2009年12月10〜13日じゅっくりの会in京都 記録     home  

10日 駅から  えいぞうさんの家体験記  えいぞうさん父を語る えいぞう・きみこさん新居を語る

11日  柳原照弘の この1年   工芸繊維大講義 デザインイースト 00 を語る  

12日  渡辺菊眞さんに聞く   鼎談 アガカーン賞の王路 (森田一弥・渡辺菊眞・江崎貴洋)
     松岡聡さんに聞く    
工繊大3年生・浅野翔さんに聞く

  佐藤敏宏  えいぞうさんの家 体験記
  

福島から  01時雨について 02路上について 03シンケンジャーについて 04えいぞうさんの家

 その04 えいぞうさんの家 

 別れる

神社の参道でシンケンジャーごっこを激しくしあった俺たちは いろじろ君のお母さんがやってきて 今日のお別れの時となった。

別れを惜しむいろじろ君だだすを 写真に撮ると、まるですガラスが無いかのように見える。

いろじろ君はガラスを通り抜け まだ人の言葉を持たない だたすと別れの時を存分にすごし再会を語り誓い合い帰った


えうぞうさん帰って来る

俺はえいぞうさんのケイタイ番号を知らなかったので、午後一番で行くとメールしてたので家で 待っているだろうと思いこんでいた。京都駅に着いても連絡もせず バスでえいぞうさんの家を目指した。

えいぞうさんの家に着いてみるとえいぞうさんんは不在だった

俺が先に着いてしまい子供たちと遊んでいる途中にえいぞうさんから電話がありったが 飯ゆっくり食べて家に戻りますとの事だった。

「遅れてもいいということだったので食事の後 書店でじゅっくり立ち読みをしきました」と微笑ながら家の中に入ってきた。俺が えいぞうさんを えいぞうさんの家に招き入れるような格好になっていた。


まだ夕方の4時なのに今にも鉛色の空が落ちてきそうだ 外は 重たく暗い色彩が支配し始める。雨も降り出しそうな空模様で 12月10日は夜の訪れがいつもより早いようだ


えいぞうさんの帰り
を待ちわびていた みのり君だたすはまとわりついて離れない 

カルタ競争のことや境内で遊んだことなど 一生懸命話している みんなの話し合いを聞き合いながらえいぞうさんは二階を案内してくれた

2階も1階よりは小降りであるががらん堂だったが 窓際に無造作に置いてあった吉岡徳仁さんデザインによって造られ 使い込まれた紙製椅子(Honey-pop)が一つ印象的だった ロフトは寝床になっているようだが覗かなかった。小屋裏のような空間は想像するだけの方が豊かさを保つことができる と思う

やや急勾配でくねうねしている木製・階段は怖い 階段を下り降りきると台所が在る。今夜は俺を歓迎してくれるための 鍋パーティ!! 美味い地鶏をたっぷりいれてみのり君が刻んでくれた白菜とネギを鍋に放り込みグヅグヅ煮込む 路地奥のようながらん堂は一瞬にして 鍋料理店の賑わいに早変わり  わいわいがやがやわいわい 今夜は楽しい鍋祭り ただす君のくいっぷり、食欲に周囲は圧倒されている ここに暮らす者は ただす君の喰う生き様の集中力には誰も勝てない



 がらんどうは 運動場に

鍋祭りが済むと がらん堂は食後の運動場に様変わり 

みのり君ヨーイドン!の駆けっこの練習 湾曲したカーブを持つがらん堂はトンネルの中にあるようなスピード感をそこに暮らす人に与え続けるかのようで  そこに居る人は動き廻り続ける。。 人や物が動く事で がらん堂の様は変わり続ける 

そして路地のようながらん堂は幼児期の細胞の若さを人に思い起こさせる この世に現れ出た新たな仕掛けそのもの のようだ

ただす君椅子をひっくり返し 壺に飛び出し入り大喜び 急ごしらえの宇宙壺に入ったり出たり息を切らしているが御満悦 ここは膨張し続けると言われる宇宙にあるワームホールに寄り添う路地なのだ

