ケニヤ撮影旅行13日間




2004年4月30日(その2)


しばらくすると、このチータ、車の窓から外へと降りた。子供たちもボンネットから飛び降りた。ボンネットのチータが降りたときに、ついでに(?)前のバンパーを落としてくれたのだが、車のドライバ-はそんなことはおかまいなしで、すごいスピードで行ってしまった。

そしたら、今度は・・・・

また、乗っちゃった!

これ、私たちのツアーのサファリカーである。それも、私が乗っていた車のすぐ隣にいた車・・・・

← このお父さん、ちょっと上を見上げると、チータの鋭い爪がきらりーんと光っていたんだって。で、地面が雨で濡れていたので、その爪先から水滴が頭の上にぽたーん、ぽたーんと垂れてきてたんだって。チータの息遣いもはっきり聞こえるし、そりゃー恐ろしかったそうだ。

→ そうこうしているうちに、あらら、前にも別なチータが乗っちゃった。
ドライバー、目を合わせないように、そっぽむいてますね。(笑)







← おかげでこんなどアップの写真が撮れちゃった。
チータの目線より下から撮れるって、めずらしいでしょ。

確かに、当事者だったらすごく怖いだろうけど、私はうらやましくて仕方なかった。うちの車にもこないかしらんと、ちょっと期待してみたりして。
同乗者も同じことを考えていたみたいで、みんなで申し合わせて椅子に座る。
立ち上がって屋根から顔をだしていたら、きっとチータは来てくれないだろう。
手には、広角レンズをつけたカメラをスタンバイ。きっといい写真が撮れるに違いない・・・。
なのに・・・、私たちのラブコールはチータには届かなかったらしい。最後まで、私たちの車に来てはくれなかった(泣)

チータが乗った車にいた人に、「いい写真が撮れたでしょう」って聞いたら、当事者は怖くてそれどころじゃなかったらしい。
ドライバーから、動くな、声を出すな、目を合わせるなって言われて、ひたすら下を向いてじっといなくなるのを待ってただけだって。

しばらく屋根の上で、あたりを見回していたチータ、どうやら何の獲物も見つけられなかったみたいで、そのうち車を降りてどこかに行ってしまった。
今朝はあんまり動物に会えないなーって思っていたけど、こんなすごいハプニングに遭遇できて、そりゃもう満足!


このクイーンの娘&孫チーターは、今まで見てきたチータファミリーとはまた別の家族。こちらも大きな子供が3頭いた。
チータはだいたい3〜4頭の子供を産むが、全部が成長するって言うのはめずらしいんだそうだ。生まれたときから弱くて育たない子もいるし、ハイエナなどに食べられちゃう子供だっている。
また、お母さんが狩りが上手じゃなければ、幼い子供は餓死にしてしまうのだ。ここまで、3頭も育てられるっていうのは、とても優秀なお母さんなんだそうだ。
この子供たちも、もうすぐひとり立ちするだろう。そうすると、お母さんはまた次の子供を身ごもり、新たな子育てが始まるのだ。
チータのオスは単独行動。交尾が終わると、どこかへ行ってしまう。子供を産み、育てていくのはすべてお母さんの仕事。気ままなオスに比べると、メスは大変だ!!

私たちの今日のランチはローストチキンだった。
ランチの後は、いよいよレオパードを探しにGO・・・のはずだったが、昨晩の雨のため川の水が増水していて、さすがの4WDでも渡ることができない。ドライバーたちもいろいろ回り道とか考えたけど、打開策は見つからず。結局、レオパードはあきらめることになった。(泣)

で、先ほどのチータのいた場所にまた戻り、ハンティングを待つことに・・・。
先ほどのチータファミリーは、簡単に見つけることができたのだけど、日中の暑さの中、木陰でお昼寝を決め込んでいる。動き出す気配はまったくなし。
1時間くらいずーっと車で待っていたんだけど、時間切れ。
今日は、マサイマラ最後の夜なので、ブッシュディナーが予定されている。いつもよりも少し早めにロッジに戻らなくてはならないのだ。道中、動物を探しながらロッジに戻ることになった。


キリンの群れがいた。
今までもキリンは見てきたが、ここまでの大群は初めてだ。
この地でたくさんの動物を見てきたけど、広いサバンナが一番似合うのは、このキリンのような気がする。








こちらはトピ。レイヨウ類で、ウシ科の動物だ。
均整のとれた姿をしているけど、なんとなく間の抜けた顔してるように思えちゃう(笑)
縄張り意識が強いらしく、群れのオスは蟻塚などのちょっと高いところから、周りを見ているのだ。



この後、土砂降りの雨に降られてしまった。ブッシュディナーの予定もあるし、夕方になってスタックしてしまうのも大変なので、急いでロッジへ向かう。
結局のところ、今日のフルデーサファリはあまりいい結果ではなかった。動物が全然見えないのだから・・・。まあ、自然が相手なのだから、こういうことも仕方ないね。
だけど車に乗るチータが見れたことは、思いがけないプレゼントだった。

雨は一向に止まず、ブッシュディナーがどうなるかと思ったけど、ディナーの時間になると少しづつ小ぶりになってきた。地面は相変わらずドロドロだけどね(泣)
ブッシュディナーとはその名のとおり、ブッシュに出てディナーをいただくのだ。どうせ、バーベキューみたいなものでしょとタカをくくっていたら、とんでもなかった。
ロッジから、車で15分くらい走っただろうか。

サバンナの中に、大きな松明が燃やされていて、その脇にテントが建てられていた。
テントの中には、きれいなクロスをかけたテーブルが置かれ、きちんとナイフやフォーク、グラスが並べられ、普段と同じようなテーブルセッティングがされていた。
明かりは、テントの周りを照らすランタンと、テーブルに置かれたキャンドル。それがまた、いい雰囲気を醸し出している。
飲み物も、ありとあらゆるワインやリキュールが並んでいて、レストランで食事をするのと同じ状況が用意されていた。
お料理も、オードブル、スープがサーブされ、メインはテーブル脇で焼かれる肉料理。最後のデザートまでついて、しっかりしたコースメニューである。サバンナの真ん中で、こんな素敵なディナーがいただけることに感激★
いつもと違うのは、テントの周りを警護のためにライフルを持ったレンジャーがパトロールしていることかな。

食事の最中に、「キーッ」というような奇声が聞こえた。
「うわっ、出ちゃったよーー」とドッキリ。てっきり、肉の匂いに誘われた動物が、近づいてきていると思ったのだ。
が、実際はこれ。
マサイの男たちだった。(観光客用のマサイだけどね)
踊りながら、登場してきた彼らは、ダンスやジャンプなどのパフォーマンスを見せてくれる。
その後は、マサイに誘われるまま、私たちも踊りの輪の中へ。
サバンナで最後の夜にぴったりな、なんとも素敵な演出だった。

食事がすむと、誰からともなく、松明の周りにみんなが集まった。赤々と燃える火を見つめながら、ここで過ごした日々のことをみんなで振り返る。
楽しかったね。来てよかったね。また来たいね・・・みんなの気持ちがひとつになって、すっかりアフリカ仲間になってしまったようだ。




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