金沢  ことば悦覧 2008年春   home 

  林野紀子さん ことば悦覧  2時間23分    

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 08

林野:でまあそれに対して 町家を今度は商業利用しりょうとしてる人達も居て 我々はそういう欲望ないんで、逆にちょっと居てくれるといいかな〜と
佐藤:政治家も関わるんですか
林野:今のところ政治家はいないですね
佐藤:いないんだ 
林野:いないです

佐藤:ジョブショップ ジョブトレーニングもやろう〜仕事を何かしようという人は居ないんですか
林野:その方向はまだいないですね 色んな方面で何かやりたい人はいて
佐藤:老人に町家をみまわってもらって一回500円とか支払う、運動と仕事を兼ねて調査員になってもらうとか 

林野:うふふふふふ
佐藤:老人対策と町おこし調査隊 そう事も可能じゃないですか
林野:可能ですね ここに居ると 何か人が入って来られて 年配の方とかご老人が 凄い一通り説教されるんです 何か判らないけど 「この町家はこんな事してだめだ〜」みたいな
佐藤:愚痴を聞いてあげるかんじか 町家保存系愚痴聞き係
林野:愚痴係 ふふふふふ
佐藤:それは社会福祉に関わるね市役所から支援されちゃうかもしれないね
林野:私とかはあんまりあれなんですけども、さっきの野田君とか人が良いんで、30分ぐらい聞かされる
佐藤ふふふふふ、如何にそういう自分たちが作ってきた街に対して語りかける対象者が居ないかが判るんだね 町内会とかは

林野:あるんでしょうけどね 
佐藤:あんまり機能してないのかな〜
林野:どうなんでしょう 
佐藤:山梨県から来ているんだから 昔の話聞かれても困るよね
林野:ちょっと。でも町の人に対して開いているから どうしても気になるのかな〜。昔はお店やさんだったらしい
佐藤:若者が出入りしてるからとか あるんじゃないんですか

林野:そうかな〜
佐藤:目の前の道路 自動車よく停車しますね
林野:凄いとまるんですよ
佐藤:朝寝してたら、向かいで工事も始めるし もの凄い騒音で何て賑やかな処だ〜、向かいで道路掘っていたんで
林野:ゴミの日になると ここが収集場所なんで、出て行けなくなるんですよ

佐藤:ゴミだらけになる! ゴミも人もドンジャカ集まって来る場所なんだ。凄いところだね。
林野:そう 色んな事が集まって来る 
佐藤:へーえそうか〜 問題が勝手に向こうから!集まってくれば完璧だね
林野:何か集まりそ〜 はははは 洗濯機とかも集まって来ているし 

佐藤:2年半前に金沢に来たんだけどその時に思った 朝の6時頃着くじゃないですか、そうすると 居場所が無いから待合いに行くじゃないですか。そこにはアル中の人が一杯いたのね
林野:へーえ!
佐藤:今回来たら居なくなっていたね 住みにくい町になったな〜と金沢もと思ったの。前来た時は長いすが置いてあって、テレビがあってNHKの番組が流されていた。長いすが取り払われて 何かもの凄い座面のチッチャイ座り心地の悪い、一人しか腰掛けられない 椅子が置いてあった。 隣の立ち食いかけそば屋のオバサンに聞いてたんだけど「とうしたの?」「アル中だらけでね」「金沢なかなか包容力あるな〜」と思ってみてたんだけど 居なくなっちゃったね〜」と言ったら。「私が文句を言ってね追いだした」と。酒呑んでテレビはいじって壊すし、死んじゃう人が居るんだって

