金沢  ことば悦覧 2008年春   home 

  林野紀子さん ことば悦覧  2時間23分    

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        4月28日 pm3〜 CAAK (カーク) 1階 和室6帖
 その01 0分〜 15分05秒

佐藤はじめまして
林野:は〜い
佐藤:ことば悦覧って言って、全国の  独立して 建築事務所を始めようとしている、30前後の人を、インタビューして歩こうと

林野:はい
佐藤:急に、急にでもないんだけども。決めて
林野:はい

佐藤:それで東京、先週じゃない4月8日に石川卓磨さんに会ったらば「林野紀子さんに会え」と 林野わらう 指示が出たので 林野けらけらわらう 「あ あ そうでございますか」と言うことで、連絡してここに来て。こん あぁ  感じに成っているんですけども

林野:はい
佐藤林野さんより先に、僕がこの家に来て、朝寝をして 共にわらう
林野:すみません、お迎えもせずに
佐藤:こんな感じで、初めて。尋ねて来たのに。尋ねて

林野:来られている
佐藤:なにか新鮮な感じで、妙な 感じなんですけども。それで。設計事務所は、独立されたのは何でですか?と言うような事から
林野:はい
佐藤:お伺いして、いろいろ発展して行きたいと思うんですけれども。まずはプロフィール。これ全部文字起こして、WEBに公開しますので、差し障りのない処で 林野わらう 

林野:差し障りの無いところで
佐藤:どこで  とれたとか 

林野:わらいながら は〜い。
佐藤:どこの学校出たとか、一応わからないと。読み手や記録としては判った方がいいな〜と思うので。お生まれはここ(金沢)ですか?

林野:いや。生まれは、山梨県の甲府市
佐藤:あ!名刺に住所 かいてありますね
林野:そうです
佐藤:、そうですか

林野:甲府市の  割と中心部の方なんですけども、実家がぶどう園を してまして
佐藤:え!葡萄園
林野:ふ ん
佐藤:あぁ、じゃー農家って言うことですか?
林野:兼業農家って言うんですかね。おばあちゃんが ぶどう園をやっていて。父は 勤人なんですけども

佐藤:ああこれですね。と名刺をみる 東光寺町
林野:はい
佐藤:ここは、実家で
林野:正確に言うと、事務所の置いて在るのは、実家の裏のアパート

佐藤:あぁ、じゃーこの  近所で生まれたんだ
林野:そうです
佐藤:お寺がある所なんだ
林野東光寺ってお寺があって

佐藤:そうですか。そこで生まれて、それで
林野:ずーっと18才。高校卒業するまで、一回も引っ越しもせずーっと  そこで
佐藤:地元の高校ね
佐藤:気楽に コタツの紙キレをとる

林野:ごめんなさい汚くって
佐藤:いいえ、炬燵があるので、自分 チ じゃないの勝手に
林野:ぜんぜんかまいません、お好きなように

佐藤:それで、山梨県で高校まで、それから大学はどこへ行かれたんですか?
林野:それで、大学は1年浪人しまして、東京大学に行ったんですけれども。でも最初っから建築学科だったわけではなくって。文学部に。

佐藤:文学部は何文学を?
林野:文学部の、なにか、東大は3年生に成る時に決まるんですね。細かいコースが
佐藤:歴史やったり、仏文やったり
林野:そうです
佐藤:日本文学、アメリカ文学。あそう3年にいる時に決まる

林野:決まる
佐藤:一般教養というのを2年履修するんだ
林野:そうなんです。でまオオザッパに文三と言うのに入って。でま〜将来なにやるか判らないままに、こ う〜 1年2年何となく過ごして 佐藤わらう 共にわらう
佐藤:一般教養
林野:一般教養やって、3年に成る時に。実は私は社会学とか やりたかったんですけど。あれって 何か1年2年の成績で こう 佐藤けらけらわらう 決まるんですよ。
佐藤:成績良くないと入れないんだ、ああ そうなの

林野笑いながら 成績良くなかったんで。どう言う仕組みだったかな〜。シンフリかなん。進路振り分け
佐藤:はぁは はぁ
林野:第一希望に行けなくって
佐藤第一希望は社会学だったと。

林野:社会学。 そうとう ノンビリ してて。
佐藤:上野千鶴子さんは居たんですか もう。
林野:当時はまだ いらっちゃらかった。それで、に友達とバックパッカーの貧乏旅行して秋休みってあるじゃないですか。9月に。

佐藤:俺大学行ってね から  わからない わらう
林野あるんですよ。そんで、進路振り分けと重なっているにも関わらず。まぁ希望だけ出して、行ったんですよ  旅行

佐藤:どこ行かれたんですか?
林野:それは、生まれて 初めての海外旅行でエジプトとか
佐藤:りゃ また?

