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★ミ 【その8】 ・・・きる のこぎり

【きる(2)】
「のこぎり(1)」
昔は のこぎり と言ったら、目の荒い縦引きと、目の細かい横引きの刃が、
両側に付いた両刃鋸でした。
最近ではこの両刃鋸を使っている人を見た事が有りません。

イベントブースビルダーのほとんどの人が、今は替え刃式の鋸を使っていますね。
目立てをするよりも、切れなくなったら取り替える替え刃の方が、
断然安くなったからでしょうね。

臨時の大工さんは、折り畳み鋸を持っている人が多いですね。
道具を持って電車での移動とかを考えますと、折り畳みが良いのでしょうね。
刃が荒く、細かい仕事は出来ませんが、
小割、たる木なんかはザクザク切れるので、これでも良いかもしれません。

σ(^○^)がこの仕事を始めた頃も、もう両刃鋸の時代は終わり
替え刃式になっていました。
しかし製造メーカーが少なかったので、値段が高かったのです。
現在ではいろいろなメーカーから出ているので、かなり安くなっています。
安い物ですと3枚セットで1000円。一枚333円ですね、安く成りましたよねぇ。
メーカーによって価格はいろいろなのですが、
どのメーカーの物でも、切れ味はそんなに大差無いような気がします。
でも、腰が違うと言って一つのメーカーにこだわっている職人さんも居ます。

展示会の場合、パネルや制作物のベニヤをタッカーで打っています。

*タッカーーエアの釘打ち機 ホチキスの大きな物

ですから現場で寸法を詰めたりする際、よくこのタッカーの釘を切る事が有るのです。
一度でもこの釘を引いてしまうと、鋸の切れ味がガクンと落ちます。
安い替え刃で、切れ味が落ちたらどんどん新しいのに替えるのが良いですね。

普通一般的に使う鋸の刃は265というヤツです。
んーーどうして265なのか?
これはきっと尺の単位から来ているからなのでしょうね。
えーーとですから265は9寸目って事ですかね。
この上が300で、尺目と呼ばれている刃です。
これはかなり刃が荒くなってしまうので、余り細かい物は切れません。
しかし刃の厚みも厚くなりしっかりしているので、
ザクザクと荒い木取りには使えます。
細かな細工をする際は、265の下の8寸目が良いですね。
刃の厚みも薄くなり、腰が弱いので、本当は替え刃式でも胴付き鋸が良いですね。
まぁ265の刃で大体事が足ります。

日本の鋸って、手前に引いたときに切れるように刃が付いているのですよね。
ですから切る時は、引くときに力を入れ押す時は軽く戻す感じです。
片手で切る時は柄の一番後ろを握ります。
両手で切る時は、一番後ろを握っている利き手の前に反対の手を添えます。

どうして日本の鋸は手前に引いて切るのでしょうね?
外国の・・余り外国の事は良く解りませんが(汗)
アメリカの鋸だと、押して切るように刃が付いていますよね。

以前、んーー 7、8年前だと思うのですが、
晴海の展示場で、家具の見本市で、日本の商社のアメリカ工場の
ブースを施工した事が有りました。
商品はキッチンまわりの家具でした
σ(^○^)とこの会社で受けた作業は、床のパンチカーペット。これは絨毯屋に発注。
それとお手伝い2人2日間。σ(^○^)とこで作る装飾物は一切無し。(汗)
ブース施工に必要な資材、道具等は全てアメリカから商品と一緒に来る、
という内容でした。

当日現場にσ(^○^)と見習い1人の2人で行ってみると、
家具職人らしい60代くらいのオッサン(アメリカ人)が一人と、
同じく家具職人らしい50代くらいのオッサン(アメリカ人)一人と、
現場管理らしい40代くらいのスーツ姿のアメリカ人が一人。
それから日本の商社から来たという通訳の人が一人。
とσ(^○^)とこの営業の会社の担当者が一人居ました。

