SSB 10/11





公演名:Kyosuke Himuro Tour 2004 "SOUL STANDING BY〜"
・日程 : 10月11日(月)18:00開演(ツアー開始12本目の公演)
・会場 : 石川厚生年金会館(収容数:1,707)


◆石川公演(10/11)セットリスト
 1.VIRUS
 2.Weekend Shuffle
 3.Claudia
 4.NATIVE STRANGER
 5.WILD AT NIGHT
 6.FOOL MEN'S PARADE
 7.STORMY NIGHT
 8.DON'T SAY GOOD BYE
 9.YOU'RE THE RIGHT
 10.LOVER'S DAY
 11.STAY
 12.WILD ROMANCE
 13.Emphatic Line 〜featuring DAITA
 14.GONNA BE ROGUE?
 15.LOVE SHAKER
 16.Girls Be Glamorous
 17.TO THE HIGHWAY
 18.ONLY YOU
 19.NO.NEW YORK
 20.ANGEL

 アンコール1
 21.REVOLVER
 22.Still The One
 23.Good Luck My Love

 アンコール2
 24.ROXY
 25.TASTE OF MONEY
 26.KISS ME


◆ツアーメンバー
 Guitar  :DAITA
 Guitar  :本田毅
 Bass   :西山史晃
 Drums  :真矢
 Keyboard:小森茂生


◆石川公演(10/11)レポート

いくぞお前らっ!!

今回は趣向を変えて、気合を入れたライブレポートをやらせて貰う。いつものようにちまちまとした奴じゃなく、ハッキリクッキリスッキリしたのをお届けするゼ。これを読んでるお前等も気合を入れて読め!今すぐに氷室のCDを大音量で流せ!歌いながら読むんだ!できない奴は※♂Ψ∇塔カ♀!>勢い余ってる


***


50近くあるツアーの中で石川公演は前半戦に当てはまるわけだが、二日後にある富山公演が終われば、二度と北陸での公演は無い。なので自然と気合が入る。さあ氷室京介を聴かせてくれ・・・俺は飢えているんだ。そう思いながら、わずか1700人しか入らない小さな会場へと足を運んだ。


会場の入場口に行くと、ファンクラブの会員専用の入口と一般人の入り口に分かれていた。ほほう、ようやくファンクラブの人間を優遇するようになったかと思いきや、単に先に入場させてくれるだけだった。まあグッズとか早く買いたい連中にとっては良いであろう。そう思いながら、会員専用の入口を見てみると、なんと赤い絨毯が5メートル位敷かれていた。


正直言って、この花道を通るのに勇気がいる。会員でない奴らが「あれがファンクラブか」と物珍しそうに視姦してやがるし、何より中途半端な豪華さだったから、通るのが非常に恥ずかしかった。何が悲しくてこんな思いをしなきゃならないんだ。誰だよ、赤い絨毯なんか敷こうと提案した奴。ある意味なかなか面白いが。


そして今まで使った事が無い会員カードを見せると、モギリの女が「?」というしかめっ面しやがった。俺も列に並んでいて気づいたのだが、最近のファンクラブのカードはシルバーの洒落たカードになってるようだ。前後の奴らがそれを出すのを見たからだ。ちなみに俺は8年位前からファンクラブに入会してるのだが、当時のカードは黒色なのである(KHのロゴもない)。


という事は、昔のカードの存在を知らないモギリが俺のカードを見ると当然「ニセモノ?」と思う展開となる。事実、入場の流れはそこでストップした。そして周囲から俺に注がれる奇異な視線。れっきとした会員なのに、氷室のライブを楽しみに来ただけなのに、何故こんな思いをしなければならないのだろうか。


すると偉そうなモギリの野郎が近づいてきて、女から事情を聞くと俺に「有効期限はいつまでですか?」と尋ねてきた。それを答えたらあっさりと通してくれた。一体何だ?カード見た時、疑問符が顔に浮かんでいたからお前も知らないのじゃないか?とりあえず通そうってか。全く、古参のファン会員のカードぐらい知っておけ。


