2009年12月10〜13日じゅっくりの会in京都 記録     home  

10日 駅から  えいぞうさんの家体験記  えいぞうさん父を語る えいぞう・きみこさん新居を語る

11日  柳原照弘の この1年   工芸繊維大講義 デザインイースト 00 を語る  

12日  渡辺菊眞さんに聞く   鼎談 アガカーン賞の王路 (森田一弥・渡辺菊眞・江崎貴洋)
     松岡聡さんに聞く    
工繊大3年生・浅野翔さんに聞く

    えいぞう 「父を語る」  
      その01   その02   その03


その02

えいぞう:兄貴にしてみれば5才までは旅館のボンボンで女中さんに囲まれて、そんでうちはどん底の貧乏そっから成ったんですよ。それで、でそうこうしているうちに北九州の八幡西区っていう所の長家に、貧乏長家に。引っ越しまして。それで、その時はね、うちの母親が言うにはね財布に10円も無かっと。それでね、うちの母親もまいっていて、で、放っておいたら一家心中してたんだじゃないか。

佐藤:ほっとかれなかったんだ

えいぞう:それが有りがたいことにね、やっぱうちはね、母親のね親戚がね、優しい
佐藤:お父さんの方も優しいじゃないの、優しいから騙されちゃうんですよう

えいぞう:
そうなんですけど
佐藤:優しい同士で結婚したと

えいぞう:うちの母親のお父さん、お爺ちゃんは離婚して帰ってこさせようと思っていたらしいんですけど。自分処に、まあまたうちの母親がまたね、そこら辺はプライド高いって言うか。自分の間違い認めたくない人で
佐藤;ど演歌 昭和枯れすすきですね

えいぞう:でもまあそこはチョコチョコ支援をね、頂いたりとか。して、何とかね。生きのびたんですけど。それで
佐藤:今までの話もみんなお母さんの話だよねふふふふ
えいぞう:そうなんです。母親からしか聞いてないです。父親からそんな話し全く聞いたこと無いですから。常に欠席(裁判)ですから。それでそうこうしている僕がもの心つく頃には 父親はもう、居ないんですよ出稼ぎに行っているんですよ。

佐藤:炭坑労働とかですか ないか
えいぞう:わかんないですけど、お父さん居ない。時々しか居ないみたいな。
佐藤:時々は居たんだ
えいぞう:たま〜になんか居るんですよ。どっか行ってまともな事してないらしいかったと。何か怪しい事ばっかりやってたらしいんですよ。で営業マンやってたこともあれば、やくざの走りみたいなこともやってたこともあるみたいで。
佐藤:人が良いからね

えいぞう:それでね〜そうこうしている間にサラ金に借金をね膨大にしてるんです
佐藤:その頃サラ金があったのか〜
えいぞう:サラ金出たてですよ、サラ金問題がまだ出る前ですよ
佐藤:膨大ってどのぐらいの額なでしょうね
えいぞう:よく分からないですけど、それでサラ金の取り立てがうちに来るんですよ、親父が居ないので

きみこ:へ〜え 旅館が潰れただけじゃないんだ!?
えいぞう:それで、
佐藤:サラ金は何に使ったか分からないんだ
えいぞう:まったく!分かんないです、うちには一銭の金も入れない人なんで。でもね何かね今写真見ると海外とかに行ってんですけど。

佐藤:海外 ふははははは
えいぞう:ははあはははなんか!これ?シンガポールか香港かみたいな写真、親父が楽しそうに写っているのは有るんですよふふふ
佐藤:父ちゃんいい加減だな

えいぞう:いい加減な奴なんですよ
佐藤:いいね ほっとけば育つってなもんでね
えいぞう:でうちの母親が働いて、でなんとか、。
佐藤:なんにして働いてたんですか
えいぞう:何かね広告系の会社で何か最初ねチラシ作りみたいなやってたのかな〜、私わかんない。そういうのをまずやっていた。北九州でやっていて、それでやりながら何とか生きのびていたんですですね。貧乏長家で。もう貧乏長家で良い感じなんですよねまたね。幼なじみが居て。近くの大工のおっちゃんが入れ墨ばっとして出て来るふふふそれでねカックイイーそういう所だったんですよ。北九州のけっこう荒い土地柄なんで、それでそこで僕は育って。


