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 南泰裕さんと 建築あそび 5−3


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実際にはかなり難しいんですが・・と思いまして例えばこの水回りの空間っていうのは、外部と内部の緩衝スペースとして、配列論的に置かれているんですね。

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これは反対側から見たろころです。こちらの上の方にトップライトが有りまして・・「お風呂は非常に気持ちいい」ということでお母さんとお父さん非常に喜んでいる。それはまー良かったなと

☆スライド26

               

これは和室ですね。バリアフリーはですね。中途半端な段差が非常に危ないので・・5センチ10センチ上げるよりも、むしろ・・お年寄りの方には思い切って上げた方が逆に安全なんですね。ここは30センチ上がってるんですが・・。
畳があって板の間があって、収納がある。お父さんお母さん面白い方で、ここにハイサイドライトの内側に障子が入ってですね。ここまでが1.9mですね。そうすると「ここの障子に手が届かなくなるので、止めた方がいいんじゃないか」と言ったんですけど「いや届かなくていいんだ」っていうんですね。「安全志向で普通になるのは一寸嫌だ」というんですね。実際に入ってみるとこっちに方が確かに良かった。

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これはキッチンのほうから向こう側を見た図で、ここいにハイサイドライトを取っていています。

構造的にはですね、鉄骨の純ラーメン構造で・・。両側の壁の中に柱が入ってますので、空間としては完全にフリープランでどういう風にもいじれると。つまり間取りを自由に出来るわけですね。そうすると、純粋に配列の問題になって、例えば和室を何処に置いてキッチンを何処に置いて、リビングとダイニングがどうなって、という風なことで・・その配列自体は極端に言うと無限というか、完全な自由な状態に置かれますので・・そいいう意味では、あるフレームを決めて、フレームの中を配列論的な最適解を求めて、無限の組み合わせの中から選んでいくという作業になっていくわけですね

☆スライド28

               

これはキッチンです。あるメーカーのシステムキッチンですけでも。カウンターはタモの集成材。で・・いろいろ建て主さんとお話しているうちに、「やっぱり光が入るってことは非常に重要だ」と。都市の中で・・このあたりはそれほど建て混んでもいないんですけども、「普段から光を感じ取れると」いう事が重要で、なおかつある部分において、「やっぱりプライバシーを徹底的に守らなといけない」という要望もある。そのせめぎ合いということがあるわけですけれども。そこでこのあたりとかは・・ブラインドが入ってないような高窓を取ってですね。それが非常に明るくて、尚かつ都市の視線を遮る事が出来てるので、昼間はほとんどライトをつける必要がないんですね。それは非常に良かったと思います

☆スライド29

                

これはさっきの・和室になっていて。これから広間があってこの奥に玄関がある。この障子の組子が断面寸法が4.5×12ミリでやってみたんですね。それは職人さんがそれで出来ると言うので、実際やってみると非常に細くてですね・・なかなかよかったです

☆スライド30

                

これ玄関のドアのところですね。この奥に水回りがあって。

☆スライド31

               

これはまた 玄関のところを見たとこですね。

☆スライド32

              

これは下に間接照明を入れたとこですね。

☆スライド33

              

これはさっきの寝室の所です。ニッチの間接照明を付けた

   会場 画面が全面明るくなりスライドケース1本終わる

     一寸 休憩・


☆スライド 34

              

これは子世帯の所の 土間玄関の所の上のトップライトのところです。設計期間が・・建て主予算の調整とかいろいろ事情とかありまして、永くなりまして1年ぐらいかかってしまったわけですけども。

住宅を作るっていうのは、建て主さんにとっても有る意味非常に大きな事っていうか、実際にお金が非常にかかりますし、土地と建物合わせますとホントにお金がかかるし・・一生モノっていうところがありますから・・建築家の立場からしたらそれに対しては非常に大きな責任を感じるわけですね。

自分の職能に対して何処まで忠実になにが出来るかっていうことを・・プロである以上考えますので、極端に言うと命がけというか・・その高いお金を出すっていう事に対して向き合わなといけない・・一方でせっかく創るんである以上は・・お仕着せの空間でないものを、その人にかなった、適した、或いはその人をもっとよりよくさせていくような空間は何かなーということを実際に考えて・・創っていく過程ではなにか、少なくても、僕の場合は自分の作品かどうかっていうことが、途中でドウデモよくなっていった部分もあるんですね。