アメリカ人3人は全く日本語が喋れませんでした。
σ(^○^)達も、もちろん英語は全く喋れません。(汗)
結局商社から来た通訳と言う人だけが、アメリカ人3人とσ(^○^)たちを
繋ぐ唯一の人だったのですが・・・。
「なまりが強くて言ってる事が良くわからん、後はよろしくぅ〜」
と早々に姿を消し、σ(^○^)とこの営業の会社の担当者も
「どーしても、用事が有って・・・後はなんとかお願いします」
と退散。 きゃーー
残されたのはアメリカ人のオッサン3人とσ(^○^)達の5人。(汗)

言葉は全く通じませんでしたけど、身振り手振りでなんとかなるものですね。
オッサンがバケツを片手に、
「ウォーラー ウォーラー」
はっ???何言ってんねん?このオッサンは???
σ(^○^)が解らずにいると、そのオッサンはレポート用紙にマジックで大きくH2Oと書き、「ウォーラー」
・・・おぉぉ 元素記号で来たなぁ H2O=水やなぁ 
このオッサンはバケツに水を汲んできて欲しいと言っているのだな・・・
「オッケオッケ!」
そんな調子で作業は順調に進んで行きました。(笑)

ブースの大きさは間口9000奥行き3000でした。
アメリカから持ってきたバックパネルを後ろに立てる事になったのですが、
そのパネルの重いこと。(汗)
100程の芯材に、20くらいの合板が両面に張り付けて有りました。
大きさはH2000W1000くらいだったでしょうか?
それを立てたままビスで繋いで行くのですが、アメリカ人のオッサンが
使ってくれと差し出したドライバードリルが貧弱で・・・・。(汗)
σ(^○^)が持っていった充電ドライバーを出すと、
「オォー コードレス ワンダフォー」
と、しきりに関心。(笑)
その頃は、インパクトドライバーが出ていなかったので、
N社のチャックレスドライバーでした。
それでもそのドライバードリルより全然力が有り大活躍でした。

アメリカの人って面白いですね。
スニッカーズって有りますよね、チョコレートにピーナッツとキャラメルが入った。
あれを3ケースくらいドンとブースに置いて、
とにかく食ってるんですよ。そしてコーラをゴクゴクと。
仕事してるより、食ったり飲んだりしている時間の方が長いんじゃないか?とね。
そして少し仕事すると、ブースに寝転がってしまうのです。(笑)

えっ?このコーナーはノコギリの話じゃ無かったのか、ですってぇ。(笑)
この後出てきますって。 ははっ
釣戸棚を壁に取り付け、その上に回り縁を打つと言い、
それを切ってくれと差し出した鋸が・・・
漫画に出てくるような刃の荒い大きな鋸でした。(笑)
もちろん押して切る鋸でしたね。 
しかし・・・丸太を切る訳じゃないだからねぇ〜オッサン。(笑)
とても使えるような鋸では無かったので、替え刃式鋸を出すと
まーーたまた感動した様子。 はははっ
この材料をこの位置で、45度に切ってくれとか22.5度に切ってくれとか
英語でなんと言われたのかもう忘れてしまいましたが、治具を作り切りました。

お手伝い初日は、ホントにお手伝いのつもりで行ったので、
手持ち道具と充電ドライバーしか持って行きませんでした。
しかし・・・オッサン達は食っちゃ寝で、こっちがメインみたいになってしまったので、
2日目はコンプレッサー、スライドソー、マルノコ、ジグソー・・・。
考えられるだけの道具を持って行きました。
その甲斐有ってか無事施工は終了し、年報1500万でうちで働かないか?
とのお誘いも受けました。
その誘いに乗っていたら、今頃σ(^○^)は・・・??(笑)

あともう一本イベントブースビルダーが持っていると重宝する鋸。
それは回し引き鋸です。
これは鋸の刃が細くすこし厚みが有ります。
カッターで穴を開けていて、桟に当たって・・きゃぁ〜・・なんて時に活躍します。
ベニヤ、ボード等に穴を開け安い様に、先端を斜めにカットし尖らせています。

