いろんな事情

<病気事情>


<病気事情・ミルのカルテから>
これは、飼育本や、専門的なことよりも、ミルが実際に患った事による経験からのお話を書こうと思います。
発症の発見から、治療の経過を追っての報告です。お陰様で、ミルは大きな病気もなくすくすく育ってくれました。
そして、飼い主に教えるかのように、病気とは言えない小さな事で、悩ませてくれます。
だからこそ、これは、
「元気な我が子」と、暮らしている方に、是非読んでいただけたらと思います。




ミルのカルテ6: そして再発 新たなる試練


あまりに元気なミルだから、もう治ったかと思っちゃったね(^^)
何でも試練は突然来るね。大丈夫。泣かないよ。
ミルが大きな試練を軽々越えてくれた日から、
こんなコトにひるまない勇気を貰っているから。。。



ミルが退院してきた日。
うれしくって嬉しくって仕方なかった。
いろんな覚悟をした中で、最高の結果をだしてくれた。ありがとうミル・・・
一日でもひょこたん歩けたら、ミルは楽になってとてもうれしい。。
そう、たった一日だったとしても・・・ そう思って飛び込んだ決断。。。
それが、三ヶ月と一週間! すごいね!
もうもう、これまでにない最高にしあわせな日々をこんなにくれた・・




でも・・・ やっぱり早すぎる・・・ 悔しい・・・
悔しいよ・・・




10/02/04(木) 突然の胸騒ぎ
それは朝。
いつも見ているミルだけど、なんとなぁ〜く違和感。おかしい・・・
イヤ、本兎はいたって元気(^^;; なんだけど・・・

どうも、お腹周りがいやらしい・・と、気になりつつも、なんたって朝なんで・・・
ミルは元気だし、あまり気にせず、出勤支度。そして出勤5分前。

どうしてもわだかまりが消えず、ミルをつかんで仰向けにし、お腹をまさぐってみた。

大丈夫・・大丈夫・・気のせいだ・・・なんでもない・・・

でも・・・そして・・・ついに・・・

見つけた! 一度手を離したら、またどこかに隠れてしまう悪戯小僧のように。
天の邪鬼が赤い舌を出して、探してごらん!とでも言っているかのように。
それはホントに小さな腫瘤だった。

ショックと言うより、“逃さないっ”と思った。


10/02/05(金) 再発!
翌日、すぐ病院へ連れていった。
つい10日前、検診に来たばかり。すこぶる順調のお墨付きを頂いたばかり。
「どうしました?」・・って・・ 実は・・・

お腹の腫瘤は、ちょっとやそっとでは見つからなかった。「あれれ?夢だったかな?」と嬉しくなっちゃうくらいだった。
「よく見つけましたね」と、先生は言ってくれた。細胞を取って染色し、顕微鏡下で「これは腫瘍です」と言った。。。。。

それでは、何か決まったらお電話下さい・・ と言われた。
えっ?

いろいろ考えることもあるでしょうし・・

そんな悩みはとっくに終わっています。と、私は答えた。
手術は一刻も早く、今日でも明日でもお願いします。これからでも・・・・・

ミルはとっても元気です。表在しているだけならば、今しか取る時期はない!とにかく早く!できるだけ・・・・・




外科領域に足を踏み入れるというコト

どんなことも一度手を加えたら、もう手を加えずに入られない。
それは自然環境がいい例で、破壊と修正を繰り返し、もう放って置くわけに行かなくなってしまった。。。。。
それは、「ウソの上塗り」に似ているな・・と思った。ウソを隠すためにまた嘘を付く・・・  でも嘘は、一生付き続ければ真実になる。
そう思う・・・

痛い足だったら切る・・と言う意見をいくつか聞いた。
私は、痛い足を切るかどうか悩み、まだ痛くない小さな腫瘤に迷わずメスを入れた。もちろん・・・
この小さな腫瘤を放っておくことは、あの足を持ち続けるのと同じコトになるからだ。
遅れた診断のあの時、もう少し我慢すれば、もう空へ走って行けたのかも知れない。でも、それをしなかった。
この腫瘤を放って置いて、また一から足の時の苦しみをスタートさせるのか?そんなバカな・・・ 
だったら、あの時あのままでよかったんだ。
だから、この芽は、一刻も早くつみ取らなければいけない。。。
ここで大切なことは、他に転移がないこと。ミルが手術に耐えられること。

