何かを制作する場合は
まず縦桟となる材料(小割、たる木)を木取り、それを床に並べます
そして墨付けをして、その墨に釘を立てます

木口付近は割れが入りやすいのでドリルで下穴を開けておきます
そして横桟を打つときに抜けない程度に釘を立てておきます
えーーと どのくらいだか計ったことは有りませんが、
10〜15oくらい材料に刺さっていればOKだと思います

その際はトレーを用意します
そこに釘を入れておき、そこから1本づつ釘を取り出します
トレーと言っても小割とベニヤで簡単に作ってある物なのですが
σ(^○^)が使っている物は200*200のベニヤに
小割をぐるりと回しただけの簡単な物です
まわりが高いと釘を出すときに手が引っかかるので、30o位が良い様です

そのトレーに山盛り釘を入れ打つのですが
ここで 良い子は危険ですので絶対にまねをしないで下さいと言う方法を(笑)
σ(^○^)はいつもこの方法で打っているのですけどね

トレーから釘を取り出したら、釘を打つ場所に左手で釘を添えて立てます
右手の玄翁を振り下ろして釘を打つ時には、目線はトレーに行き
次はどの釘を取って、どの様に回転させて出すかを考えています
つまり 打つ手元を見ない と言う事です
こうすると、打った次の瞬間には次の釘を出す事が出来るので
連続して早く釘を打つ事が出来ます
もちろん一撃で釘を立てます
この方法ですと、釘を左手に握ってそこから出すよりも早く釘が打てます
しかし・・・
良い子は危険ですので絶対にまねをしないで下さい(笑)

この時の玄翁の振りは手首だけです
そして玄翁が釘の頭に当たった瞬間に引き戻します
このタイミングが悪いと バチィーン! きゃーーー(涙)という事になります
毎日釘を打っているσ(^○^)でもたまにやります(汗)
いやぁ そのせいでですね、左手の親指の爪の左半分だけ厚みが厚くなっています
これっておかしいのですよね、全体的に厚くなるのではなく、左半分だけ
正面から見ると真ん中に線が入って、左側だけ色が濃くなっています
釘を摘む時には指が横を向いているから、上になっている左側だけ叩くのですね
んーー 一種の職業病でしょうか(笑)

                                         ではまたσ(^○^)くん



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