林野:へーえ 
佐藤:食えないから スクオゥッターなのか判らないんだけど 家に居られない事情があるのかも アルコールで淋しさを紛らすのか な 。汚いし暴れるし ガードマンに追っ払ってもらったんだとか言っていた。金沢もちょっっと監視強化型社会に仲間入りしたかな〜、住みづらくなったかな〜と思ってたら。ここにゴミも集まり愚痴も言う老人も集まってきて まだまだ捨てがたい街だな〜
林野:ふっふふふふふふ
佐藤:そういう希望の無い人の愚痴のはけ口とか 僕みたいに寝場所があったら町を歩ける 面白いな〜と考えてる人達が みなこの町家で受けとめられるってのはいいよね〜
林野:福祉活動になっちゃう〜はあはははは

佐藤:観光補助活動 
林野:でもそういうの良いところだと思うんですよ私 金沢の。お金無くっても生きていける。東京だったら辛いけど 金沢だったらそんなに辛くない。
佐藤:さっきの建築が重たいお金が掛かりすぎると言う話 そのへんで関わるんですか

林野:と思います
佐藤:ただで出来る建築
林野:あったらいいな〜と 何かそういうの
佐藤:昔は人件費だけだったでしょう 
林野:若干ひだりがかった処もある
佐藤:お父さんがバリバリの左翼とかですか

林野:全然違います 田舎のオジサンです
佐藤:大学のせいかな〜
林野:どうでしょう 
佐藤:思わぬ方向に転回して行きそうですね、カークの活動はこれからね
林野:なにかね

佐藤:林野さん自身が境界を曖昧にしてるじゃないですか 垣根が低いですよね。だから色んな強固な境界をもった人が攻め入ってくる、
林野:はははは
佐藤:取り込みに来るっていうかね 仲間にしようというか。色んな欲望をもった人が訪ねて来るときに 4人でやっていらっしゃるんでしょうから 話しあいを続けて行った時にどうなるか 

林野:たぶんそれぞれの思惑もたぶんかなりあって。みんながみんな私みたいにだらーと開いているわけじゃないと思うけど。ふふふふふふふ 
佐藤:それがここの場所がどういうふうに変化していくのか というのは僕は5年に一回来ますが、その他に こまめに記録する人も要ると思うので
林野:え、ええ
佐藤記録係はだれかいるんですか
林野:さっきの野田君が 一応ブログ係りになっていて、彼がマメに記録をしてくれている。今日はネットが引かれましたとか。  建具が直りましたとか。

佐藤:そういう細かい情報を発信している
林野:そうです
佐藤:彼はここの住み込んでいるんですか?
林野:居候で 
佐藤:身分は学生なんだ

林野:いや、卒業してるはずです。
佐藤:女性の人は?
林野:彼女は今 たまたま来ている 
佐藤:同じ名刺の形式で書いてあるね
林野:一緒にやっているグループの

佐藤:学生さんや居候も来るし 老人も来るし 千客万来ですねへ〜 なんて言ったらいいんでしょうか、学生寮でもないしね 初めての体験ですね?
林野:そうですね。
佐藤:狭いワンルームマンションかなにかで、建築家になるぞ〜って立ち上がろうとしてりいる人が多かったんですけど、林野さんちょっとスケールが違う
林野:ははあははははは 
佐藤:これは何でか?ということですよ。地方が持っている能力かもしれないね。東京だとこういう広い場所を3.5万円で貸すってのはあり得ないかもしれない。
林野:そうですね。

佐藤:これだったら家賃2〜30万円するかもしれない。
林野:それで滅茶苦茶外れた場所でもないし。そうなんですよ。
佐藤:それは強く思います、林野さんのスケールの大きさと同時に 金沢が持っている自力っていうのが それを意識的に活用して、交流を生みだして。僕のような分けのわからん人間が尋ねてくる事ができるという場所がある。金沢の歴史的な力なのかもしれないし 長く暮らしていた人達の潜在的な包容力というかな。他の世界の人達が入って来てもね受け入れるっていう。そこの処は今日一日では判らないんですけども。なにかそういう潜在的な力が無いとこういう事ができないな〜と思うんです

