<あらすじ>
「たのむよ耕作君 なっ なっ」
いばり父さんのこのセリフから始まる。 いばり父さんは耕作君に
何か頼み事をしているようだ。それもかなりしつこく。
この男同士でコソコソやっている光景を見たひばりくんは
どうせいやらしいことを話しているのだろうと思っているようだが
実は違う。いばり父さんは耕作君に喫茶店に
一緒に行って欲しいと頼んでいたのだ。
コーヒー嫌いのいばり父さんがなぜそんな所に行きたがるのか?
理由はこうだ。一週間前に耕作君と偶然入った喫茶店の
店主の女性に恋をしてしまったのだ。その女性?の名は
文子(ふみこ)さんと言い 年齢はおそらく30代半ばで
和風の美人だ。 いばり父さんが惚れるのも
無理はない。
それからというもの いばり父さんはこの喫茶店に毎日
行っているようなのだ。 耕作君も付き合わされて
いい迷惑のようである。
そんな日々が続いていたある日 その喫茶店に偶然
サブさんと政二が現れた。2人を見つけた政二は声をかけるが
いばり父さんは他人のふり。 文子さんに自分が
ヤクザだということを知られたくないのだ。 しかししつこく
話しかけてくる政二にいばり父さんは一喝! サブさんが
その状況を察して、そして二人は帰っていった。
文子さんにはいばりさんがヤクザを追い返した
頼もしい人に映ったらしく
少し二人の距離が縮まったようだ。
その晩 耕作君はひばりくん つぐみさん つばめちゃんと
いばり父さんのことを話し合っていた。ひばりくんは
あの顔には恋なんて似合わないと笑い飛ばしているが
つぐみさんとつばめちゃんは理解があるようだ。
その頃いばり父さんは無き妻の遺影に向かい 今の自分の気持ちを
話していた。
するとそこへすずめちゃんが現れた。何かお願い事があるようだ。
そのお願い事とは映画を見に行きたいので
連れて行って欲しいという事。
いばり父さんは映画館があるような繁華街は好きではないらしく
乗り気ではないが渋々付き合うことになった。
ちなみにこのいばり父さんの妻 つまりひばりくん達の母親は
やはりかなりの美人だ。 遺影の写真を見る限り
つぐみさんとうり二つである。
翌日 すずめちゃんといばり父さんはいろいろな映画館の前で
どの作品を見ようか迷っていた。するといばり父さんの目に
一つの作品が留まった。
その映画は「純愛物語」という作品でおよそいばり父さんには
似合わないが とにかくその映画を見ようとチケットを買いに行くと
なんとそこには偶然にも文子さんがいたのだ。文子さんも
この映画を見ようと思っていたらしい。
そして3人で中に入りすずめちゃんを挟んで座った。
この映画の上映中 文子さんは感動して泣いていた。
その光景を見ていたいばり父さんはますます文子さんを
好きになってしまう。その愛おしさにそっと文子さんの肩を
抱こうとしたその時 文子さんは痴漢と勘違いして
反対側に座っていた男を投げ倒してしまった。
この時いばり父さんは確信した。ヤクザの女房にはピッタリだと。
ちなみにこの反対側に座っていた男とは梶キャプテンだった。
こんな役ばかりで少し気の毒である。
映画を見終わった3人は文子さんの店に行った。今日は休業日
なのだが すずめちゃんといばり父さんのために店を開けてくれた。
特大のパフェにすずめちゃんは大喜びだ。しかしこの後
大変なことが起こる。
近くの喫茶店のマスターが文子さんの店に飛び込んできた。
何事かと思いきや喫茶店破りの「珈琲一刀斉」が現れたと言うのだ。
この珈琲一刀斉にまずいと言われたら必ずその店は
潰れるというのだ。この事態にさすがの文子さんも真っ青だ。
そして間もなく 珈琲一刀斉が来てしまった。
手のふるえが止まらない文子さんの代わりにいばり父さんが
コーヒーを入れることになった。デタラメのコーヒーを入れて
珈琲一刀斉に飲ませる。 当然まずい訳だが力ずくで
美味しいと言わせた。 文子さんは大喜びだ。
これでまた一段と2人の距離が縮まったようだ。
最近やっと1人で文子さんの店に来られるようになった
いばり父さんだが ここ数日 臨時休業日が続いており
心配していた。
その晩 すずめちゃんが夜遅くに遊びから帰ってきた。
まじめなすずめちゃんが1人で夜遊びするはずがない。
文子さんと遊んでいて帰りが遅くなったのだ。
文子さんはあまりにすずめちゃんが可愛いので
ついつい連れまわしてしまったと言う。
そんな事情を知らなかったいばり父さんはなんだかうれしそうだ。
こんなデレデレ状態のいばり父さんに対しひばりくん一喝!!
「父親らしくしてちょうだい」
もっともである。そして玄関先にはつぐみさん つばめちゃん
耕作君も来て勢揃いだ。文子さんはこの姉妹を見て
「可愛いお嬢さん達ですこと」 と言うとみんなすっごく
うれしそうな顔だ。しかし文子さんはひばりくんを見て
何かに気づいたようだ。何に気づいたのか?
