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 南泰裕さんと 建築あそび 5−4

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  ☆スライド38

      
              

こ横だね・・一個もどしてもらえます。スライド37へ戻る
    
            

大きさとしては四帖半なんですけども、天井高2500ぐらい。天井としてはかなり高いですけれど、・・ちょうど施主の方とですね・・いろいろとにかく「古いモノを見ておこう」ってことで一緒に韓国の方へ旅行へ行って。青磁とか古い陶器とかも一緒に観たんですね。古美術店街に行ってですね。

そうすると韓国では青磁を作るための粘土が全く採れないので、青磁は凄く高いのですね。基本的に「本物の青磁は国外に持ち出し禁止」になっていて、その青磁の色が非常に良い色をしていたので、壁はですね青磁色の白を使っています

それで・・和室の形式としては実際に奥が深くて「真・行・草」というかたちで、形式を重視したものと、それを意図的に崩したモノといろいろあるんですけれども・・、千利休の当時の茶室というのは、当時にとっては最も前衛的アバンギャルドだったんですね。

それまであったような形式を敢えて崩して新しい方法論とか手法を確立するというようなことで、そういう形式を形式を転倒して尚かつおかしくない・・良い空間というもの可能性が出来たらということでしました

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これは子世帯の方の水回りをキッチンの方から撮った写真ですね。ここは黒のモザイクタイルにして、さっきの親世帯の方は・・天井高と光の入り具合から床のモザイクタイルを白にいしておいたんですけれども、こちらの方は黒のモザイクタイル。

例えば空間の意匠とかデザインとかを考えた場合に・・なんというか・・自分の趣味でこういう風にしたほうがいいとか、さっきのアドルフロースの話じゃないですけど、ここに装飾しようということは基本的にはやらなかったですね。

僕としては「やる必要はない」と思ってましたので、その空間にとってもっともふさわしい素材と形式とそれからプロポーションは何かっていうことを・・いわば最適解を・・求めるようなかたちで考えて行って「ある種オートマティックに素材とか寸法というモノを決定できないかなー」というふうなことを考えていた経緯があります。

そのあたりは設定することが難しいので、これだっていう風な・・短い言葉でなかなか言えないですね

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これは水回りの方からキッチンを見たところですね。こないだ遊びに行ったら「お風呂に入っていけ」と言ってくれて・・・ぼくも自分で設計して使ってみたら、自分で言うのもなんでけど気持ちがよかったので

           会場 笑い

まーよかったかなー」と思っているんでけど。キッチンの上にハイサイドライトを取ってみました。仕上げに等に関しては親世帯と子世帯は、微妙な鏡像関係をもって、しかし微妙に差異を有してるようなカタチで考えている

ここに床下のハッチが有りますね。これも最初意図してたわけではないですけども、床下の懐・・かなり取れるということで、現場で職人さんがそのぐらいはやってあげると言ってくれたんで・・・

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これは水回りの所ですね。上からトップライトの光が来ますね。トップライトは上手く取らないと夏殺人的な暑さになり恐いので・・どの程度光を入れてなおかつそれを遮るかと考える。ここにガラスの棚が入っています

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これもその一部ですね。昼間は非常に明るいので・・

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これは、キツチンからダイニングを見た。ここにお見せした写真の・・模型がありますね。この上が吹き抜けになっていてブリッジに成っていて。

建築を作るということは非常にお金がかかりますから・・。それをどうやって工夫して「最もふさわしいお金で良い空間を作れるか」ということを考えるわけですけれども・・
一方で一生モノの買い物で、値切ればいいといいと いう物でも無いところが有りまして、非常に難しくて、あんまり極端に値切っちゃうと質の低い、建築になってしまうとかですね・・いろいろな問題がありまして・・・

の時も建て主さんと徹底的に議論し続けたですね。

例えば分離発注ということとかですね、オープンシステムということが言われるようになって、その可能性を検討されてはいるんですけども。要するに工務店を通さずにそれぞれ別の下請けと直接契約をしてやる方法とかですね・・或いは出てきた廃材をうまく使うとか。

設計の段階でシスティマチツクにやることによって上手くお金を落とせないのかとかですね・・いろいろ考えて検討はしたんですけども・・僕に関して言うと・・建て主と検討した上で、少なくても・・「分離発注は一寸やらない方がいいかなー」と総合的に判断して、結論を出してやらなかったんですけれど。

どうしても複雑な構築物ですから、全体を統括する現場監督がキチンと見ていないと、どうしても建築がボロボロに成っていきますので。とにかくそのー・・能力のある建築家と優秀な現場監督が非常に重要かなと・・改めて痛感しました

これは施主が支給したテーブルなんですけれど。建て主が屋久島に行って買ってきたんですね。樹齢1500年ぐらいの一枚板のテーブルをドント持ってきて「これ使いたい」と言うんでそれを造りつけにしました

