ケニヤ撮影旅行13日間




**このページの下にはチータの食事場面があります。かなり生々しいですので、苦手な方はご注意ください*
2004年4月29日(その1)


サバンナに陽が昇る。昨日の雨は上がっていた。
今日はどんな光景に出会えるのだろうか。

最初にいったナクル湖国立公園は、とても緑が多く、サバンナというより森林の中といった感じだった。アンボセリ国立公園は、とにかく平らな土地が広がっていた。
そして、ここマサイマラはとても起伏に富んだ地形をしている。

緩やかな丘があり、緑の木々も多く、私が思い描いていたサバンナの風景に一番近いと言える場所だ。

ゲームサファリがなぜ早朝と夕方に行われるかというと、動物たちが活発に動くからである。
そして、気温の上がる日中は、体力を消耗しないように木陰で寝ていることが多いのだ。

私たちの車は、いつものライオンファミリーに会いに行くことにした。マサイマラでの滞在中は、これが朝一番の恒例となったようだ。



このライオンのプライドの中に、一頭の傷ついた雌ライオンがいた。
ドライバーの話によると、バッファローの角で傷ついたらしい。
皮膚がぱっくり割れていて、とても痛々しい。ドライバーは「それほど深刻な傷ではないと思う」と言っていたけど、バイ菌が入ったりしないかと心配になってしまう。
彼女は一生懸命に、自分で傷口を舐めていた。たいしたことがないといいんだけど・・私にはそう祈ることしかできない。
百獣の王ライオンだって、こうして怪我をすることもあれば、命を落としてしまうことだってある。ここでは、みんな体を張って、一生懸命生きているんだね。



チビたちはおっぱいに群がってました 生後2週間の赤ちゃんライオン お母さんに怒られてます
毎日同じプライドを見に行っているけど、毎回違った表情を見せてくれる。
動物ってこれだから面白い♪。


今日はいいお天気に恵まれそうだ。
草に朝日があたって、金色に輝いている。インパラもきらきら光ってとてもきれいだった。
どこにでもいるインパラって、ちょっと飽き飽きしがちだけど、こうして光があたるとあまりにもきれいで、ついつい車を停めてしまう。
「写真には光が大切」ってよく言われることだけど、これって本当だ。
いや、写真に限らず、太陽の光って命を生き生きと見せてくれるんだよね。




これはエランド(↓)。ウシ科の動物で、体重は900キロにもなる。レイヨウ類では大型のものだ。
胸にはウシのような胸垂(むなだれ)があるのが特徴である。私は初めて聞いた名前だった。地球上にはまだまだ知らない動物がたくさんいるんだなー。

前方をじーっとみつめるチータ
例のチータファミリーがいた。
何だか、昨日とは様子が違う。ナフタリが「ハンティングだ」という。チータの前方にはガゼルの姿が・・・・。どうやらガゼルは、チータの存在に気づいていないらしい。
お母さんチータは、体を低くし、草に隠れるような体勢で少しづつ前に進んでいる。子供たちも真似をしているんだけど、そこはまだまだ子供である。時に立ち上がったり、兄弟でじゃれあったりしている。
あれじゃ、ガゼルに気づかれちゃうよ。きっとお母さん一匹で狩りをするほうが楽だろうな。(笑)
しかし、母チータはあるところからぴたりと動かなくなり、草むらに座り込んでしまった。あきらめたのか・・?時間は過ぎていくけど、じーっと座ったままだ。私たちも遠くから息をこらして待つ。
・・・・・・・・・・
しばらく待っても動きがない。そうしているうちに他の車から無線が入った。「朝ごはんにしよう」って。
えー!!こんないい時に〜って思うけど、仕方ない。私たちはその場を去ることにした。ツアーの参加者には、高齢の方もいらっしゃる。昼食の時間は決まっているから、朝食が遅くなると、朝食と昼食の間隔が短くなってしまう。薬を飲んだりする都合もあるから、あまり朝食時間を遅くしないでくれっていう要望があったらしい。

朝食後、チータが気になって、先ほどの場所へ向かってもらった。
そしたら、私たちが朝ごはんを食べている間に、チータファミリーもハンティングに成功したようだ。情報によると、ガゼルはチータの存在に気づかず、草むらに座ったらしい。そこをお母さんチータがしとめたっていうことのようだ。私たちが行ったときには、ちょうどお食事真っ最中だった。最初に食べるのはまず子供たち。お腹ぺったんこのお母さんはじっと見ている。
子供たちが、充分に食べたと思われる頃、ようやくお母さんも食事を始めた。

 

お腹がいっぱいになると涼しい車の陰でゴローン。
この車、しばらくは発車できそうもないです(笑)
食事後のチータのお腹はパンパンしてました。
実は私、テレビで見るハンティングシーンが大の苦手だった。生きていくためには仕方ないこととわかっていても、餌食になる動物たちがかわいそうだったのだ。ハンティングのシーンがテレビに映し出されるたびに、心の中で「逃げて〜」と草食動物のほうを応援していたものだ。
だけど、不思議なことに、実際にこの地に来てから、逆にチータを応援している自分に気がついた。お腹をぺったんこにしているお母さんチータをみたからだろうか。
しかし、こんな生々しい食事風景を目の前にしても、少しも残酷だとかかわいそうっていう感情はわかなかった。今までは目を覆っていたのにこれも不思議。
なんて言ったらいいのだろうか。ただの自然の営みとしてしか感じなかったのだ。これが本来の自然の姿なんだなって・・・



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