そしてすずめちゃん 文子さんに遊んでもらっている間 相当甘やかされたようで 靴一つ自分で脱がなくなってしまった。
母親代わりのつぐみさんは困った様子だ。
一方 文子さんはいばり父さんに家まで送ってもらっていた。
この2人かなりいい雰囲気になっている。文子さんは
いばり父さんからの告白を待っているようだが
純情ないばり父さんは結局何も言えなかった。
帰ってきたいばり父さんの耳に入ってきたのはつぐみさんの
怒っている声だ。やはりすずめちゃんを叱っているようだ。
しかしすずめちゃんのワガママぶり いや甘えん坊ぶりは
相当なものだ。だが母親を早くに亡くし 甘えたくても
甘えられなかったすずめちゃん 母親のように可愛がってくれる
文子さんの前で甘えん坊になってしまうのも
仕方がないことである。
そしてつぐみさんがいばり父さんに対しいよいよ核心に触れる事を
言った。 「お父さんの結婚には反対じゃない しかし文子さんが
すずめちゃんの母親として相応しいかよく考えて欲しい」
つばめちゃんやひばりくんも言い出した。
「ああベタベタ可愛がるようじゃすずめちゃんのために
良くないのでは」 「お父さんが文子さんにビシッと言えばいいんだよ」
と言いたい放題だが 間違ったことは言っていないように思う。
しかし文子さんに夢中のいばり父さんにはそれが悪口に
聞こえてしまったようで 何とすずめちゃんを連れて家を
出ていってしまった。
しかし行く当てもなく 結局文子さんのところへ行くが
こんなみじめな姿は見せられないとその場を立ち去る。
偶然 窓を開けた文子さんの目に
すずめちゃんをおんぶするいばり父さんの後ろ姿が映った。
文子さんは何かを感じたのだろう 2人の後を追いかけていった。
そして公園のベンチで眠っているすずめちゃんを抱きながら
切ない表情のいばり父さんがポツリと一言
「男はつらいなぁ」
そっと近づいてきた文子さんが
「そのつらさ 私にも分けてくださいな」 と
やさしくつぶやいた。文子さんもいばり父さんを
愛してしまっているようだ。
そしてすずめちゃんが目を覚ました。なぜ公園にいるのか
解らない様子。 いばり父さんから家出をしてきたことを聞かされるが
おどろいてはいない。
今日は旅館に泊まろうといばり父さんが言うと
すずめちゃんのワガママが始まった。
すずめちゃんはいつものパジャマがないと眠れないから
取ってきてと言いだした。
家出したのに取りに行けないと言うと今度は1人で帰ると
言いだした。 このワガママぶりにいばり父さんは
すずめちゃんのほおをひっぱたく。
すずめちゃん いつもやさしいお父さんにたたかれたおどろきと
痛みで泣き出してしまった。
これを見ていた文子さんは いくらなんでもたたくのは
やりすぎだと言い すずめちゃんを連れて帰ると言っている。
いばり父さんは無言だ。 そして文子さんがすずめちゃんの手を引き
帰ろうとしたとき いばり父さんのさびしげな背中を見た
すずめちゃんは自分を反省した。
涙を流してあやまるすずめちゃんをいばり父さんは抱きしめた。
その頃 家出したいばり父さんとすずめちゃんを
必死で捜していたひばりくん達が 公園にいる二人を見つけて
やってきた。 しかしいばり父さんは絶対帰らないと
意地を張っている。
だがすずめちゃんが帰ろうと言うと素直に家路に向かった。
残された文子さんの元にひばりくんが駆け寄ってきた。
ひばりくんは文子さんにお父さんと結婚してあげて欲しいと頼むが
文子さんはものすごく意外なことを言い出した。
実は文子さんはひばりくんと同じニューハーフ つまり
男だったのです。
その文子さん ひばりくんが男だということにちゃんと気づいていた。
文子さんはひばりくんにこう言った。
「恋人にはなれるかも知れないけど 母親にはなれないわね」
文子さんとひばりくんは少し寂しそうに笑い合った。
そんな言葉を言い残した文子さんは
数日後に店をたたんでどこかへ行ってしまった。
ひばりくんはいばり父さんには文子さんの秘密を
一切言わなかった。
父さんにはいい思い出だけ残してあげようと・・・。
☆ 感想と見どころ ☆
今回のお話はいつものドタバタストーリーではなく
しっとりとしたいいお話でした。少しホロリとさせる場面もあり
本当に良かったです。それから 今回は何と言っても
文子さんが良かったです。声の方もかなり艶っぽく
とてもおとこだとは思えませんでした。
文子さんの声をあてている方は武藤礼子さんです。かなりベテランの
声優さんですが 確かド根性ガエルの中に出てきた
ヨシコ先生の声をあてていた方だと思います。
それと作画が非常に良く ひばりくんがとても可愛く描けていたのも
印象的でした。
☆ CNK外来患者さんから・・☆
今回も、EDクレジット情報をいただきました!
