東京 ことば悦覧 2008年春   home 

  龍光寺マサトさん   2008 4月09日  
 その01 その02 その03 その04  

 その03 30分41秒〜45分13秒  

佐藤:難波事務所にも入って、それで5年ぐらいですか?
龍光寺:だいたい6年弱ですね
佐藤:どうして辞めちゃったんですか
龍光寺:30才が定年なんです佐藤おおわらい 共におおいにわらう

佐藤:定年になったから開店すると
龍光寺:そうです 共におおわらい
佐藤定年おめでとうございます
龍光寺:いいえ
佐藤:よかったですね

伊藤:凄い事務所だね
龍光寺:やっぱり「独立する」と言うのがみんなあって入る
佐藤:基本的には難波事務所に入って30才になったら独立するんだと
龍光寺:そうですね

伊藤:じゃ何、35とか40とか言う人は居ないんだ
龍光寺:居ない、いない。
伊藤:俺ももう難波事務所に就職出来ないんだね 会場おおわらい 入りたいと思っても
佐藤:隠れふぁんだったの?ゲレゲラわらう
伊藤:それは凄いですね〜青木事務所の4年とはまた違う。
佐藤:給料はもらっていたんですか?
龍光寺:そうですね。はい。それはちゃんと生活できる程度はもらっていました
佐藤:で、目出度く退職して。御苦労さまでした。 龍光寺わらう

龍光寺:いえいえ、それで6年けっこう長かったみたいで。僕が一番長かったみたいなんですよ、今まで働いた人の中で。仕事も継続して有った時期なので、辞めるまでに12個ぐらいプロジェクトやりまして。構造はだから、基本的に住宅なんですけれども。木造。鉄骨造、RC、アルミもやりましたし。結構あらゆるものをやらせてもらって。それでビルディングタイプも住宅だけじゃなくって、オフィスの改装だとか。あと工場をやったりだとか。あとはグループフォームみたいなものも、やらせてもらったりとか。 本当に独立してから出来ないかもしれないものも色々やらせてもらったので。
佐藤:6年間でメインストリートを歩いちゃったんだね
龍光寺:そうですね。かなり恵まれていたと思います
佐藤:こんどは茨の路 会場おおわらいわからないけどもね。どうなって行くのか。そな幸せな、過去のある人に遭ったことないですね。順調に建築家の本道と言うのかな、順調に歩いてますよね。

龍光寺:順調かどうかは判らないです 笑い 
佐藤:なんで30で定年なのか良く判りませんが。自分で独立してやろうと言うよりは定年が有ったから かいじょうおおわらい 「30で辞める」と言うことは決まったいたので。30で独立して何かやろうと。

龍光寺:仕事も有ってそれにやりがいが有ったりすると、辞めにくい
佐藤:まあね。そういう意味では凄く良いと思うんですよ。

龍光寺:そうは言っても32、3まで居てもいいんですけど。30が基本的に区切りなんですよね。辞めてもいいよみたいな感じになるんですよね。やっぱり独立と言うのは、なんですかね。全然それ以外考えて無かったんで

伊藤:「そういうもんだ」と思ってやっているよね
龍光寺:うんうん。それはだから
佐藤:「そういうもんだ」と言うよりは、そう言う人にしか話を聞いていないから。組織事務所に行って聞くと 「組織にいるのはそう言うもんだ」と言うでしょう。

龍光寺:だからその時も切っ掛けなんですよね。アンドウさんの建築を見てやりたいと思ったのであって。組織設計の事務所、組織設計のデザインを見てやりたいと思ったわけじゃないから。と言うのがやっぱりありますね。それやる位だったら別にやる必要ないんで。 だから言葉にするとそう言う事になるので。

佐藤:なるほどね、丁度1年ぐらい
龍光寺:え、だから2ヶ月ぐらいしか経ってない 辞めてから おおわらい ほどんど実作が無いというか。
佐藤:これからやる。制度的には医者とか弁護士とかだったら、独立すると仕事が入っているシステムが出来ているけど、建築家の場合は
龍光寺:無いですよね
佐藤:仕事を供給してくれるシステムが出来てないのに、自尊心だけとか、プライドだけで独立するのはバランスが悪いんですけども。その辺のところはどういう風に整理して、戦略を立てながら