林野:そう
佐藤内陸部まで上陸
林野:そう。行ったんですよ。それで、なにかとか出て大変だったんでけど。
佐藤:はあ はあ
林野:なにか とりあえずギリシャとか、文明発祥の地に行こう、みたいな感じで。

佐藤:いきなりアフリカ大陸ですか
林野:そう 佐藤げらげらわらう 共にわらう
佐藤:すごいカルチャーショックを受けるよね ががーっと受けちゃうよね

林野:そうなんですよ。でも凄い田舎育ちの世間知らずなのに。凄いだまされて、なけなしのバイト代 トラレタとか。ばく進 し

藤:よく お金ありましたね
林野:それは
佐藤:5〜60万円かかりそうだ
林野:全然そんなに掛からない

佐藤:あ そんなにかからないの、飛行機代は?
林野:当時は円高だったんですよ。
佐藤:はぁはぁ
林野:1ドルたしか10円なんかいかなくって 90円代
佐藤:ありましたね。80年代  あったね

林野:しかも学生だから1泊300円 とこに居たので わらう ドミトリーみたいなのみんなで泊まって。それで飛行機もモスクワ経由ですか。
佐藤:あ ああ〜
林野:本当に一番安いので行ったんで、さ〜んじゅう ニチ ぐらい行っていたのに。20万円掛からなかった
佐藤:電車じゃなくってそれですか。飛行機なんでしょう わらう

林野:行きは飛行機で、中は電車とかも一杯使っている。そうなんですよ、話を戻すと
佐藤:ナイル川 に〜
林野:そう、ふ ら〜っ
佐藤:ナイル川のぼるって、ジェット機で行かないと、カイロからだと、王家の谷とか遠いじゃないですか
林野:それは当時何か、イスラム原理主義の テロの襲われてるから
佐藤:ありましたね
林野:飛行機の方が絶対いいって。誰かにアドバイスしてもらって。それは飛行機で行ったんです

佐藤:そうかそうか
林野:お腹壊して 倒れちゃって
佐藤: みず だ!
林野:そう 吹き出し わらう

佐藤:水 か ぱぱか 呑んじゃったんだ
林野:だから行ったことは行ったけど、記憶が お でなんとな〜く しか覚えてないんですけど。
佐藤: 痛くって
林野:何か ぼーっとして
佐藤:カルチャーショックと 暑いから

林野:脱水症状みたいなのがあって。
佐藤:40度とか50度とかありました
林野:はい。そうなんですそうなんです

佐藤:
50度ぐらいになると。足し算 雲〜 出来なくなるって言ってましたからね。わらう

林野:つうか 9月だからまだ、すーごい暑くって。そんな事全然わからないから。もう行き当たり バッタリで。行って。
佐藤:もう なにか、ダイレクトに 体で感じるしかなくって

林野:
そうでした。でも雰囲気とか、臭いとか。

佐藤:人間の体って、10度ぐらい ちがっただけで、世界が違っちゃう
林野:う〜 ちがい ますね〜。あれは強烈でした。そんな事やっているうちにですね。まんまと第一希望には落ちてたんですけども。 共におおわらい 旅行に行っていたら、知らなくって〜。

佐藤:
なるほど。それでしょうがないよね。
林野:それで帰って来て、大学へ行って。はりだされるんですよ掲示板に。
佐藤:ふんふん
林野:それ見たら、あ、「無い」と。「ど〜しよう かな」 と思って。でもまだそのそこは子供だったので

佐藤:写真撮りますね、撮っていいですか
林野:いいです。
佐藤:適当に。カメラマン居るといいですけどね。喋っている処を適当に撮ります
林野:はい
佐藤:あまり上手に写さないですけど。だれかツーショットしてくれる人居ないな〜

林野:そのうち、若いのが帰って来ますから
佐藤:じゃ! その人にお願いしてと。それでまんまと落ちちゃったと。
林野:落ちちゃったんですよ〜進路が変わると。先の人生が変わると言うことが、あんまりピント来てなくって。私自身。「まずは いいか〜」と思って。次に「じゃー何目指そうかな〜」って、考えて「美術史」って言うことろに出したんです。
佐藤:美術史ね
林野:それはたまたま、何か

佐藤:美術史っても ひろーい ですよね。広すぎてエジプトへ行ったら戻れない
林野:そうなんですよ。まさにエジプト彫刻も、授業があったし。もちろん日本の浮世絵もあったし。全部一色たん なんですけど。「入って 決めれば いいか」と言うのもあって
佐藤:ふんふん
林野:なんとなく。だから凄くこう、自分から積極的にと言うんじゃなくって、結果的に流れ着いて。美術史に行ったんですけど。

佐藤:ああ そうか  そうか
林野:はい。でもなんとかそこで留年はせずに
佐藤:3年生に成った 共に けらけらと わらい とりあえず美術史だ。それは文学部ですよね。
林野:文学部 佐藤わらう まあまぁ めでたし めでたし かな?

佐藤:文学部の美術史へ
林野:でも私は、家も普通のサラリーマンだし。大学は4年間いらた直ぐ就職をするつもりだったので。
佐藤:ふんふん
林野:逆に学部はそんなに、あの「どこでも一緒だろう」と言う気も有って。どうせ2年間勉強して、会社に入るんだったら、社会学でも美術史でも

佐藤:教養を身につければいいと
林野:うなんです。それは軽く思っていたんですよ。ところがその時の何か選択がけっこう さとう おおわらい 後々響く 共にわらい そうなんですよね〜。
佐藤:美術史だっ 軽い乗りで 美術史はいっちゃったわけでしょう?
野: う?