波が寄せては返すように きみこさん みのり君 ただす君 えいぞうさは がらん堂ワームホールに寄り添い在る路地で絶えず 寄り合いつつ 離れたりを繰り返しつづけている 

食後の運動のあとはデザートがいる 俺はみのり君とふたりで近くのコンビニまでアイスを買いに出掛けた

昼には餌をついばんでいた青鷺は 都を行き交う車を避けたのか 見あたらない

振り返るとえいぞうさんの家は 大きなカーテンの襞が生物でもあるかのようになまめかしく 親子の感情の交通の場を覆い隠し偽装するかのように 当たりに異様在るのだった 

ゆらーりうらゆら うらりーら ゆらーり うらゆら うゆらーり うらゆら うらりーら

不意に 宇宙から与えられつりさがりきた宇宙襞のような模様は 僕とみのり君を招き入れるが他者を拒絶する不思議な呪文が描かれている布のように美しい 

ゆらーり うらゆら うらりーら ゆらーり うらゆら うゆらーり うらゆら うらりーら



 お風呂に入る 

アイスクリームを買い戻りつぎは皆でお風呂に入る番だ どぼーん どぼーん 賑やか とぼーんみのり君 ぽちゃっと ただす君 ぼーんえいぞうさんが入る きみこさんは家族みんなの幸を眺めている 

庭先に置かれたような浴槽  みんなで行水でもしているような格好だ 天井で見ていた神様がえいぞうさん家族の祝福するように ものすごくはやしたてる音が響く

屋根を叩きつづける氷雨の音が ばたばたダダダダぼんばたばたばた ぼんぼんと鳴りやまぬ

風神・雷神・雨神も大喜び! 天然の打楽器だけの交響楽が 浴室を満たし家族の歓声と響き合っている

俺は バシバシ写真を撮る とる


風呂から上がれば 風神・雷神・雨神様にお供えする裸の舞踏会 ダンスだ。

みのりだたすの 路地のようなところを使い切り駆け回る

すっぽんぽん裸演舞がはじまる。がらんどうの 奉納の舞のようだ 伴奏囃子は夕方から続く風呂場の屋根の 雨音ドラム ダダぼんばたばたばた シンケンジャー演舞と融合し繰り出して来たぞ 何が何だか分からない

 路地のようなところの えいぞうさんの家お祭り文様

祭りには門前の出店のアイスクリームが欠かせないようだ 踊ったり アイス舐めたり 大忙し みのり君 ただす君 が寝入り 宇宙の夢と連なるための前準備運動  

一息吐いてアイス 舐め舐めピースを繰り返すのだった 何をしてても みのり君にカメラを向けるとかならずVサインを出すので 可笑しい よくあそび よくたべ よく話す えいぞうさんの家の氷雨の夕べ



 階段を上って

みのり君 ただす君

眠そう!階段の途中でねちゃうのではないか?

彼らの今夜の夢はだれも記録することが出来ないけれど、きっっと
 宇宙の夢と連なり 共振し合うのだろう  

眼が宇宙色に変わっていくようだ

 ねぐらに向かって一段一段上る 

 夢の世界に戻るように上っていく 神様の領域のような場に暮らしているみのり君 ただす君 の 2009年12月10日はこのように 閉じられていった
  神様 お休みなさい  



大人の時間 

みのり君だだす君は小屋裏宇宙の夢と一緒に枕をならべ眠りに入りこんだようにがらん堂の天井が静かになる

いよい、大人の時間です

パソコンを広げ 今日俺が撮った写真を見ながら 一日の出来事をお復習いする

ゲラゲラ笑う キットみのり君ただす君も笑っているだろう 

写真データをえいぞうさんに渡す そして 今日の第二のミッションである「えいぞう 父を語る

第三のミッションである「岡田夫妻新居を語る」の音録が開始されました

 (父を語るへ 新居を語るへ

焼酎を飲みながら ワイワイガヤガヤ雨音にも負けぬ熱い語り合が続くのでありました。ここは路地のようなところだ えいぞうさんときどきツイッタしている!  