新参者はすんなり入場できて、俺はできなかったのには少々不愉快であった。俺だって好きこんで古いカード持ってるわけじゃないに。本当にファンクラブのやることは詰めが甘い。カードの見本ぐらい見せておけよ。というわけで、ここらで個人的愚痴モード終了。


※後から発覚した事だが、2001年に新しいカードを会員全員に送られてきたそうだが、何故か自分のとこには届いていなかった。郵便事故等があったのかもしれない。でも新カード配布について知らなかった俺にも問題があったと思う。騒がせてしまい、すまない。


***


ハッキリスッキリクッキリやるといいつつ、いきなり愚痴を聞かせてすまん。ちょっと言いたかったんだよ!それはともかく、恒例のライブ状況について説明するゼ!俺の座席は会場の中央部から左端に位置する。なので左側アンプの音が大きくなり、DAITAの音が中心に聴こえていた。勿論本田の音も聴こえていたが、それでも注意しないと聴こえづらかった。ゆえに今回の音のバランスは不明。問答無用に右側のアンプは聴こえない場所になっていた。


肝心の氷室の姿なんだが、これは比較的大きく見れた。距離はあったが、大体の動きは把握できたし、表情もそこそこ見れたからな。それでもさすがに乳首までは見れなかった。今回の氷室はきちんと服を着ていたから、一部アレな人間にとっては残念であったろう。恒例の乳首レポートは今回はナシの方向にさせて貰う。


残念ながら、俺は左端にいたお陰で小森の姿を見ることができなかった。「音はすれども姿は見えず」という言葉通りに、最初から最後まで、メンバー紹介の時すらも姿をみることはできなかった。どんな奴か見てみたかったのだが、結局見れずに残念であった。いつかまた会えるだろうか。


***


さて曲紹介。舞台じゃ珍しく緞帳があった。かなり薄く、近くで見ると向こう側が少し見える代物であった。一曲目はそれが張られたまま行われた。普通、Aメロかサビで下ろされるものだが、今回は二曲目に入るまでそのままの状態であった。さすが氷室・・・ファンを焦らすのはCD発売を待たせるだけじゃないな。コンサートが始まってまでじれったい思いをしたのはこれが初めてだゼ。


幕がついに下りた「Weekend Shuffle」。イントロのドラムがイカス。今回のドラムは元ルナシーの真矢になったが、奴はかなり上手い。ルナシー時代のライブにも行ったことがあったのだが、パワー・スピード・テクニックがすごかった印象がある。当時はよくドラムソロをやっていたので、それを見たからだ。今回は氷室のツアーに出てくれて、とても興味が湧いたし、楽しみにしていた。そして実際聴いてみたらよかった。


ただ、奴の場合は16ビートの方が似合ってる感じがするので、今回は氷室に合わせた形でドラムを叩いてる印象を覚えた。確かにエイトビートの氷室では少々勝手が違うのであろう。それでもやはりもう少しドコドコとドラムやって欲しかった。個人的には激しいドラムが好みなもので。それに、16ビート気味の部分になると奴は頭を振って楽しそうにやってたし。他は普通にやってるぽかったのでそう感じる。


「Claudia」から「WILD〜」までいきなり加速してやっていった。テンポの速い曲を連続してやったからだ。「Claudia」は激しいサウンド・ギターのフレーズが良い。氷室のお家芸であるエイトビートをより強化したから強烈だ。そして「NATIVE STRANGER」。イントロから観客は「ハイ!ハイ!ハイ!」と気合の入った叫びがあったのはさすが北陸である。サビの掛け合いがやりにくい曲にも関わらず、よくやってくれた。


そしてあえて前半に持ってきた「WILD〜」。どんな公演でも確実に盛りあがるナンバーだ。ここで拳をあげない奴はファンじゃねえ。いきなり最初から飛ばしまくるこれらは本当に快感だった。盛りあがる曲だからいきなりやって勿体無いと思わないでもないが、「曲出しにはケチケチしねえゼ!」という氷室の粋なはからいを感じた。このスピード感はたまらなかった。