もう一つありました。それは金鋸です。
以前は展示台の天板だけ化粧板で、見附は経師という仕上げが多く。
化粧板と経師の見切りに、Pアングル(通称 つりばり)を巻いていました。
それはアルミで出来ているので、金鋸は無くてはならない道具でした。
最近ではめったにこの仕上げにする事が無くなりましたが、
抜けない釘を切ったり、鋸刃の裏側でメラミン化粧板の小口の仕上げをしたりと、
いろいろと使えるのでσ(^○^)は刃だけはいつも道具箱に入れています。

σ(^○^)が仕事を始めたばかりの頃、鋸で木を切っているとオヤジが、
「おい カッコウが悪い」
・・・んーーどこがやねん なにがカッコウわるいねん・・・ブツブツ!。
と思いながらやっているとまた。
「カッコウが悪い」
・・・チッ!人のやる事なす事文句ばかりつけやがってぇ たくっ・・・。
「どこがカッコウわるいの?」
「とにかく カッコウが悪いなぁ」
いやもうとにかくですね、何かやるとすぐに文句が飛んでくるのです。
しかもそれがどうしてなのか?意味が解りませんでしたしね。
身内なので、言う事がきついですし・・・。
この仕事を始めてから1年くらいは、もうやめよう 明日こそはやめよう
と思っていました。

その時はどーしてカッコウ(格好)が悪いと言われたのか?
その意味が解らなかったのですが、一年程して新しい見習いが入ってきました。
その若い見習いが鋸を使うのを見て、
・・・カッコウ悪いなぁ こいつ・・・と思いました。
どこがどうとハッキリとした事は解らなかったのですが、
とにかくその若い見習いが鋸を引くとカッコウ悪いのです。
1年前のσ(^○^)はこういう感じだったのかぁ、と一年経ってやっと解りました。

今ではカッコウ悪い理由も解ります。
それは鋸を引く方向と、体の向きに有るのだと思います。
鋸を引く方向と体の向きが垂直。ですから切る材料と体が
平行に成っていないとカッコウ悪いのです。
職人はカッコウ(格好)だとよくオヤジに言われたのですが、
その意味を理解するまで、かなりの時間が掛かりましたね。
始めの頃は・・・何言ってるんだい どうでも出来れば良いじゃないか・・・
と思っていたのですが、見る人が見ればおかしいと思っていたのですね。
それがおかしく無いようにならないと、一人前とは認めて貰えない事が
かなり経ってから解りました。
なんか前にも書いた様な事だなぁ。(汗)

それから良く言われたのは、
「鋸が切れなくなったら、すぐに新しい刃に取り替えて
いつでも良く切れる様にしておけ」
これは、腕も悪いのに鋸の刃も切れないんじゃホント素人に見られてしまうからだ
と言う事なんですよね。
ですからσ(^○^)は、いつも道具箱の中に新品の鋸の刃を3枚入れています。

鋸ではあまり手を切った経験ありませんね。
これは鋸刃が材料に食い込んで行くので、ずれないからなのでしょうね。
でも切り始めの時、親指の爪をガイドにするのですが、
その時に鋸がブレたりすると爪をガリガリッとやる事が有りますね。
気をつけて作業しましょう。

σ(^○^)の手に有るのこぎり傷というと、
小学生の頃、家に有った両刃の鋸をいたずらして、左手の親指の根元を切った
傷だけですね。 のこぎりで切った場合肉をそぎ取られてしまいますので、
傷の直りも遅く、後々まで残る傷になる事が多いですね。 きゃっ

のこぎりで使う定規というと留め定規くらいですかね。

*留めー45度の事です

市販で金物で出来た物が売られていますが、鋸の刃を痛めるので
硬木で自作した方が良いと思います。
σ(^○^)の留め定規
材料はタモ 長さは200 幅は60 
厚みは9の板を30*20の材料に溝を掘り、そこにはめ込んでいます。
それを45度に両わきをカットしています。
出っぱり部分を材料にピタッと当てると、正確に切る事が出来ます。
工場ではほとんど機械を使うので、手鋸で切る事はめったに有りませんけどね。

                                   ではまたσ(^○^)くん


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