音録がおわり呑んでいると 深夜!になっている ピンポン玄関に この家の構造を担当された満田衛資さんが現れやってくる。

 満田さん自分が構造設計をした家の暮らしぶりが気になるのは 当然  満田さんの建築への愛の深さ伝わってくるような訪問であった 

RC造だろうと思ってたが 鉄骨構造であることなど色々伺ったが 酔っぱらってしまい 音録するのを忘れていた 今度えいぞうさんの家の構造話を聞いて記録する予定 

我が家の2週間の食材費じゃんか!2万円もするフランス料理を食ってきだんだと不満げに語る満田さん 何やら腹がすいている様子である

可哀相だから台所に立ち先ほどの余りの鍋を取り出し うどんなどを入れ煮込み出す 俺

パンも出す すっかり俺の家の台所同然 我が家と変わらぬ振る前をしちゃっている俺!えいぞうさんの家にも馴染んできたぜ ふふふふ タベル満田さん ニコニコしているえいぞうさん

どんど楽しい会話が続き 時が過ぎ お開きとなる 



僕はえいぞうさんのメールにあった せっ かくですので家の路地みたいなところで寝ていただけ れば の指示にしたがい 用意された布団を敷き 枕をかり寝た 床暖房がほどよく効いて暖かし

 えいぞうさん家族4人はがらん堂の 一番天辺の穴蔵・ロフトのような巣に丸く固まり 枕を並べ すやすや寝入っているようだ ときどきえいぞうさんいびきぐぅお〜ーんとがらん堂と共鳴するように響く

 強い雨が叩く 風呂場屋根の打楽器音もやまない えいぞうさんいびきが交響し合う がらん がらん堂 人 人が寝入ってもまだある 人の在り方 人間や天然が発する音楽も 気や器の流れも 豊に響き合いつづける えいぞうさんの家 がらん堂

 こうして2009年12月10日福島から京都に至る 長い えいぞうさんの家体験初日は 終わったのだった 




 新たな1日の始まり 

わたしは〜 ちいさい ひつぢかいで〜す わたーしは ひつじのばんをしていま〜す わた〜しのところに

 なんだか寒くなってきたな〜 星が綺麗だな〜

わた〜しは ちいさいひつぢかいです  ばんをしていま〜す
 

 どんたた どんたた どお〜ん どお〜ん わわいわいわい

どうしたの だだす〜 う〜うう〜 わわあああ 

どん〜   ぼん〜 

みのり君の聖歌 そして だだす君の言葉以前の肉声 きみこさんの優しいかけ声 えいぞうさんの いびき

 路地のようなところに寝ってしまった俺の 耳奥と えいぞうさんの家=がらん堂に 鳴り響く

そうすると  宇宙でたった1日しか生きられない、えいぞうさんの家の新しい1日の扉が開かれのだ

今朝も 雨が屋根を激しく叩き 屋根ドラムの音がバタバタと鳴り響いている えいぞうさんの家の洗面所 

ごはん食べてるけど〜 ごはんたべてますよ〜 

おはよう 

おはよう

一緒に寝ようか 

おしっこする 

そう

 じゃば しゃばじゃば ぽとぽと ぽと  

いまな〜 いまな あそびにいこうと おもってな〜 

あめふってるぞ

あめふっているけど このなかで あそぶ このずぼんな〜 かわいてた  

食事を済ませ 新型インフルエンザで休校だった幼稚園に 俺はみのり君をつれて行った 雲の切れ間から 大文字山が間近に迫って見える

雨のない朝 みのり君は床を抜けだすと  西隣の境内に出て 近所に暮らすお婆さんと しとしきり話し合い 遊んで 朝食を囲む家族のもとに もどるのだそうだ  



佐藤敏宏による 2009年12月10日えいぞうさんの家  体験記はこれで終わります 乱文誤字脱字の綴りを最後まで読んでいただきありがとうござました

  体験記の続きは5年後 2014年です