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★ミ 【その9】 ・・・きる 電動マルノコ

【きる(3)】
「電動マルノコ(1)」
この仕事を始めたばかりの頃、職人さんに
「マキタもってこーーい」
と言われました。
マキタ?んーーなんだろう?良く解らなかったのですが返事だけ
「ハーーイ」
道具の載っている棚に行き、とにかくマキタを探しました。
「んーーマキタマキタっと、えぇぇーーとあっ有った有った」
その道具を持って、いそいで職人さんの所に行くと
「それは電ドルじゃないか、違うよマキタだよ」
「えっ、だってこれマキタって書いてありますよ」
「違うって、マキタっていうのはノコギリの刃がブアーっとまわって・・・」
「あっそれって電動マルノコの事ですね」
「そうそう、そうとも言う」
どーゆう訳だかσ(^○^)とこの職人さん達は、マルノコの事をマキタと呼ぶのです。
他の所の職人さんはどうなのでしょう?
多分マキタが最初に電動マルノコを出したか?
始めに使った物がマキタだったからか?なのだと思うのですが、
これ全国的な呼び名だったら凄い事ですよね。

マルノコ横  マルノコ上  マルノコ下

σ(^○^)の使っているマルノコもマキタ製です。
6型造作用精密マルノコってヤツです。これ良いですよ。
ベースがしっかりしたアルミダイキャスト製ですので、
本体がブレたりせずに、使いやすいですね。
ベースの大きさは255*125です。
普通のマルノコですと、ベースがただの鉄板です。
すぐに曲がったりしますし、ベースが小さいので本体が安定しません。
マルノコは造作用が良いですね。
それから必ずブレーキ付きの物を使いましょう。
ブレーキ付きは、スイッチから手を放せばすぐにノコの回転を止めてくれますが、
ブレーキ無しは、いつまでも回転が止まらないので危険です。

それではマルノコの使い方をいくつか紹介します。
(マルノコで直線を切る場合)
ほとんどの場合定規を使用します。

直線定規の作り方を説明します。
まず200幅に4ミリベニヤを切ります。
次に100幅にコンパネ(12)を切ります。
コンパネの裏に両面テープを2列縦に貼ります。
片側を合わせて2枚を張り合わせます。
足で良く踏み接着させます。
使用するマルノコで、コンパネをガイドにして4ミリベニヤを切ります。
これで出来上がりです。

ガイドになるコンパネの下にベースとなる4ミリベニヤを貼り、
それを使用するマルノコで一度切っていますので、
ベースの切り口が切れる位置になります。
切りたい位置にベースの端を合わせれば、その通りに切れます。
定規のベースになる4ミリベニヤをポリ板にして、
コンパネの木端にメラミン化粧板を貼ると、滑りが良くなります。
ベースとなる4ミリベニヤを並みベニヤ。
ガイドとなるコンパネを2分ベニヤでもOKです。

マルノコのベースの左端からノコ刃までが90くらいなので、
切りしろが100有れば大丈夫。
この定規も1800と1000の2サイズ用意すると便利です。
ベースの端が、ノコがブレたりしてギザギザになった時は、
どんどん新しい定規に取り替えましょう。

マルノコの定規は、カッターの所でも言いましたが、使う方に当てます。
カッターの場合は切り口が線。んーーコンマ何ミリだかは解りません。(汗)
なので、定規を逆に当てて切ったとしても寸法的には変わりません。
マルノコの場合は、刃の厚み分だけ寸法が変わってしまいます。
失敗した時に致命傷になるケースが多いので、使う方に当てましょう。
しかし、どーーしても使う方に定規を当てられない場合も有ります。
その場合は、刃の厚み分逃げて定規を当て、慎重に切りましょう。