林野:思います、凄くそういう感じは。
佐藤:所有者のHさんですか、その人が皆さんに3.5万円で貸そうという太っ腹っていうのがね、不思議ですよ

林野本当にありがたいと言うか何か、まあ間に一回 町家研究会が入って。私達が入る前には町家研究会が1年ここを借りてたんですけど。
佐藤:町家に暮らして事が無かったんで 暮らし方作法が判らなかったんですけど、朝寝して判ったのは 壁一つ境にした隣の人が階段を上がり下りするのが聞こえますね〜 ふふふふふ

林野:聞こえます いろいろ聞こえますよ〜
佐藤:いろいろ聞こえるね〜
林野:うん 
佐藤:表面だけ観ていると、裏に厚い土壁なにかあってね 絶縁しているのかと思ったら、隣の生活の一部がしみ出して来てた 
林野:揺れますよね 

佐藤:寝てて思いましたけども地盤かなり いいんじゃないですか?大きな車が通っても建物が揺れないんですよ 
林野:あそうですか?
佐藤:豆腐のように軟らかい地盤だと バスが通っただけでグラグラ揺れると思うんですよ。かなりここの地盤は固いですね 
林野:何かお向かいのムトウ設計さんという方がいるんですよ。ムトウさんが町家研究会もやっていらっして、色々細かくお世話してくれるんですよ。 

佐藤:ああそうか 、おかず買いに行ったら、孫を連れて話していましたよ。お向かいがお世話していただける設計事務所でしたか?    
林野:そっちです
佐藤:ああそちらですか 
林野:ムトウさんがいうには「持つ」と「大丈夫だ」と。共にはははははは

佐藤:まんなかがだれて下がっているけど、大丈夫かな〜とおもったけど
林野:最初この建具も開かなかったんでけど、直してもらって
佐藤:写真を撮ってると棟の真ん中が下がっているのが判るから ね。あとは耐震改修して、みんなで作業すればなんとかなるでしょう 。僕が来て 寺町の町家を宣伝して

林野:送ってください!色んな人を 
佐藤:ああ? 俺がここに人を送ってよこすわけね 
林野:行け〜!って。皆さんにお願いしているんです
佐藤:大変な処にきてしまったな〜 共にははあはははは myhpで林野さんはこういう活動しているから 話に行けと伝えればいいんだな

林野:そうなんですよ。ぜひ ! 活動家を
佐藤:活動家は判ったけど どういう境界をもっている人がいいのかなー 建築家も都市研究家もいいでしょうしが、ラブラブカップル来てもしようがないでしょうから ははははは
林野:いいですよ 
佐藤:愛について語られてもね
林野:でも意外に人来ちゃうかもしれないし〜 何か作っている人がいいかな〜と。気がします。

佐藤:何か作っている人がいいと。聞き手は学生から暇な老人まで
林野:今まで最年少が15才ですから。
佐藤:中学生ぐらいだ
林野:最高齢が、80代はいないかな、70代 
佐藤:70代の方が「お前らなにやってんの〜?」って見に来るわけだ
林野:はい 

佐藤:林野さんが金沢の人で金沢言葉を文字起こし出来るのかな〜と思って来たんだけど標準語でがっくり ふふふふふ
林野:違うんですねふふふふふふ 金沢言葉むずかしくって!聞くのは判るけど喋れないです。
佐藤:僕まだ 総菜屋さんのオバサンとしか金沢の人と話してないんですけど。どんなんですか

林野:何か抑揚が延びるんです、語尾が しょうおうおうおうみたいな ははははは
佐藤:松川さんに話してもらえばいいんだな。
林野:そうですね
佐藤:松川昌平さんは関係してないんですか
林野:次は松川さんですから

佐藤:松川さんがレクチャーするんだ
林野:はい 
佐藤:松川さんは地元の人だから そういえば松川さんの喋りは独特だな
林野:抑揚が 

佐藤:そうかそうか 第一回目だから だいたいこんな感じでいいかな〜
林野:はい
佐藤:総計2時間ほどでした ありがとうございました


       2013年に続く 

 最後まで読んでいただきありがとうございました
           文責 佐藤敏宏