佐藤:もろはだ脱ぐと龍が滝のぼっているとですか
えいぞう:鯉です、今でも覚えてますブルーの中にピンク色の鯉が!見せてくれるおっちゃんがいてね、そんな感じでね。うちの兄貴もそこでなんとかこうそうい環境にも慣れて、小学校6年生になり。私が小学校に入学したんですよ。小学校の1年生に入学したばっかりの6月、なんだか知んないけどうちの親父が帰って来たか何かで、鹿児島に逃げるぞ!ちって 
佐藤:またですか!!今度は鹿児島ですか

えいぞう:とりあえずあれだからって、鹿児島に行くぞって
佐藤:鹿児島は当てが有ったんですか
えいぞう:分かんないですよ。無いと思うんですけど、自分の古里だし

佐藤:鹿児島行っちゃった
えいぞう:自分の古里だし、鹿屋には帰れないけど。鹿児島市に移って。そいで何か大急ぎで。ばれちゃいけないかから。サラ金の人達に。だまって、静かにやれと。それで

佐藤:夜逃げってやつですね
えいぞう:昼の夜逃げですねちゃんとバイバイはしたんですよ、車にみんなで乗って。飼ってた猫も乗っけて。ほいで、行くぞ!って。しずかーにはははは車で引っ越して行く途中に猫逃がしみたいな感じで はははふふふうふ

きみこ:へーえドラマみたいね〜
えいぞう:感じで、鹿児島に引っ込んだんですよ。小学校1年生で。引っ越しまして訳解らないですよね、まだそんときは。引っ越しんだな〜と思って。引っ越した所が紫原って言う所で。そこで住み始めてうちの母親は何かしんないけどお店が出来るような処が付いている家で。そこで化粧品の店をやり始めた
佐藤:ポーラかなんかですか
えいぞう:メナード
きみこ:へえ〜
 
(地図↓紫原あたり)

えいぞう:
それで(店)やりながら母親は営業マンもやってたのが一時あり。で、それが上手くいかず。また違う所に引っ越して。もっとボロイ所に、近くですけどね、紫原のもっと違う所に住んで。でうちの母親は、それで次に山一証券の営業マンになったんですよ。それは昔取ったなんとかで。勧銀にいたから。
佐藤:お金に詳しいしね
えいぞう:お金が数えられるっていうねただそれだけで、ふっふふふ成れるんですね証券マンに、証券の営業マンに。それでうちの母親は証券で働き、家計は母親が支えてるわけですよ。
佐藤;お父さんは

えいぞう:親父はまったく!!無いですよ。それでね何かね
佐藤:お母ちゃんは、お父ちゃんのことを凄く愛してるんだよね
えいぞう:うちの母親はね悪口 ぜったい!!言わないですよ。まあ、愚痴は言うんですけど。なんだかんだ、いい人なのよ!みたいな
佐藤:はははは
きみこ:へーえ〜
えいぞう:あの人は、嫌な処がないから!
佐藤;それは無いはな、最初からボンボンなんだからな

えいぞう:だんだんこっちも分かってくるんですよ、こっちも。、それが悪いんだとふふふなって来るんですけど。
佐藤:悪いところ無い

えいぞう:それが悪んですけどね それでうちの親父はそういう感じ。またさらにそこからまた新しくたぶんまたサラ金に借金してるんですよ。何か事業始めるだとか何だかで。また来るんですよ。取り立て来るんですけど、私もだんだん分かるように成って来てるからその頃には。うちの母親にはね、とにかくまあ鍵っ子みたいなもんですよ、うちの母親は働きに出ているから。学校から帰って来て一人。兄とか。でとにかく知らない人が来てお母さんの仕事場どこか?聞いたら知りません!言いなさいって。何言われても知りません!と言いなさいとだけ言われてたんです。

来るんですよ。今考えるとあれは絶対サラ金の取り立てなんですけど。お母さんどこに勤めているの〜?とか言って。いや知りません。みたいな。誰が来ても知りません。

きみこ:恐くなかったの〜?
えいぞう:いや恐いよ。それで、よく分かんないんだけど。あるときは僕はたぶん寝ている時だと思うんですけど。夜中に外から叫ばりたりとか。当時のサラ金の取り立ては本当に厳しい!規制が全く入ってない状態のサラ金なんで。最悪の時だったんですよね。そいでうちの母親は無茶苦茶厳しい目に遭っていたし。あるとき僕これはかなりショックだった話なんだけど。うちの、また夜母親がいるときに取り立てが来て。それでうちの姉と部屋に引っ込んで。聞いてたんですよ。で、襖がボロ屋だから破れてて。襖から玄関が見えるんですよ。でまあ、聞いてて。やり取りしてて。