天井高というのは2800というのは住宅としては高いわけですね。だいたいハウスメーカー2400。最近のハウスメーカーのトレンドは2600ぐらいと言われているんですけども。サッシなんかも2400に合わせて作られてりしていますけど、実際には2200以下だったりするわけですね。なおかつ吹き抜けがあってですね、空間が繋がっている。

とにかくオープンな空間を作ってほしいということをすごく言っていて、お子さんが三人いらっしゃるんですけども、「人の気配が常に分かる空間にして欲しい」という施主のリクエストとしてあったんですね。子供が小さいということがあるし、子供が閉じこもってしまって親と全く話をしなくなるモノいやだし、「全部つながってる空間がいい」と言うんですね。一番上が女の子なんで「せめて一寸ぐらい閉じた方がいいんじゃないか」と僕が言っても「嫌だ」と言うんですね・・基本的に全部つながっていて、オープンな空間になっている。

寝室以外あるいは水回り以外は空間が一体になってまして。そうすると、音が凄く響くんですね。音が木霊して残響時間が長い空間が出来上がる。

それは空間の質を計る一つの尺度になるんですけれども。残響時間というのは空間の気積に比例しますから気積というのはボリューム、体積のことなんですけれども。それに比例するので、閉じられていない空間が大きいとですね、残響時間が比例して長くなるんですね。

残響時間は表面積に半比例して体積に比例しますから・・音が響く空間というのが「結構悪くないなー」と・・ただし空調効率は悪くなるんですけれども、何を優先するかということを考えた場合に、僕の個人的な考えですけれども、例えば一寸ぐらいの暑い寒いっていうことは、空間ののびやかな気持ちよさにはやっぱり変えられない。

例えば光が入ってきたり、或いは朝起きたときに朝日が入ってきて凄く気持ちのいいかたちで朝ご飯を食べるとかですね。そういったことに・・比較した場合に、エアコンがよく効くとか暖房がよく効くとか、決して優先順位としては最初に大きく持ってくるモノじゃないかなーと思います

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これはブリッジの上の所ですね。FRPのグレーチングを敷いて、鉄骨の梁を出してますけども、ここは最初ガラスにする予定だったんですが、一寸そこまで予算がおっつかなかたんですね。

それか吹き抜けの上のところですね。ここに階段室のトップライトが有りますここから光が落ちて来ます


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これは寝室の一部ですね。これは奥さんと御主人の意見が違いまして、奥さんは「ベットで寝たい」っていうんだけど、ご主人は「布団でみんなで大の字なって寝たい」とか言っていて、一応両方対応出来るようになってます。

ここに収納があって、棚としても使える。通風の為のジャロジーがある。なにかニッチのような形になっていて・・壁がなにか・・佐藤さんが書かれてましたけど、いろいろルールを違反してるよう なかたちに一見、見えるわけです・・

ここは壁の仕上げとしては先ほどお話しましたように、鉄骨のラーメン構造で、150mm角の柱が入ってるんですね。その外側に、スチールのチャンネルが75ミリが入っていて。クリアランスが25ミリあってその外側にボードを貼ってそれから防水をして、その外側にガルバリュームといわれている金属板を貼って。内側は軽量鉄骨が入ってましてプラスターボードを貼ってクロスを貼る。

そうすると壁が厚いんですね。このあたりのところだと壁が・・300ミリぐらいになって、薄くするっていうのは 多いんですけど。こういう風に作ってみると壁が厚いとそれはそれで「一つに可能性を持つ」というか・・言ってみれば、薄い一枚のペラペラの壁が立ち上がるっていうよりも、むしろもう少しボリューム感のある壁が実体的に立ち上げられて来ると「これは上手く使わないともったいないナー」という・・

施主の方に言われるんですね。とのかく「壁がもったいない」と。
さっきの内部と外部を分かつっていう話のなかで、緩衝スペースを設けるって言ったんですけど、「色んな次元でバッファーゾーンを計画して行くことが出来るんではないかな」ーということは考えました。

こういうにしちゃうと少し遮音性とか断熱性とか少しは悪くはなるんですが、壁を掻き取っていって、そこをレリーフのように作り込む事によっって空間に表情を付けて行くということを考えていました。また、そうすることによって棚や収納としても使えるようになるわけです。


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これは鏡台ですね。今の所を逆側から見たところです。
      
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これは階段です

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これはブリッジです

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これトップライトです

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これは2階の子供部屋ですね。作りつけのテーブルが有って、ここにも鉄棒が入っていて。将来的にはカーテンレールが埋め込んであるので・・区切れるようになってます。

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これは階段を上った所でここに作りつけの収納が有る

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子供部屋からギャラリーの方向を見たとこですね。3段。210ミリだから630ミリ上がった所にギャラリースペースがある。スキップフロアーになっていて段差があるんですけども・・このあたりは収納。ここも壁に埋め込んでニッチを取って、本棚を作って。

さっきロースの話をしたんですけど、ロースというのはいわば平面図だけでは空間の読解が非常に困難な、断面方向に抑揚を付けた、段差であるとか高低差が非常に複雑な空間を空間を作り込んでいったわけですけれども。


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