佐藤:軽いのりで入った
林野:そうです かまわずに
佐藤:いですね〜とんでもない世界に踏み込んでしまった。
林野:踏み込んでしまったんです。そしらた、けっこう学科によって雰囲気が全然違って。社会学なんかやっている人達は、もう就職の事を考えて居るんですね。3年に成った時に。

佐藤:あぁ
林野:だからゼミとかも一生懸命やるし。「こう言うことをやったら、こう言う事に自分のアピールが出来て」みたいな事を考えてんです。
佐藤:うん
林野:でも美術史って。ほんとに 浮世 離れ した 人達 
佐藤:それはそうだよ
林野:ね。 わらう 学者に成る  ような人。大学院行くって当たり前で、就職する人は「勝手になってね〜」みたいな。  もう凄い独特の雰囲気で。 でまた私が世間知らずだったんで、その雰囲気に 呑まれてしまって

佐藤:ふ−ん浮世離れして行くわけだ
林野してないですよ 共におわらい
佐藤:浮世離れするじゃな〜 い  げらげらわらう
林野:ほんと〜 そのとおりなんですよ。それであの〜 最初に3年成った時に見学旅行みたいなのが・・。何かバスで学生、3年生全員を連れて仏像とか見に行くんですよ
佐藤:京都とか

林野:京都
佐藤:ははは
林野:珍しい、その仏像を観にお寺に行ったり。後は巻物を観に行ったり
佐藤:おもしろいですよね
林野:おもしろいです

佐藤:ドンドン 浮き世から離れていく〜
林野:でも。先生がまた凄くって 佐藤わらう 何か「何時にその仏画の前に集合」とか言うんですけども
佐藤:あぁ
林野:椅子を持って集合」とか言うんですけども。つまり立って観てる時間じゃ見切れないから、一つの絵を1時間 2時間 

佐藤:ずーっと観てるわけですよね
林野:ずーっと観てろと    でも そういう世界で
佐藤:仏像だって光 がドンドン変化するから、表情がドンドン変わる
林野:寒い日は 内 ばっかり わけ解らないですえけども。とりあえず先輩とかがそれ観て、単眼鏡とか こうやって(覗く仕草)見たり。 「ふ〜」とか言っているので
佐藤:細かく一杯書いてあるからね
林野:まさかこ〜う。ちょっと飽きた雰囲気を出せず
佐藤:はあ はあ。
林野:ドップリ浸かる
佐藤何が面白いかも判らず

林野:分かんなかったです、最初は
佐藤:やっぱりね〜
林野:でも何となく「西洋美術をやろう」と思っていたですよ。ていうのは
佐藤:西洋美術っても  茫漠としてますね

林野:また茫漠としてるんです わらう 
佐藤:西洋美術ってヨーロッパですかアメリカですか?
林野:ヨーロッパそれはミーハーさんで

佐藤:近代のゴッホだどか印象派みたいなもの
林野:でも段々やっている内に、日本美術が凄い面白いな〜と思って。後から考えると。日本美術をやれば良かったんだけど、

佐藤:日本美術のどのへんですか?鎌倉とか
林野:色々あるんです
佐藤:ありますよね
林野うん
佐藤:全然違うじゃないですか

林野:やっぱり先生達も凄い浮世離れしてから。江戸時代とかをやっている人そんな最近の事はやっちゃいけない」みたいな雰囲気なですよ。つまり平安とか仏像とか、本当の日本のもう古いもの が奔流(本流)みたな感じなんです
佐藤古代から中世こそが日本だ、みいなことを言っちゃうわけね。わらう
林野:ちょっと江戸の浮世絵とかね、見直されて

佐藤:日本古代の王侯貴族のものじゃないと文化じゃないみたいな事をいっちゃうわけね 、吹き出しわらう すごいな〜
林野:微妙な対立もあるんですよ

佐藤
:あり しょうだ
林野:もちろん そういう感じなので。西洋のしかも近代をやいたいとか言うと。もう凄い周辺の かんじなんですよ
佐藤:あ〜あぁ〜 その人達からすれば周縁なんだ

林野:周辺ですね
佐藤:あっちイッテなさいみたいな感じで
林野:なにか居場所が無いみたいな
佐藤:日本の明治とか大正とかの美術だったら、ほとんど相手にされてないわけね

林野:最近はやっている人も居るんですけど。でも美術史も色々あって。それは凄くつまらない分野だけなんですけども。美術史がやりきれない周辺の事を、違う学科の人がやってたりして。表象文化とか、美学の人達とか。だから「近代やりたいんだったら、表象へ行きなさい」みたいな

佐藤:なるほどね 。美術史は 中世以前のお公家さんたちのやっていた、ああいう世界なんだ。極端だな〜

林野:
もちろんエジプトとか良いですよ

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