ベニヤ等を切る時、ほとんどの場合、ベニヤを床に置いて切ります。
マルノコの刃が沢山出ていると、床を切ってしまいます。
切る前に材料の端に定規のベースの端を合わせ、
その上にマルノコを置き、前後に動かし刃が床に当たらないように
調整しておきます。
寸法的に言うと、4ミリベニヤを切る場合は、
ベニヤ4ミリ+定規のベース4ミリ=8ミリで完全に切れる刃の出ですね。
これではちょっと危険なので、それよりもほんの少し刃を引っ込めておきます。
理想は皮一枚残し、カッターで軽く切れる程度残します。

あっそうそう、普通のマルノコって右手でしか使えないのですよね。
使えないと言うと極端な言い方になってしまいますが、
右手じゃないとひじょーーに使いづらいです。
σ(^○^)とこの見習いにマルノコを使わせようと思ったのですが、
どーも変な恰好でうまく切れませんでした。
「なにやってんのぉ こうやって こう切るんだよ」
と言ったのですが・・・
その彼は左利きなのです・・・(汗)
どーーーやっても左手ではうまく切れないのですよね。(笑)

普通のマルノコは、真上からみて左側にベースが90程有り、
刃が有って、10程空間が有り右側に20程のベースが有ります。
モーターも左側に付いています。
人間の腕って内側方向に向かっては力が出るのですが、
外側方向に向かっては力が出ないのです。
ですから、左側のベースの端にガイドを当てて切る様な設計になっている
と思うのですが、これって完全に右利き用ですよね。
σ(^○^)も左利きの見習いの彼がマルノコを使うまで解らなかった事なのですが、
左利きの人はどうされているのでしょうか?
馴れれば左手でも使える様になるのですかね?
それとも左利き専用のマルノコがあるのか?
うーーむどうなんでしょう??

(途中で一度止めて、もう一度切り出す場合)
その時は、マルノコをすこし後ろに戻してからスイッチを入れます。
マルノコの刃は正面からみて左回り、切る所は下から上に向かって回ります。
同じ位置だと、刃が回り出す時に材料を持ち上げようとして
マルノコ自体が後ろに戻される事が有ります。
材料にも傷が付くし、危険なので
少し後ろに戻してからスイッチを入れましょう。

(短い距離の物を垂直に切る場合)
展示会ですと、よく300幅のパラペットの長さを詰めたりするのですが、
その様な場合には、直角定規を作っておくと便利です。
先ほど説明したマルノコ定規を450程の長さに切ります。
コンパネが左に来るように縦に定規を置きます。
手前側の端に長さ450の小割(30*20)をベースの端に合わせて打ち付けます。
小割が左側に長く伸びている状態です。
定規と小割りが、直角である事を確認します。
切る位置に定規のベースを合わせ、
切る材料の端に小割りを引っかけて使用します。
市販でいろいろな角度で切れる定規が出ていますので、そちらを使っても良いですね。

(勾配(傾斜)に切る場合)
マルノコは本体を外側に、えーーっと前から見て左側に
45度まで刃を傾斜させる事ができます。
傾斜にさせると、傾斜分だけ刃が左に寄りますので、
左端から刃までの距離が変わります。
ですから一度決めた傾斜で定規のベースを切ります。
それから材料にベースの端を当てて切ります。
マルノコの直線定規はまとめて幾つも作っておきます。
ベースの端が痛んだ物を取っておき、勾配用として使います。
それから廃棄処分ですね。

(穴を開ける場合)
刃を下げた時に大体この辺かなと、予測をつけた位置に
マルノコのベースの前側だけ定規のベースに置き、後ろは浮かしておきます。
マルノコの左端はピッタリと定規のガイドにつけておきます。
スイッチを入れ、マルノコの左端をガイドにそらせながら
ゆっくりと後ろ側を下げて行きます。
切る位置が良ければそのまま下まで降ろします。
マルノコの刃は丸なので、墨の端まで完全に切ろうとすると
墨の位置以上に切らなくては切れません。
見えなくなる所は多めに切っても良いのですが、
見える所を切る時は、墨に切れ目が来たらそこで止め、
残りはカッター又は手鋸で切ります。