今回初めてやってくれた「FOOL〜」、勢いが少し落ちてしまったがこれはこれでよかった。個人的にはサビの「フ〜ルメンパレぇード♪」と歌った後のギターのカッティングが好きである。なかなか珍しいのをしてくれるなと思ったが、後から考えてみると、ここから懐かしく滅多にやってくれない珍しい曲をやってくれる布石になっていた事に気付く。


と言うのも、ここから始まった珍しいバラード四連発である。「STORMY〜」から「LOVER'S DAY」へと豪華なラインナップである。正直に言おう。俺は「DON'T SAY〜」では半泣き状態になり、「LOVER'S DAY」に来た時は泣いた。ホンマめっちゃよかったどす。今思い返しても心が悶えるよ>? というわけで、この四曲は全力紹介で行くゼ!


まずは「STORMY」!イントロからDAITAがやってくれた。あの高音を上手く出してくれたのはよかった。カミナリの音をつけてこなかったのは本当助かった。ただ照明がすこぶる眩しかったのは残念だった。この曲の時、照明はこんな風に(/ \)ステージから左右の客席に向かって放たれていた。その先(左)に俺の席があったので、非常に目が疲れたのだ。


したがって氷室は文字通り霞んで見えた。白の照明だったので、足のある白い幽霊のようにも見えた。真ん中から見れば良いのだろうが、照明を当てられてるこっち側からすると大変である。それでも幻想的に見えなくも無かったから良しとする。


次!「DON'T SAY GOOD BYE」!CDで聴くとあまり印象には残ってはなかったが、ライブで聴いてみたらめったくそ良かった。顔を見ることなく終わった小森のキーボードや真矢のドラムもよく、何より氷室が力強く歌ってくれたせいなのか、格好良い曲だと改めて感じた。「追憶に・・・」と歌ってる箇所では何故か泣けた。


この曲は少しアレンジしたらしく、最後に氷室が歌詞をつけたしてくれた。残念ながら部分部分しか聴き取れなかったのだが、そのメロディーがまた良かった。是非ともDVD化して欲しい。何度もリピートして聴きこみたいこの頃だ。気になったのがこの曲で手拍子しまくりだった事だ。確かにこのテのミディアムテンポは微妙なのだが、この曲でして欲しくなかった・・・。


さらに次!「YOU'RE THE RIGHT」!翻訳すると「輝いてるよ」だゼ>違う これまた懐かしい奴を聴かせてくれる。間奏はCDのようにサックスではなかったが、小森のキーボードによる良い雰囲気があったのでこれはこれで。氷室が「ユアザライト・・・」と後奏で淡々と歌っているのが印象的だった。さらに注目すべきは照明だった。


このときは眩しい位の紅の照明を使っていた。さらに言えば「STORMY」と同様に客席に向かって二つの照明光線が放たれており、またもや俺に直撃していた。そして案の定、氷室は足のある赤い幽霊のように見えた。照明直撃すると前が霞んで見えるんだな。眩しいのは辛かったが、それでも面白いものが見れたから良しとする。ちなみに手拍子はちょっとウザかった。ノリが良すぎるのも問題だな。


んでラスト!「LOVER'S DAY」!イントロの打ち込みですぐにわかる。そして会場はざわめき喜びの声をあげる。俺は心の中で「キター!」と思う。この間約コンマ3秒だ。説明が不要な程の名曲だ。お気に入りのメロディーはサビの「今も胸に・・・」のところだ。これがなんともいえん。ただ今回は左側の座席にいたという事で、本田のギターソロが聴き取りにくかったのが残念だった。


この時DAITAはバッキング(コードをジャカジャカと弾く)をしてるので、それが大きく聴こえていた。本田のこのギターソロが好きなのだが、聴き取りにくくて本当に残念だった。だが、「音は聴こえても姿は見えない」小森の「タタタン、タタン♪」の部分がやけに胸に染み入ったのでよかったゼ。後印象に残ったのは、氷室に向かって四方八方から白い照明を投げかけてるのが格好よかった。


