初夏のニュージーランド8日間

2003年11月16日

朝、目覚めると雲が一面に広がっていて、マウントクックはぜーんぜん見えなかった。
昨日はあんなにきれいに見えていたのにね。山のお天気ってほんとうにわからないものだ。

昨日のゴキゲンな夕食同様、おいしい朝食をた〜んまり食べて、今日は2回目のトレッキング。スーツケースはバスに積んで、着替えだけをフロントに預けフッカーバレートレッキングに出発する。

この日はとにかく風が強くて、カメラを構えることができませんでした。トレッキングコースについては、パンフレットのイラストをスキャンしましたので、こちらを参照ください。

ホテルからバスで数分で
フッカー谷のトレイルの入り口だ。ここにつく頃には、雨が降り出してきたので合羽を着て、トレッキングスタートだ。
今日も、日本人の女の子と男の子の2人のガイドさんがついてくれた。このお2人、若いのに、すっごく礼儀正しくて感じのよい若者だった。
30分ほど歩くと、一つ目の吊り橋がある。この吊り橋の定員は20名。20名が渡り終わるまで、次の人は橋に入ってはいけない。
下の川はかなり流れが速く、轟音を立てて流れている。そんなわけで、下をみるとちょっと怖いかも。
橋を渡り終えたところで、ちょっと速い組と、ゆっくり組の2班に分かれて歩くことになった。私は、無謀にもちょっと速い組。ついていけないようだったら、ゆっくり組に行けばいいしね。
でも、実際は、ちょっと速い組といっても、ぜんぜん速くなかった。(笑)
風がとにかく強かったのだ。あまりに強い風で、そこにじっとしているのが精一杯。足が前に出ない。それほど、ひどい風だった。特に、下から吹き上げる風は体重の重い私ですらヨロヨロってなっちゃうくらいだから、その強さはかなりのものだったはず。
そんな中を速く歩くことなんてとてもできない。風が吹くと立ち止まり、弱くなったら歩き出す。そんな繰り返しで、少しづつ進んでいく。

風が強くて歩けない時は、重心を低くするためにしゃがむのが一番だそうだ。立っていると、転んじゃったりして怪我をすることもあるから注意しないといけない。
でも、幸いなことに、このときの風は北風だったからそう寒くはなかった。日本では北風って冷たいけど、南半球では南極から吹いてくる南風が冷たいことになる。南風は南極から直接吹いてくる風なので、すごーく冷たいんだそうだ。

フッカーバレーのトレイルは、高低差はほとんどない。しかし、石がゴロゴロしている道でちょうど川原を歩いているような感じ。
途中、ガイドさんが「今日は無理かな・・。」と口にした。天気によっては、トレッキングの途中でも、安全のためには歩くのを中止して引き返さないといけないのだ。「もう少し行くと、マウントクックリリーの群生があるんです。せっかくだから、それを見ていただきたいんだけど・・・。」
まだ、風は強いけど歩けないわけではない。せっかくだからもう少し行ってみましょうということになり、とりあえず、マウントクックリリーが咲いているところまで行くことにした。

マウントクックリリーは、その名の通り、NZの有名な高山植物だ。
シーズンの最初に咲く花なので、この花で夏の訪れを知るのだという。
今年は例年より開くのが遅かったそうだが、私たちが行ったときには、ちょうど咲き始めで、一番美しい状態の花を見ることができた♪
歩いている間は、とてもカメラを構える余裕なんてなかったけど、ようやくここでカメラを出すことができた。
といっても、風が強いために、花が揺れて思うような写真が撮れなかったのが残念!

このマウントクックリリーの群生の向こうに、二つ目の吊り橋が見える。本当なら、その吊り橋を渡ってしばらく行ったところでランチを取って、戻ってくるといった予定だったのだけど、この風のためにここで「勇気ある撤退」となった。

着替えを済ませ、ホテルを出発したのは午後1時半くらいだった。ここからクライストチャーチまではおよそ300キロ、約5時間である。

デカポ湖 左に見えるのが善き羊飼いの教会
バスは1時間くらい走り、途中、デカポに立ち寄る。
ここ、
デカポ湖はニュージーランドのパンフレットなどに必ず使われるところである。ミルキーブルーの美しい湖と、連なる山々の姿はこれぞニュージーランドっていう景色である。

 → パンフレットなどには、前景にルピナスの花を入れて撮っているものが多かったので、真似してみた。でも、風が強くてルピナスが倒れちゃってたよ〜(泣)

湖畔に建つ
善き羊飼いの教会(Church of Good Shepherd)は、本当に小さな教会だ。開拓民の手によって1935年に建てられたという。
本来ならステンドグラスがある場所は、大きな窓になっていて、ここから望むデカポ湖と雄大なサザンアルプスの山並みを借景としている。
入場料は無料だが、1ドル(約70円)募金すると絵はがきを1枚もらえる。

    


教会のすぐ脇に、
バウンダリー犬の像(Boundary Dog Statue)がある。
開拓時代、牧羊犬はバウンダリー犬と呼ばれ、その名のとおり開拓地の境界線(Boundary)を守る働きをしたもの。
犬たちは、小さな小屋の中で1匹で寝泊りしながら、迷った羊を連れ戻したり、牧場主が見に行けないような不便な場所を見守る重要な役割を果たしてきたのだという。
この像は、犬たちのそうした働きをたたえて建てられたものだそうだ。

ここからクライストチャーチまでは、また牧場の景色が広がっていく。もう、すっかり見慣れた風景だ。
そして一度、トイレ休憩でストップ。
停まったところは、農家が経営するちいさなおみやげ物屋さん。売っている物自体はさほど魅力的なものはないけど、何せ農家の敷地。
いろーんな動物たちを見ることができる。

きゃわゆい子羊ちゃん 突進してくる豚さん トラクターの脇には孔雀が
他にも、ポニーや巨大なニワトリ、いろいろな種類の鳥さんたちなど、たーくさんの動物がいた。さながらミニ動物園って感じかな。

「さあ、もうすぐクライストチャーチです」と案内があったとき、
すっごく久しぶりに信号を見た。そして、いろいろな会社や商店の姿も現れ、今までの牧草地帯とは違った眺めになってくる。
ああ、都会に戻ってきたんだなって感じ。それがちょっと淋しく感じたのは、私だけではないと思う。

ホテル到着は午後6時を回っていた。部屋に荷物を置いて、食事に行く。今日は、みなさんと最後のディナー。ダウンタウンの和食屋さんだった。
久しぶりの和食がおいしかった。とーさんは、久々の日本酒でゴキゲン♪


■一口メモ
フッカーバレートレッキングは、ガイドさんも「こんな大風は年に数回」って言うくらいのすごいものでした。寒くなかったのが幸いですけど。マウントクック周辺は、雨が多いのですが、とても乾燥した気候です。雨が降っているのに洗濯物を干しても乾いてしまうという、変わった気候なのです。(理由を聞いたけど忘れてしまったわ)
そのせいか、唇のかわきがひどくてリップクリームが手離せませんでした。


 
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