龍光寺:戦略が重要ですよね
佐藤:わからないですけども
龍光寺:本当に戦略は、だから、すごい重要だなと思っているですけど。だからまだこれから、カタチを作りながら考えて行かなくチャーいけないな〜と思ってまして。あと基本的に。カタチを作らないと建築家として発言できないんじゃないかなと言うのがありますね〜

佐藤:一個でも作っちゃえば発言 出来ちゃう りゅうこうじおおわらい
龍光寺:そうですね、だから、それを基に、色々言えるんですけども。
佐藤:作って無くって発言すると言う人も昔いましたけども。一個も作ってないけど俺は建築家であると。発言したいと

龍光寺:そうですね
佐藤:作らないと発言しにくい」と言うのはなんででしょうか?
龍光寺:建築を通して、作ることで考え方が整理される
佐藤:「プロジェクト はダメで、本当に作る」と言うこですよね。カタチを作るってのは
龍光寺:そうですね

佐藤:模型作って、図面出来てそこまでじゃなくって。実際の物体で社会の中で具現化している。とこまで入っているんですね
龍光寺:そういう意味じゃないですね。頭の中にあるあるイメージをカタチにすると言うよりかは、カタチにしながら、そのカタチを見ながら考えるって言うんでしょうかね。だからカタチが引っ張る感じなんですよ。考えている事を、そう言うふうにして「作りたいな」と思っているです
佐藤:それは頭の中に出来れば、建築家と言える事ことなのかな? 現実に空間に立ち上がらないと、境はどこなのか?。よし、俺は建築家だと言える境。頭のナカに出来上がっても、外に出ないとだめだと。

龍光寺:そうです。頭の中で出来上がっているのは 多分出来てないのと同じで、言葉をつくり出してないと同じだと思うのです。だからスケッチでもいいんですけど。僕の場合は・・

佐藤:アウトプット模型にして

龍光寺:それで初めてカタチに成ったと言うと 思います。
佐藤:言葉じゃなくって、模型にした段階で、自分のオリジナルと言うのか、何て言うのか。 そう言う自分が、これはカタチだと思えるものが 誰でもが見れるように成った段階が、自分は建築家だと思うと。 龍光寺ふふふふふ〜と わらう

龍光寺:なにかおかしな。あれですね
佐藤:そんなことない、そんなことない。建築家かは人それぞれ定義が異なってあるから。
伊藤:どこでって線引きをするよりかは、まずカタチを通して、コミュニケーションが出来ないと 建築家じゃないと言うことなんじゃないかな〜と

佐藤:伊藤さんの言葉じゃなくって
龍光寺:あああ
佐藤:自分の言葉で言ってもらわないと。
龍光寺:う〜んと〜〜。基本的に新しいものが作りたいんですね。

佐藤:
新しいと言うのは古いと言うのが在るって言うことでしょう
龍光寺:あるんでしょうね。新しいカタチが出来たら、いいな〜って
佐藤:新しいカタチと言うのはどういう事でしょうか
龍光寺:いままで見たことないものです
佐藤:視覚体験として見たこと無いものですか?

龍光寺:の辺の基準は判らない、ただ
佐藤:とにかく今まで自分が見たこと無い体験したこと無い、みたいなものを

龍光寺:
そうですね、イメージしたことないとか。だから基準としては、今現在考えている事としては。頭でイメージ出来ない空間ですね。でスケッチをしても描け無い空間。で平面図描いただけではイメージが出来ない。そう言う空間ですね

佐藤:難しいね。他人が考えた空間を、自分がものにするみたいな話に似てるんじゃないですか?
龍光寺:そうなんですかね。
佐藤:自分の中に芽生えてもいないんだけ何処かに漂って在るわけだから。伊藤さんの中にあるかもしれないじゃないですか?