ただでさえ「LOVER'S DAY」では涙ぐむのに、こんなバラード連続攻撃されれば否応無く泣かされてしまう。ラストはマジ泣いた。多少の音の偏りや照明の眩しさがあったが、それでも補うものがあまりあった。「STORMY」に入る前に氷室が「一年ぶりの金沢だ!」と呼びかけてからしてくれたのはマジ嬉しかった。バラード好きな俺にとってはなによりのものだった。


***


バラード話はこれくらいにして、本編後半戦に行く。懐かしの「STAY」はプロモーションビデオ付きでやってくれた。つーか後ろのセットが実はTV画面にもなってるとは気付かなかった。大きい会場ならわかるが、こういうツアーでそれをやるとは思いもしなかった。本当にセットにも気を使っている。


それはそうとライブでこの曲を聴く度に思うのだが、音が薄いと感じるのは俺だけだろうか。いや、音の層がないというかサウンドに力がないというか・・・いまいち迫力に欠けるんだな。別に悪い歌じゃないが、もうちっとテコ入れして欲しい。まあこれは俺だけが感じるわけわからん感覚だから、どうというものでもないが。


新曲「WILD ROMANCE」はギターソロを抜けば良い曲だ(個人的にはしょぼい感じがする)。Aメロでは真矢のドラム、特にハイハット(チチチチ・・・と音だすところ)のテクが上手かったし、氷室もやや声がかすれてはいたが力強く歌ってくれたので良かった。「お前の身体は秘密のコンセント」と歌ってる部分で氷室は、身体をクルクル回ってというか、ひねらせてというか、くねらせて歌っていたのが面白かった。今度カラオケで俺もやろ。


恒例のDAITAソロは皆座ったりして休憩タイムになるんだろうなーと思っていたが、意外と座る人間は少なかった。付き合い良いじゃないか(笑)。それでも俺の両隣の女は座っていたが。奴のギターは高音域の音を出すのが上手い。「STORMY」の時もそうだったが、あの音作りはなかなかだ。でもその分、この曲はF1のテーマソングっぽく聴こえるのは俺だけか?


お色直しをしてでてきた氷室が歌ったのは定番になりつつある「ROGUE」。そろそろ浸透してきたのか、リズムがとりにくい曲にも関わらずそこそこ場内も掛け合いをしてくれた。それでも半分はポカーンとしていたがな。確かにシングルでしか聴けない曲だから認知度が低い。しかもそのシングルはもうほとんど店頭に無い状態だから、さらに輪をかけていく。次のベストアルバムに選曲されないと厳しいか・・・。


「LOVE SHAKER」では水をぶっかけ、「Glamorous」ではいつものようにDAITAや本田や西山らが絡み合うという魅惑の演出が行われた。今回は少しだけDAITAと西山の絡みが見られた。今まではDAITAや本田のが多かったから珍しい。バンド内でも色々と男事情って奴があるのだろうか。付き合いも長くなってきてるしなあ。これで誰かが結婚したらすごく面白い。


さてここからは暴威曲。8月にやった暴威記念ライブの名残とサービスって感じだな。何気に氷室も革ジャンを着ているし。しかし「ハイウェイ」では少しびっくりした。というのも、イントロで氷室がいきなりマイクをステージ上に置いたんだ。何?職場放棄か?流行りのストライキでもやろうってか?ここまでライブやっといて「ストします」だなんて、ロックしすぎだゼ!


まあ、実際は右耳のイヤモニを直すために一時的にマイクを置いたんだ。でもな、知ってのとおりハイウェイは速いテンポの曲だ。なもんで歌に入る迄に、急いでそれを直してる氷室の姿はなかなか面白かったぜ。少し必死になってたような気がする。「ええいくそっ。早くやらねえとやべえ」って感じでサ。ちなみに、マイクをステージに置く場面を見て山口百恵の引退を思い浮かべた奴は俺だけかな?※彼女は引退する最後のステージでマイクを床に置いて去っていった。