なんて言うか、ホントに空間創るていうことを施主と一緒に共有しているとそれだけでお互いにゾクゾクしてきて、お母さんが設計をやて現場が始まるとそれだけでもー「生きる勇気が湧いてきて元気になってきた」というふうなことを言っていて、それは凄くよかったなーと思っているんですが・・。

これは子世帯土間玄関の収納が全部黒板塗装になってまして。緑色の黒板です。ここに鉄棒が入ってまして、これも小学校を解体した時に出てきた鉄棒をですね・・。ここの御主人が鉄棒を使って逆上がりしたり。或いはサンドバックを吊したいと。木造の住宅だとなかなか鉄棒強度的に恐いんですけど、溶接しちゃったんでここは100kg以上のものを吊しても大丈夫と・・「子供のブランコを吊そうかな」と言ってましたけれど・・。


☆スライド35

              

これが子世帯の居間ですね。天井高2800mmで職人さんには「2700mmにしてほしかった」と言われたんですけども。2700mmですと3・6版で材料を使い切れますから

・・ここはリビングというか大広間になってまして、和室があって200mm200mmで400mm上がって・・ダイニングですね。ダイニングの掘り炬燵テーブルで作りつけの板をテーブルにして付けてみたんです。こちら側に対面式のオープンキッチンが有って、向こう側の開口部があって・・向こうは隣地の庭なんですけども・・、ここは「借景で使いえるなー」と思って、ここ全部開けたんですね。そしたらまー結構いい感じになった

☆スライド36

            

これは子世帯の方の和室ですね。ここは方丈畳を使って9スクウェアー。9分割になってますますけども、こういう所に一部古材を使ってまして、佐藤さんにも書いていただいたんですけども。こちらのご主人がたまたま奈良県の吉野の方の村にツテがあっもので、「奈良県の民家を解体して出てきた古材を再利用したい」と。それを一部利用したいという話がありまして・・一緒に奈良県の吉野村まで行って木を見た来てんですね。一応調べて・・

吉野っていうところは吉野杉で有名な所ですけれども・・実際には杉だけではなくて、栗とか松とか使われていまして、これなんかは民家で使われていた垂木なんですけども、それを一部転用したんです。

その過程で建て主さんもせつかく作るっていうんで、建築にダンダン興味を持つわけですね・・例えばルコルビュジェという非常に有名なフランスの建築家がいるんですが、その方の作品であるとか、安藤忠雄さんの建築であるとかですね・・いろいろ一緒に勉強していくわけですね。

その過程で「和室にしたって、せっかく作るんだったら、日本の伝統的な空間も勉強しよう」と、デスカッションしまして、「こうなったら京都に見に行くしかない」ということで、京都の千利休の茶室とか一緒に見に行ってですね。

本来見れない利休の茶室を中まで見せてもらって、そうすると、千利休の妙起庵・待庵という最も有名な、千利休の茶室としては唯一の遺構としてとしてあるものを見に行ったんです。豊臣秀吉の行いをいさめるために、千利休が作ったと言われてる茶室ですね。

その後千利休は豊臣秀吉の逆鱗に触れて割腹を命じられるっていうふうなことになるわけですけれども。こえは非常に詫び寂の簡素な茶室を作るわけですね。二帖。今の寸法でいうと ここは、一間半、つまり2727mmの立方体よりも小さいですね。天井高も低いです。

たった二帖だけの茶室の空間っていうものを京都の山崎という所に作っておりまして、それを実際僕は見に行ってその中の空間を体験したら、2帖しかないのに「ものすごく広く感じる」んですね。

その他の空間的な工夫であるとか色んな事を千利休はやってまして、この和室は別に茶室ではないんですけども、「なにかそういったものを少しでも入れられないかなー」ということを考えながらやっていた

☆スライド37

              


これがその一部ですね。古材を使いながら、棚柱を付けて違い棚を付けるというカタチにしました



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