・・すでに前回26話とは製作スタッフさんの多くが入れ替わって
いることに気付きます・・☆
脚本: 柳川茂 (前回 土屋斗紀雄氏)
声の出演 大空ひばり: 間嶋里美 坂本耕作: 古谷徹
大空いばり: 八奈見乗児 大空つぐみ: 平野文
大空つばめ: 色川京子 大空すずめ: 鈴木富子
若者頭サブ: 若本紀昭 子分政二: 西尾徳
文子: 武藤礼子 女性客: 高木ゆう子
コーヒー館主人: 小滝進 一刀斎: 塩屋浩三
協力 青二プロ
原画: 船塚純子 井上俊之
動画: 梶島正樹 草川ゆい 大野嘉代子 鈴木晴美
背景: 佐藤美々 井原浩雄
仕上: 小椋正豊 安永陽子 高橋章
特殊効果: 中島正之
撮影: 佐野禎史
編集: 吉川泰弘(タバック)
録音: 池上信照(タバック)
音響効果: 原田千昭
選曲: 白井多美雄
オーディオディレクター: 本田保則
製作進行: 冨永勤
現像: 東映化学
美術: 鹿野良行
作画監督: 今沢恵子
演出: 池田裕之
脚本:戸田博史 (前回 柳川茂氏)
声の出演 大空ひばり:間嶋里美 坂本耕作:古谷徹,
大空いばり:八奈見乗児 大空つぐみ:平野文,
大空つばめ:色川京子 大空すずめ:鈴木富子
若者頭サブ:若本紀昭 子分政二:西尾徳
森田健作:塩沢兼人 鈴木すし丸:龍田直樹
片桐くん:坂本千夏 ひさしくん:広森信吾
番長:佐藤正治
協力 青二プロ 原画: 水田智美 渡辺章 動画: 犬飼伸二 井尻博之 日多恭子 中野恭子
背景: 伊藤豊 峰村るみ子
仕上: 塩澤泰美 須山みどり 斉藤千代乃
特殊効果: 石橋康全
撮影: 白井久男
編集: 吉川泰弘(タバック)
録音: 池上信照(タバック)
音響効果: 原田千昭
選曲: 白井多美雄
オーディオディレクター: 本田保則
演出助手: 堀川和政
製作進行: 鈴木元
現像: 東映化学
美術: 窪田忠雄
作画監督: 水村十司
演出: 江幡宏之
mocchiから・・・ 今回のこの27話・・基本的には良い話だな〜と思うのですが、
考えれば考えるほど難しい点も浮かんできて・・
ちょっとコメントとか、やりにくいな〜って思いました(^^;
まささんのあらすじを読んでいただいてストーリーは
十分ご理解いただけると思うのですが、ぶっちゃけた話が
「ニューハーフだったがために実らなかった恋」のように
なっているので、これがある種の
「切なさ」を感じさせるんですね・・
もちろん、これは20年くらい前の感覚で練られた脚本なので
こういう展開もまあ当然だったと思うのですが、海外では同性同士の
結婚も出来るご時世です。このストーリーを2002年バージョンで
リメイクしてみるとどうなるのか、ちょっと見てみたい気もしますね・・☆
救いといえばひばりくん自身がさほど悲観してないように思える事ですが
文子さんは、ひばりくんの将来の姿に限りなく近いわけで、
恋愛も思うようにいかず、ひとりで生きている文子さんを
ひばりくんはどう思ってみていたのでしょうか・・・
僕としてはこんな感想になったのですが、皆さんは
いかがでしたでしょうか・・?
ちょっと、ネタ的なものを・・・ 今回登場の文子さんは文江さんとして
ひばりくんの原作にも少し出てきましたが、本来は「ひのまる劇場」の
名脇役ですね。あとは「パパリンコ物語」にも登場して味のある
活躍ぶりでした。 しかし、いずれも母親(女性)として描かれています。
また、その文子さんと喫茶店で会話をしていた女性客がいたのですが、
その子はたぶん「すすめ!!パイレーツ」に出ていた
豊田瀬里香(とよたせりか)ちゃんではないでしょうか・・(^^;
(かなりマイナーなネタですが・・(笑))
あとは・・ まささんのおっしゃるように僕も今回の作画、好きです♪
やはりひばりくんが良いのと、すずめちゃんも良いですね〜
<今回のオマケです> こういう表情のひばりくんもカワイイですよね♪ (ちなみに、お父さんの女装姿を想像して 気持ち悪がっている場面です) それから、アニメ版の洗面所には おしゃれな鏡があって、けっこうよく登場しています。 今回の評価
ひばりの!次回予告☆ 平和なこの街にある冬の日 子供暴力団 通称「悪い子団」が現れた! そこで、悪さをやめさせようとすずめちゃんが 「良い子団」を結成して立ち向かう! 相手はとても手強いんだよ どうやってたたかうの!? すずめちゃん!! 次回 「ストップ!!ひばりくん!」 第28話 「悪い子団がやってきた!」 お楽しみにっ♪ |