そいで「ONLY YOU」「NO.NEW YORK」はやはり場内カラオケ状態。イントロから皆歌ってるし。これはしゃーないか、ドームでもそうだったしどこでもそうだろうから。サービスのようなものだし、記念ライブお祭りの余韻もあるから選曲されて当然かな。俺も一応掛け合いはしたのだが、やっぱり「ANGEL」ほど気合が入らない。積み重ねてきた歴史ってものがないせいかな。「ANGEL」だと魂の叫びといえるくらいのものができるのダガネ。


***


氷室はアンコール入る前に「親父は金沢生まれで、俺もそのDNAがあって・・・」と金沢ならではの話題をまたしてくれた。この話知らない奴、詳しい事は去年の石川公演のレポを読んでくれ。それでその時、メンバー紹介もしてくれた。真矢を紹介する時、奴が新入社員のようにペコペコしていたのが何故か笑えた。なんというか・・・今の俺のような態度だったので>最近就職した。ちなみに真矢がドラムの椅子に座るまで観客の声援が結構あった。奴も座ったら両手を挙げて応えてくれたのは微笑ましかった。


そしてアンコール。セットリストを見ればわかると思うが、実に俺好みだ。今までライブで聴きたいと思っていたのをドンピシャにやってくれた。どっかでやった事あるらしいが、俺にとっては初めて生で聴く事ができたので、本当に嬉しかったゼ。ちゅーわけで、ここからまた一つ一つ紹介だ!


まず最初に「REVOLVER」!知ってる奴は通だと氷室が言って始まった。感謝の気持ちを込めて作ったとの名曲である。優しく歌っている声がなんとも言えない。基本的にCDと同じ編曲だが、ライブになると少しだけ違って聴こえた。真矢のドラムやDAITAのバッキングのリズムのとり方が原曲と少し違って聴こえたのだが、それがとてもイイ。バックがしっかりしてるから映えがあると感じた。


一番印象的だったのは照明だ。これはそれほど照明を気にしてない観客でも目についたと思う。氷室の上を照明がクルクルと回転しながら、光をシャワーのように注いでいたからだ。これがまたとても綺麗だった。なおその時のステージ照明を説明すると、ステージの上に◇の形をした大きな三つの照明が吊り下がっていた。つまりこういう風に(◇◇◇)なってる。その真ん中から光がでていたと。


この曲はキーボードがメインになってるところがあるのだが、いい感じにやっていてくれた分、やっぱり顔がみれなかったのが残念だ。何度も言うが、小森の顔とか見ないで音聴いてると、CD流してるだけのような錯覚を感じるからだ。やっぱりライブじゃ顔が見えないと駄目だよなあ。


次は「Still The One」!俺はアルバム「MELLOW」が発売された時からずっとライブで聴いてみたいと思っていたナンバーだ。あの重苦しいギターの音で始まるスローなロックがついにここで聴けた。CDでは聴けない、抑揚の効いた氷室の声は最高だった。そしてその残響音がしびれる。また、真矢がよく頑張ってくれた。あのスローなリズムは結構難しいと思う。間をとるのが良いというか何と言うか。


あとセットが上手く出来ていた。ステージの上照明は夜空を思わせるように蒼くし、後ろではキラキラの星空を仕上げ、そして吊り下がってるひし形の照明からは氷室に向かって少し弱く照明をあびせる。あたかも「孤独な男」を漂わせるような感じになっていた。ベタな印象も受けたが、それでも曲が持つ雰囲気を味わう事ができてよかったと思う。ちなみに曲の最後では左上から右下へに向かって流れ星が見られた。見ていた奴はろまんてぃっくに浸れた事だろう。


ただ惜しむらくは曲の最後がイマイチだったことだ。「この愛だけを・・・」と氷室が歌った後、CDでは何か歌っているのだが(歌詞が聴き取れない。誰か教えて欲しい)、それがなかったのだ。あの締めが良いのに。また、その後にある演奏が省略されたのも無念。真矢がクラッシュ(金ぴかの円盤ネ)でシャアアアアアで一気に終わらせてしまったからだ。俺としてはあの余韻がすごい気に入ってるだけに残念だ。公演の時間的なものもあるだろうが、そこは少しだけでもやって欲しかった。