きみこ:お母さんとサラ金の
えいぞうサラ金の営業マン、取り立て屋が無茶苦茶な口調でうちの母親にまくし立てている。
佐藤:脅すんだ
えいぞう:脅しててるんですよ。うちの母親もかなり慣れてるんですよ、その時点で。ヤクザの事務所まで連れて行かれたって、うちの母親は!慣れ切っているわけですよ、。でやりとりしている間に「ぱちん」と音がしたんですよ、姉ちゃんとビックリして覗いたら母親がヤクザを睨んでいるんですよ。たぶん叩かれたんですよ、うちの母ちゃん 。たぶん足かなかパシ!!って叩かれたんですよ。それで睨んでいるですよ。うちの母親
きみこ:叩かれて睨んでいるの
えいぞう:たぶん
きみお:凄いね〜

えいぞう:というような感じで、うちの母親は苦労してますわね〜、それで
きみお:凄いなおかあさん
えいぞう:それでそういう感じだったんですよ、で、
佐藤:こいつに貸せばとりっぱぐれないとか
えいぞう:とりっぱぐれてますよ

きみお:ふふふ返してないんだもん

えいぞう:返しませんでしたから、でもあるときなんか、僕もなんでそういう人が居るのか分からないんですけど。親父が何か付き合いある人のか、母親の付き合いなのか知んないですけど。心ある人がね。、これでちゃんと精算してお家もチャントしなさいってって。

佐藤:弁護士ですか
えいぞう:いや分からない。どいう人なのか。お金をくれて。それで何となく返したかと思えば、何だか知んないけど家の家具が良いの買っているよ みたいな
佐藤;はははは ふふふふ
えいぞう:なんだまあ!よかったったね〜みたいな

佐藤:おかあちゃんもおとうちゃんも適当にやっているんだ
えいぞう:うちの母親もなんだかんだ、わかんないけど。怒られるからまだ生きているから。ははふふふそれでまあよかったねみたいな。一瞬もあったりして。それでね、そうこうしてるうちに僕は小学校4年生ぐらいになったんですけど。そしたらねうちの親父が一回目倒れたんですよ。

佐藤;なんで倒れたんですか
えいぞう:クモ膜下失血って脳の
佐藤:ヤバイじゃないですか死ぬか ヨイヨイになる
えいぞう:家に帰っているときに倒れたんです、病院に運び込まれて。それは命に関わる病気だったから。それで直ぐ手術をして。それで助かったんですよ。助かっちゃったんですよ、手術がうまくいって。それで何かああいう脳の病気っていうのが一回やるとどっかの機関が損ねられてしまうっていうので。最初はね鼻が効かなくなったんですよ。幸いな事ですよね。鼻が効かないっていうのは目が見えない、口がきけないより、耳が聞こえないよりは生活には支障がないわけですよね。飯はまあ味がしなくなるらしいんですけど。 で、それで、うちの母親が賢いことに生命保険には入っていたんですよ。そこらへんはね。
きみこ:ふふふふ

えいぞう:それで親父が入院しててくれるとなんとなーく平和だし。一応入院費もらえ出るしふふふふっふみたいな。そうそう感じになっているんですよ

佐藤:ずーっと入院しててくれ平安みたいな うふふふう
えいぞう:大変んですけど面倒は けっこう大変な病気だし。ずーっとうちの母親は病院に泊まりっきりで。あとうちの兄弟だけでしばらく住んでるみたいな。ほいで食べ物は出前。食べて。

佐藤:そこで何で料理覚えないのかな
えいぞう:インスタントラーメンは作れるんですよ。料理作るのも金かかるんですようははは
佐藤;お湯注ぐだけじゃん  料理は金かからないよ
えいぞう:それで、

佐藤:お母さんもお嬢様だったんかな
えいぞう:うちの親父はね料理バリバリやってたらしいんですよ
きみこ:う〜旅館だからね
佐藤:なんで教えないんだろう

えいぞう:でまあ出前とりながらうちで、うちの母親は電話で何言うかと思えば「とにかくオロナミンCを呑みなさい!」 

 一同 ふははははは

30:04

  その03へ