初夏のニュージーランド8日間

2003年11月13日 その4
タズマン湾に出ると、船はUターンする。
また、フィヨルドの中に入り、着たルートを戻るのだが、帰りはもっと両脇の山に近いところを通る。
行きは、青空が広がっていたけど、帰りはちょっと雲が出てきて、小雨がぱらついてきた。やはり、ここの天気は変わりやすいようだ。



途中、アザラシくんたちが岩の上でのーんびりお昼寝をしていた(
シール・ロック)。
アザラシは、夜になるとエサを求めて動き回り、昼間はこうして寝ていることが多いのだそうだ。
このミルフォードサウンドでは、アザラシの他にペンギンやイルカの姿も見ることができる。
といっても、私は見れなかったけど・・・(泣)


これは
スターリング滝(Starling Falls)。
高さは155メートルで、ミルフォードサウンド内で2番目に大きな滝である。
私たちの船、行きでは離れたところを通って、その全容を見ることができたけど、帰りはこの滝に大接近!
水しぶきが飛んできて、私たち乗客も濡れてしまう。デッキに出ていた人たちも、船室へ降りていく人も少なくない。だけど、やっぱりこの迫力を味わわなければつまらないじゃない。ウィンドブレーカー着ていて正解だったわ!
滝の爆音と共に、なかなかの迫力でした。
サウンド内には、雨が降ったときだけ出現する滝もあるけど、このスターリング滝はいつでも流れている滝で、水量も多い。雨が降ると、その水量はもっと多くなるのだそうだ。


→ こちらは
グレーシアル・ストレーション。氷河の流れた痕である。
海面より300メートルまでの高さに筋が入っている。約1万4千年前に形成されたもので、氷河が岩肌を削り、海に向かって流れ落ちた痕が、このように残っているのである。
こんなに大きな岩を削っていくなんて、自然の作り出す力は計り知れない。

左手に大きな滝が見えてくる。
ボウエン滝は、サウンド内で一番大きな滝で、落差は160メートルある。
この滝は、ターミナルからも歩いて見に行ける。
この滝が見えてくると、終点のターミナルまであと数分。
感動的だったクルーズも終わりが近づいてきたようだ。
船を下りるときは、出口がすごーく混み合うので、早めに下船の準備をしましょう。

楽しかったクルーズの後は、テ・アナウまできた道をもどる。今日の宿泊はテ・アナウなのだ。
クイーンズタウンからテ・アナウまで約2時間ちょっと。テ・アナウからミルフォードサウンドまで約2時間半。
さすがに、疲れがでてきたようで、帰りのバスの中はうとうと・・。

このミルフォードサウンドクルーズは、フィヨルド国立公園観光のハイライトであるから、たくさんの人が訪れる。
観光都市であるクイーンズタウンからのツアーが多いようだが、往復10時間という時間が移動にかかってしまうのだから、かなり疲れる。
中には、行きはクイーンズタウンよりバスで、帰りは小型飛行機で帰るというツアーもでているようだ。

今日は、夕食後にもうひとつお楽しみがある。テ・アナウ洞窟の土ボタルを見に行くのだ。
テ・アナウ洞窟は、北島のワイトモ洞窟と共に、土ボタル鑑賞で有名なところである。
テ・アナウ湖畔にあるホテルから、徒歩数分のところに船着場があり、ここから高速艇でテアナウ湖対岸まで行く。そこに、テ・アナウ洞窟があるのだ。
午後8時のテアナウ湖。まだまだ明るい。
Photo by とーさん
午後8時の船での出発。この時期は、日が長いので、8時でもこの明るさだ。
対岸までは、ボートで約40分くらいで到着する。
土ボタルとは、ニュージーランド各地に生息する虫である。そのさなぎが光を発するのだ。

洞窟入り口に到着すると、まずは小屋に入り、土ボタルのビデオを見る。英語のビデオだけど、日本語の字幕もでる。後ろのほうでは字幕が見えないので、なるべく前の方に座るとよいだろう。

ビデオで説明を聞いたあとは、いよいよ洞窟の中へ入っていく。1艘のボートの定員は12〜16人くらい。係員の指示に従って先へ進む。
まず、小さな川を渡るために、ボートに1,2分乗る。川を渡ったとこでボートを降り、洞窟の中を歩く。天井がかなり低くなっているところがあるので、注意しなければいけない。私は思いっきり頭をぶつけてしまった。
洞窟の中は意外なほど広い。水がすごい勢いで流れていて、かなりの轟音だ。
歩道はきちんと整備されているし、照明もほのかについているので、ここはさほど問題なく歩ける感じ。
そして、再びボートに乗り、洞窟の中へと進んでいく。
この先は、照明は一切ない。暗闇が目の前に広がっている。カメラはもちろんのこと、土ボタルは、聞きなれない音にとても敏感だそうで、一切の私語も禁止されている。
しばらく行くと、天井に無数の光が見えてくる。ガイドブックには青白い光と書かれているが、どちらかというとグリーンに近い感じの色だ。
夜空の星のような、幻想的でロマンチックな光景が広がってくる。私たちが知っている蛍は空を飛ぶので、光がゆらゆらと動くけど、この土ボタルはさなぎが発光しているので、光がうごくということはない。
ここはカメラ禁止なので、もらったパンフレットの中の写真を載せておく。
こんなボートで進んで行きます 洞窟内部の様子 小屋には土ボタルの説明コーナーがあります

土ボタルというと、きれいな名前だけど、この虫の正体はハエの一種なんだそうだ。ハエっていうと聞こえが悪いので、観光客を呼べそうな土ボタルって呼び方にしているらしい。

すべての人の見学が終わると、また高速艇に乗って戻る。今日は一日長かったな〜。朝早くから夜遅くまでだもん。
帰りは満点の星空が広がっていた。初めて目にするサザンクロスもきれいに見えて大感激。
星を撮るために、スーツケースには三脚も持ってきたのよね♪
が、気温がかなり下がっているし、ホテルにつくのは11時ころ。あまりの寒さと疲れに、「またにしよう〜」と写真を撮るのをやめてしまった。
これ、後でものすごく後悔することになるのである。

■一口メモ
土ボタル観光は、結構人気があるようで、同じ船には欧米人の方がたくさん乗っておられました。
洞窟の中は、昼でもまっくらですので、夜だけでなく昼も観光できます。
この時の、洞窟の中の気温は11℃。かなり冷えますので暖かい格好で出かけてください。また、洞窟の中はたまに天井から水滴が落ちてくることがあるので、濡れてもいいような服装がいいでしょう。

 
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