そいでラスト!「Good Luck My Love」!切ない歌詞とメロディーが一体となった、心に染み入る曲だ。バラードなのに、何故か強く叩いてるドラムのリズムが不思議とあってるのが俺的に好みだ。バックの演奏もさりながら、氷室の声も素敵だった。基本的に氷室の声はCDで聴いてるのと遜色ないのだが、生では声の強弱や気合の入れ方が伝わってくる。本当に生きていると感じさせるのだ。


サビで「ぐっぅらぁまぁいでゅりぃ〜む、ぐっぅらぁまぁいらぁ〜ヴ♪」と歌うとこじゃ、「まぁい」に力を入れていた。その部分が頑張って本当に歌ってるなと感じた。こういう声で俺はファンになってしまったんだと改めて思わさせられた。こういう曲を生で聴けたのは、やはりライブに行って本当によかったと感じたゼ。このアンコール三曲は泣く曲じゃないが、聴きたいと思わせるナイスな選曲だった。


さてバラードが終われば、次は当然ノリの良い奴が来るのがセオリーだ。後半に持ってきた「ROXY」やお馴染みの「TASTE OF MONEY」「KISS ME」がきた。やはり「オゥ!テェイストォブマニ―!」と叫ぶ所が楽しい。訳をすれば「金よこせ!」だしな>違う でも皆そこ歌ってる時、腹の中じゃあそう思ってる筈だ!


***


さてまとめにいこうか。今回のツアーは新しいアルバムを発売しないで、突如やる事になった。八月に暴威の曲を中心にやった記念ライブがあったが、それをほぼ継承しない構成であった。曲も比較的新しいアルバムのを行っていたが、バラードでは古い奴をしてたし何より暴威もしていたから比較的満遍なくやったと言える。


目新しい部分はない。新曲はワイルドロマンスぐらいだし、アルバム「FOLLOW THE WIND」にある曲は新曲とはもう言えないだろう。ただし、発表した曲で今迄にやっていなかったのを演奏した点はよかった。主にそれはバラード曲に絞られ、中には過去のライブで既にやったモノも含まれるが、俺は生で聴くのは「LOVER'S DAY」以外では初であった。


もっとも、初期から氷室ライブに行ってる奴からして見れば物足りないかもしれない。新曲は一曲、今までしなかった曲を少々しただけだから。使いまわしの曲に少々変化をつけただけだと思うかもしれない。懐かしいなとは思えど目新しさは感じられないだろう。


そうみると、今回は補完的なライブの印象を受ける。新しいアルバムが発表される度にツアーを組んできたが、長年やってると構成上演奏できない曲が増えてくる。そこでアルバムは出さずにそれらをやるツアーを行った・・・そう考えれば理屈は通る。もっとも、話はそう単純にいえないが。


というのも、一番気になったのはライブ本編終盤の暴威曲だ。ここ数年のライブでやった曲はほぼ同じような曲ばかりで、何度もマンネリだと俺は言ってきた。ところが今回は何度もやってきた曲を外して(例えばジェラシー)、それでも残ってる曲はライブ初盤に移し、代わりに終盤には暴威曲をもってきた。ラストに暴威がくるとは思ってもみなかった。アンコールかと思っていたからだ。で、アンコールには発表曲でライブであまりやらなかった曲を取り入れた。


これらから察するに、今回のツアーでは色々と実験してみようかと氷室は思っているのではないだろうか。お祭りでやった八月の暴威記念ライブがあったせいか、ソロツアーでも自分なりに新しいライブの在り方について模索するようになったと思う。普通なら本編くらいはソロでやるのを、盛りあがる終盤に暴威もってくるし。こういう場面で昔のバンドのを持ってくるのは普通ありえないからな。