龍光寺:そうかも知れないですね
佐藤:具体的に既に阿佐ヶ谷の裏 隙間にあるかもしれないし。それはわからないですよね。空間と思えるものを発見すると言うか、発明すると言うことだだよね。たぶんね
龍光寺:そうですね。それに凄く興味があります
佐藤:そのプロセスはあまり興味ないけども。そのプロセスも興味ありますか?発見発明するまでの過程
龍光寺:過程で、やつぱり何か考え方が

佐藤:先ほど間での話ではカタチがあってそれを見ながら何か発明・発見していく話もありましたよね。カタチを見ながら自分の考え方を発見しドンドン変えていく
龍光寺:はいはい。そうですね、だから僕の考え方を、普通コミュニケーションするときに、言葉で表すのと同じ様なものが 建築の設計であって。でそれはなかなか整理できてないんですけど。

佐藤:難しいですね、自分の中でも言語化したり、模型してアウトプット出来ないんだから 例えば発注者の人と共有出来ないじゃないですか?

龍光寺:
だからそれは、勿論なんらかのカタチで、かたちに一回だから模型を作ってしまえば。作ってしまえばイメージも出来るし。スケッチも出来るように成るですね。一度作ってしまえば。だと思うんです。カタチで引っ張って行ってもらって。もちろんその前には色んな諸条件を考えて、検討した段階があるんですけども。どこかで今まで考えたことを全部、破棄して何か

伊藤:それだったらあれだよね 。結果しかりなんだけど。プロセスでブレークするーするかみたいなものが、結構 重要になりますよね

龍光寺:その時に何を手がかりにやるのかと言うのは、結構難しいんで。それを今考え始めているんですけども。全然それは出来てない。だから今やっている仕事の方が分かり易いのかもしれない。

佐藤:これはいただいていいんですか 出された 資料を指す
龍光寺:これはまだコンペの最中です。
伊藤:ハウスコンペとかそういうやつ

龍光寺:これはこのまえあったミツイジュウクウカン。マンションをリノベーションするみたいな。

伊藤:これって結果出ているの。
龍光寺:まだ出てない。これは先月末に提出した。まさに提出したもので。何か上手く話が繋がるかどうか判らないんですけども

佐藤:いいですいいです。
龍光寺:結局これで、やりたかった事と言うのが。コーナーを作って、それを閉じない状態で使ってもらうと言う。でこの部屋の説明をした方が分かり易いのかもしれないですけども。僕らが今住んでいる部屋自体が、ここが変わっていて。動線が回遊出来るようになっているですよ。向こうの部屋とこっちの部屋が。そこのキッチンの動線とあっちにトイレとか風呂があるんですけども。その動線が分かれて在って。でグルグル回れる。

伊藤:ここ開けて向こうから戻って来ることが出来る
龍光寺:そすすると何が良いかと言うと。だれかがここ使っているときに、あっちを通ればいい。誰かあっちを使っている時には、こっちを通ればいい。そういう自由な事が出来る。それが凄くいいな〜と思っているのがあって。でこれはその考え方を割と

佐藤:これはカタチと違うもので介入できるというか、自由にどちらにも抜けて行けると言うか
龍光寺:そうです。
佐藤:そう言うことだから
龍光寺:なにかこういう「全体をグルグル回れる様な、集合住宅はみたこと無かったのった」と言うのがあって。これは凄く快適に使えてるんじゃないか。それともっと重要なのが・・それでも使えるって言うのが重要じゃないかなと思いまして。動線が複数在ることと領域として、それぞれが自分の領域を閉じたい時に閉じても、別に変わらず使えるって言うか。そう言うことが出来ると言うのが凄く重要なんじゃないかなと。
佐藤:この計画は壁も可動するんですか?固定しているんですか?

龍光寺:固定です。建具しか動かないですね
佐藤:建具だけ開いて、全て開ければワンルーム多動線みたいになるんですよね。
龍光寺:そういう、だからちょっとした 変更で変化のしかたも、ちょっとしたものなんですけども。でも全然違う。空間の質になるんじゃないかと、空間の意識が変わるなと思いまして
佐藤:学生時代に集合住宅を研究されてそれがベースに成っているのはあるんですか
龍光寺:ありますね〜

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