ケニヤ撮影旅行13日間




2004年4月30日(その1)


今日で、マサイマラの滞在は最後になる。明日には、この地を出発しなければならない。
ということで、今日はフルデーサファリ。いつもは、朝ごはんを持って半日のサファリと、夕方のサファリだけど、今日は、朝と昼ごはんを持って、1日かけてのゲームドライブに出発だ。
ロッジから1時間半〜2時間いったあたりに住んでいるレオパードを見に行こうということになった。
レオパードはとにかく個体数が少ないので、見るのが難しい動物である。ナクル湖国立公園でも、見れなかったしね。

夜に降った雨の影響で、道がかなり悪くなっている。果たしてレオパードのところまで行けるかどうかわからないけど、とりあえず出発してみることになった。


その前に、昨日キリンの肉が転がっていたところに寄ってみる。
すると、ライオンの姿はそこにはなかった。どうやら、もうキリンの肉は必要ではなくなったらしい。
数頭のハイエナが、ライオンの残飯をいただいているところだった。
転がっていたキリンの足


私たちの車のタイヤが、何か硬いものを巻き込んでしまったみたい。何?って思ったら、キリンの足だった → 。(汗)

ハイエナってこう見えて、あごの力がものすごく強い。この時も、骨をバリバリと噛み砕く音が、車にまで聞こえてくる。
サバンナでは、毎日どこかでハンティングが行われているけど、動物の死体や骨が転がっているっていうのはほとんど見なかった。
こうして、骨まできれいに食べつくしてしまうのなら、それも納得できるわね。


毎朝恒例のライオンファミリーの元へ。
今日は、雨ためかみんな木の影で座っていた。これだけ毎日ライオンを見ていたら、飽きそうなものだけど、子供たちのくりくりした目はやっぱり可愛くて、ついついシャッターを押してしまう。






いつもゴロゴロと寝てばかりのぐーたらライオンだけど、こんなすごい牙をみちゃうと、やっぱりすごい迫力だなって思う。
チータと比べると、顔は何倍も大きいし、手の太さも全然違う。
やっぱり、百獣の王といわれるだけの貫禄と風格があるよねー。






さあ、今日はいつもより遠出のゲームドライブだ。マサイマラ動物保護区のエリアの傍までいくらしい。
途中、バルーンが夜明けの空に上がっていくのが見えた。
マサイマラ名物(?)、バルーンサファリである。私たちのロッジでも、昨日予約を受け付けていたなぁ。でも、もうすでに満席になっていたので、申し込みはできなかったのだけど。
この時期は、まだシーズンオフなので、毎日飛んでいるわけではなさそうだ。私たちはマサイマラで4泊したけど、バルーンサファリが催行されたのはこの日だけだった。

ケニヤ経験者が多いこの撮影ツアー、当然、バルーン経験者もかなりいらっしゃる。皆さん口を揃えて、「バルーンはすばらしい!」とおっしゃる。空から見る雄大なサバンナの景色と、夜明け。そして、サバンナを走る動物の群れはまた格別なのだそうだ。
私も、是非いつか乗ってみたいなあと思う。
バルーンが降りる地点まで、車が追いかけてきていて、そこでシャンパンブレックファストとなるんだそうだ。早朝のサバンナでいただくシャンパンのお味は格別なんだろうな。朝食後は、ゲームドライブをしながらロッジまで戻るという行程になる。ただ、このバルーンサファリ、ひとりUS$500近くもするんだよね。

今日はフルデーサファリ。
長時間にわたってのゲームドライブなので、ちょっとトイレが心配だ。トイレのことだが、もちろんサバンナにはトイレなどない。いわゆるブッシュトイレである。
トイレに行きたくなったらドライバーに言えば、安全なところで車を停めてくれるので、ブッシュの中とか車の陰で用を足すことになる。最初は抵抗あったけど、そのうち慣れちゃったわ。

しかし、行けども行けども動物はいない。どこにでもいるヌーやガゼルの姿も今日は見えない。時折、他のロッジのサファリカーとすれ違うくらいだ。
何の動物とも出会えぬまま、とりあえず朝食タイム。

その後も、何の動物も発見できず。今までは、結構順調に動物を見てきたのに、この日は何も見えないのだ。せっかく、遠出してきているのに大丈夫なのかしら? 
と、イライラしているところに、すごい光景が飛び込んできた。

ええええーーーーっ!



チータが車に乗ってるんですけど・・・・!!

おどろいていると、こんなことが・・・・↓、
あぶなーーーい!
チータと白人のオバサン、大接近してるっ。大丈夫か・・。

この車は、ガバナーズというロッジのサファリカーで、窓にはガラスのないオープンタイプのもの。この白人のオバサン、とても落ちついていて、少しも騒いだり取り乱したりせず、カメラを構える余裕すらある。
でも ← のときは、さすがに険しい顔になってたけど。



そのうち、車のボンネットには子供のチータが座り込んじゃった。→


← 後部座席で、お母さんチータはすっかりくつろいじゃってます。
こうなっちゃうと、車はしばらく動かせませんね。



このあたりには、以前、クイーンと呼ばれるメスのチータが住んでいた。幼い頃に親が死んでしまい、人間の手によって育てられたクイーンは、成長した後、自然に帰された。
人間によって育てられたクイーンは、人間を恐れることがなく、逆にサファリカーのボンネットに乗って獲物を探していたのだそうだ。確かに、背の高いサファリカーの上からだったら、サバンナもよく見渡すことができる。頭がよく、狩りがうまかったクイーンはこのあたりのアイドルとなっていたようだ。

実は、このサファリカーに乗っていたお母さんチータは、クイーンの娘だといわれている。小さい頃から母の姿を見て育ったのだろう。彼女もまた、クイーンと同じように車に乗るようになっていたのだ。

クイーンの姿を最後に見たのが2000年頃と言われている。多分、もう生きてはいないのだろう。でも、こうして子供や孫が元気にこの地で暮らしている。
命はこうして受け継がれていくんだね。
ツアーの中にも、クイーンを見たことのある方が数名いらっしゃった。「クイーンの子供と孫に会えるなんて・・・」と感激なさっていた。

そして、このあと、またまたすごいことが・・・



Back 10th Day 1  Next

Kenya Top  Travel Top