それでも暴威は三曲だけだったし、いわゆるサービスのような感じだったから問題はないだろう。これ以上してたら記念ライブの価値が薄れるし、ソロとしてのプライド問題に関わるからな。氷室もさすがにツアーがBVHのミニライブになるのは嫌だと思うだろう。でも逆にいえば、暴威の曲を使用する事によって自分のツアー構成を考え直すきっかけになったのではないだろうか。


つまり「暴威やるなら昔のあの曲もしよか」とか思ったんじゃないか。それで今回はこのようになったと。あくまで俺の考えにすぎないが(深読みかも)、それはそれで良いと思う。少しずつでも変化があればマンネリという事は言わなくなるだろうし、何よりライブが面白くなる。次回のツアーがよくなる兆候になってくれればこの上ない。でもこれって期待しすぎかな(笑)。


でもまあ、個人的に言えばバラードコーナーが二つもあるとは思いもしなかったし、初のお目見え曲もあった事からすげえ満足だ。帰り道はニヤニヤしまくりだったよ。リボルバーが・・・グッドラックが・・・とか思い返してばかりだった。会場のノリも良かったし。少々バラード関係で手拍子してたのが気になったが、それでも自重してくれた曲もあったから助かった。


また初盤でのノリのいい曲をガンガンしてくれたのは楽しかった。「WILD AT〜」をいきなりするのが決め手だったよな。かつては終盤でやってたのを前倒しでしてくれると、何となくだがライブの濃度が濃くなる気がする。気のせいかもしれないが、そういう勢い的なものを感じられるからつい評価してしまうんだ。


ノリのいい曲が少なくなって不燃焼な奴もいたかもしれない。それでも全体的にまとまってるし、おまけの暴威曲もあったから、良いライブだったと思う。まあ暴威の「ONLY」や「NEW YORK」で大声を出しただろうから問題ないだろうけどな。俺はやっぱバラード七曲だな。これだけでもうメロメロお腹イッパイだ。長年聴きたいと思ってた曲が聴けたから感無量ッス。


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〈こぼれ話1〉
今回もお隣さんはマダム。何故か最初から最後までハイテンションにならなかった。皆が盛りあがる中、極めて冷静な眼差しで氷室を観察しまくり。多分ファンじゃないと思う。なのに一人で参戦。何故来たか謎ばかり残る。


〈こぼれ話2〉
前の通路で車椅子に乗った男が二人いた。立つ事ができず、又周囲によって氷室が観づらいにも関わらず、それでもライブに参戦するとは気合の入った奴らだ。本当に氷室が好きなのだろう。熱い気持ちを感じたゼ!


〈こぼれ話3〉
グッズ販売コーナーで、ジュースがKHのロゴ入りカップ付きで売られてた。値段は300円。ついにこういうのにまで手を回し始めたか。それにしてもスポンサーが「すかいらーくグループ」だったのは驚いた。クロムハ―ツと比べたら・・・。


〈こぼれ話4〉
グッズ販売コーナーで、昔のライブビデオ(ネオファッショとか)が定価(5950円だったような)で売られていた。よっぽど余ってるのだろうか。前回のツアーでもそれ見たのだが。というか、早くDVD化にしろよ。


〈こぼれ話5〉
基本的に俺はツアーグッズは買わない。買ったとしてもストラップとかキーホルダー、気が向けばパンフぐらいなものだ。だが今回、心の琴線に触れたグッズがあった!さんざん迷ったが、やはり買ってしまった。それはな、

買っちゃった

これだ。しかもAタイプBタイプの二種類だ。荷台はパカッと開けるし、外す事もできるんだゼ!格好良い!もうブーブー言いながら前後に動かしちゃってるよ。真のファンならこれは絶対に買う筈だ・・・そうだろ?>違う


〈こぼれ話6〉
「NO. NEW YORK」の間奏の時、本田がいきなり背が高くなってた。だがよくよく見れば、アンプの上で仁王立ちをしていただけだった。奴は髪の毛もおったたせてるが、そんなに背を高くしたいのだろうか。何かコンプレックスでもあるのかな?>ない


ライブレポはこんなものだ。最後まで見てくれた奴はサンキュ。楽しんでくれたか?それじゃまた会おうな!