ケニヤ撮影旅行13日間




2004年4月28日(その2)

私たちがサファリドライブをしている場所は、国立動物保護区の外だと前に紹介したが、実はこの土地、マサイ族の管理する土地なのである。
当然、マサイが生活している場であるので、牛などの家畜を放牧しているマサイの姿があちこちで見られる。
観光客の私が、こんなことを言える立場ではないのだが、この放牧がけっこう邪魔だったりするのだ。ライオンもチータもマサイは苦手。ハンティングの途中でも、マサイの姿を見ると、ハンティングをあきらめて退散してしまうそうだ。マサイは狩猟民族ではないので、狩りはしないのだけど、家畜を守るということではライオン狩りなどもしていたらしい。そんな長い歴史からか、今でもこのサバンナで一番強いのはマサイなのだ。ちなみに動物保護区内では、マサイの立ち入りは禁止されている。

サバンナのいたるところでマサイが放牧している
ライオンやチータの住むすぐそばなんだから不思議な感じ
これはマサイの少年に、ジュースとパンをあげて撮らせてもらったもの

ホテルでのランチのときに、Wさんから聞いた話。

Wさんの車は、いつもどおり動物を撮影していた。すると、どこからかマサイの男が二人、ものすごい勢いでWさんのサファリカーに近づいてきたのだそうだ。
マサイたちは、「写真を撮られた」とものすごく激怒していた。Wさんたちは、もちろんマサイの写真を撮った覚えはない。しかし、レンズが彼らの方を向いていたのだと思われる。なので、自分たちの写真を撮ったと怒っていたのである。
確かに、マサイにかぎらずケニヤの人は写真を撮られるのをとても嫌がる。だから、「動物と景色は撮ってもいいけど、人は撮るな」ってよく言われている。
しかし、このあたりにいるマサイは、「写真を撮った」と怒りながらも、片手を出してくる人が多い。つまり、お金を要求しているわけで、少しのお金を渡すとそれでOKだったりするので、写真嫌いっていうのもいい加減なものだけどね。
Wさんの話にもどるけど、そのマサイ二人の怒りはすごいもので、お金で解決できるようなものではなかったらしい。ちょうど運良く、Wさんの車には添乗員さんが同乗していたので、彼がうまく説明してくれた。でも、マサイのうち1人はスワヒリ語も話せずマサイ語のみ。もうひとりがかろうじてスワヒリ語がわかる人。二人とも英語はまったく理解していないそうだ。(ケニヤの公用語はスワヒリ語と英語なんだけど)
なので、添乗員さんがドライバーに英語で話し、ドライバーがマサイの1人にスワヒリ語で話し、そしてマサイ語に・・・というなんとも大変な会話だったらしい。
マサイの人たちって、視力がいいからね。どんなに遠くにいても、カメラとか見つけちゃうのよね。で、歩くのも恐ろしく早いので、やっぱり注意しなきゃです。


私の泊まっているNo11のテントのそばには、マラ川に住むカバをみるためのテラスのようなものがある。(私たちはカバポイントと呼んでいたのだけど)
ほとんどのテントがマラ川に面しているので、ここにこなくてもカバは見れるんだけどね。


午後のサファリは、先生の車に同乗させていただくことになっていた。
今回の撮影ツアーでは、ナクル湖とアンボセリでは、5台の車をチャーターしていて、先生は毎日それぞれの車を回るといった具合だったけど、ここマサイマラでは、先生は自身の車を1台チャーター。私たち参加者が順番に先生の車に乗せていただくといった形になる。
同じ被写体を撮っていても、出来上がる写真はまったく違ったものになる。光の使い方とか、被写体の狙い方とか、先生とご一緒させていただくと、勉強になることがたくさんだ。
なのにーーー、昼頃からは雲が広がって今にも降り出しそうな空模様。サファリ出発の頃には、ポツポツと雨があたってきはじめた。

午前中に見たチータの親子と再開した。雨のときはチータも木陰で雨宿りしていた。


雨が降り出すと、スタックも当たり前のようにおこる。
私たちの車は、幸いにも自力で脱出できたが、どうにもならなくなった車は←のように、ワイヤーをつけて他の車に引っ張ってもらうことになる。
おもしろいことに、「え?こんなところで?」って思うようなちょっとしたところでスタックしちゃうんだよね。

雨粒は微々たるものだけど、それが集まると小川ができる。その小川は、泥を削って流れていくので、↓のようなところを通らなきゃならなくなる。
私たちは、自分の体とカメラを押さえるので精一杯。ひどいところだと、車がマジに45°は傾いていたもん。
ガタガタ道には慣れたとはいえ、やっぱりつらいねぇ。車に弱い人は大変だろうなって思う。

雨でも悪いことばかりではない。雨があがれば、虹がでるかもしれない。
虹と動物・・・考えただけでもわくわくしそうな被写体だ!!それを期待しながら、雨の中のドライブ。しかし、動物の姿は、ほとんど見えなくなっていた。
せっかく先生車に乗せていただいたのに、ずっと世間話&おやつタイム。
スコールのような雨はあがったけど、残念ながら虹は出なかった。どんよりとした雲が空いっぱいにひろがっていただけ。
ま、まだ雨季のケニヤだもん、雨も仕方ないね。今まで降られなかっただけでも良しとしなきゃ。
今日のサファリはこれでおしまい。んー、残念っ!





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