(曲線を切る場合)
フリーハンドでも切れますが、定規を使った方が綺麗に切れます。
定規の形は、テニスラケットの角張っている形と思って下さい。
円(アール)を切る定規なので、円定規とでも言いましょうか。

作り方
4ミリベニヤをベースにして、そこにマルノコのベースの外側にまわる縁をつけます。
縁の幅は30ミリくらいで良いでしょう。材料はコンパネです。
マルノコの左側のベースがあたる側の中央付近に、
40幅のグリップを伸ばしておきます。
長さは600程です。
この説明で解りますか?んーー説明しずらいのですけど。(汗)

それではσ(^○^)のマルノコを例に取るとですね。
マルノコのベースの縦は255横は125です。
ですからまずコンパネを255+60=315幅に切ります。
長さは125+60+600=785で切ります。
マルノコのベースの大きさを墨します。
縦は30の所とそこから125の所、横は端端から30の所です。
次に315のセンターに墨を打ちそこからまた20の所にそれぞれ墨を打ちます。
ですから40幅のグリップの墨ですね。

マルノコのベースの墨に沿って切り抜きます。
昇降盤で定規を30に合わせ先端と両端を切ります。
この時材料の前側だけを昇降盤につけ、後ろは浮かした状態です。
スイッチを入れ、ゆっくりと後ろ側を下げて行きます。
一杯まで下げたら材料を前後させ、墨の位置の下側に切れ目が来る所まで切ります。
この時材料をちょっとでも斜めにさせると、鋸刃と定規に材料が挟まる
状態になり、後ろ側に飛ばされる事が有るので注意が必要です。
3方切れたら、今度は定規を30+125ー3(鋸刃分)にセットし
同じ様に切ります。角の所は手鋸で切って切り抜きます。
次にグリップになる所を切ります。
315幅から真ん中に40幅残すので315−40/2−3(鋸刃分)
答えはぁ133.5に定規をセットします。
スイッチを入れ端から500程切れ込みを入れます。
材料を裏返し又500程切れ込みを入れます。
これで真ん中に40幅のグリップ部が残ります。
500入れた切れ込みから、マルノコのベースの切り抜き部+30の両端までを
ジグソーでアールに切ります。
定規のベースとなる4ミリベニヤを後ろ側に貼り(ボンドでプレスでも良いですし
10ミリのタッカーで止めても良い)グリップ部はトリマで払います。
ここまで出来たらマルノコの刃を完全に引っ込めた状態でセットします。
スイッチを入れて刃を回してから、刃の出を調整するネジを緩め、
刃を下ろして4ミリベニヤに切れ目を入れます。
この時、下に何か敷いておかないと床を切るので注意。
これで出来上がりです。

後は切りたい円の半径を4ミリベニヤの切れ目から計り、
その位置に釘を1本打ちます。
それを支点に回せば円を切る事が出来ます。
材料の厚さにもよりますが、コンパネですと一度で切れる最小半径は600位です。
マルノコの刃は上から見ると直線なので、切る半径が小さければ小さい程
刃の前と刃の後ろに差が出来て、刃の後ろ側は材料の外側を切ろうとします。
車で言うとドリフト状態ですかね。
ですから切り口の間に刃が挟まり回転しずらくなります。
モーターにも負担がかかるし、刃も歪みますので600r位までにしておきましょう。
刃の出を少なくして何度かに分けて切ればもっと小さな円もきれますけどね。

40幅に伸ばしたグリップ部にたる木等を打って伸ばせば、
なんじゅうめーーーとるアールだって切る事ができます。
それだけの場所が有れば、ですけどね(笑)

マルノコの使い方ってまだまだいろいろ有ります。
いつかまた続きを書きまーーす。(汗)
                                 ではまた σ(^○^)くん


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