私は、手術が終わった後、もう一度検診の時のレントゲンを見せて貰った。肺転移のないことを再確認したかった。
結局同じ苦しみが回ってくるのなら、苦しい手術など強いられる動物はかわいそうだ・・・・ 
そんなことまでしてする長生きに動物は意味を感じないだろう・・・
願わくば、深い深いところに転移して、案外コロッと逝けるのがいい・・ そう主治医と話した・・・・・
お互い悔しい思いは一緒だった。これを切らずしてどうすると言う考えも一緒だった。
けれど、そこへ向かう気持ちには僅かなズレがあった。。。。

私は全く迷わなかった。こんなコトもあんな状況も、可能な限りの全てを想定して、悩みに悩んだ末の断脚。
これ以上悩むことは何もなかった。

迷いはなくとも、今回はとても怖い・・・ 前回は不安だった。でも、今回はとてもとても怖い・・・
うん・・ と、先生も頷いてくれた





10/02/07(日) 腫瘍摘出術
いい天気!
梅が咲いてる♪



ミルの手術は、無事に始まり無事に終わった。
最短の今日、発見からたった4日しか経っていないのに、ミルの腫瘤はすぐ触れるほどに増大していた。
途中、何度か呼ばれて、ミルの腫瘍を説明してもらった。
もちろん、私が願い出ていたことだった。
この腫瘍は、転移なのか原発なのか・・ 浸潤はどの程度のモノなのか・・・ 何もわからないままの見切り発車。。。。
けれども、何も待つ必要もなかったから、せめて肉眼的にでも確認をしたかった。

ミルの腫瘍は、綺麗に上層に留まっていた。そこに静かにいてくれたのなら、ここが再発してくることはないだろう・・・・
先生も広範囲にマージンを取ってくれた。
無駄に見える追いかけっこではない。ただの延命ではない。
そう信じている。





術後まだ、麻酔から覚めていないミルに会った。
そして、ミルと一緒に診察室でミルの回復を待った。
貸し切り状態だった。
ミルがだんだん目覚めてきて、キャリーの中で動き回った。
大丈夫、すぐ元気になる。。。心底しあわせな時が過ぎた。。。。。。。
午後の診察が始まるまで、私は動くこともなくミルをじっと見つめているだけだった。

「そろそろいいでしょうか」と言われて、慌てて退散。
「今回は食べると思います」そう言い残して「よろしくお願いします」と、頭を下げた。
そして、ますます嫌われる飼い主になったんだろうな・・・(^^;;;と思ったりした。


10/02/08(月) 翌日の疑惑


先生から、今日か明日の退院と聞かされていたので、
きっと「連れて帰っていいですよ」って言われちゃうな(^^;;と思ったけど・・・

前回はホントに悲壮感如実だったが、今回は安心してお見舞いに行けた(^^)
けど、さすがにこれ、今日は無理でしょ?って思った。
先生も退院は明日辺りと仰り・・・
そーでしょそーでしょ・・と思った(笑)

そして、やっぱりしばらく居座った(^^;;
今日は、お友達が沢山いた。
お二階のハムスターはミルとお揃い3本足だった。めちゃ元気(笑)



昨日の今日だモノ・・と思うけど、なんとなく予想と違う立ち上がり・・・・
前回の手術後と明らかに違うことがある。
とにかくミルをじっと見てみた。
前と違って、眼は元気。動きも出て来ている。ごはんもそれなり口にしているだろう・・・・・
だけど・・・ 痛いはずの傷のまわりには、細かい牧草が沢山付いていた。。。。。。

                     

私は帰る前に、その不安を主治医にぶつけた。
先生・・・・
どうしてミルの足は立たないのでしょう・・・・・・・・・・・・・
  


10/02/09(火) けれど退院


病院で、キャリーに入れたときも、その淵に顔を乗せた。かわい〜っ(*^^*)と思ったのは、その時だけ。
うちに帰ってきて、それがなぜかわかった。ミルは、こういう可愛いことをする子ではなかった。
顔で支えないと疲れて立っていられないからだ。。。。。残された片足が効かない・・・・・・・・

ま、泣くまい。
そんなことより、今日はミルちゃん10歳のお誕生日!!!
すごーーーーい!!すごいすごい!うさぎって長生きなんだね(^^)

覚えてる。ミルと出会って一目惚れしたとき。
うさぎのコトなんて、何も知らなかった。連れて帰ると決めた後にうさぎの寿命を聞いた。
10歳の長寿もアリとお店の人が言ったとき、そんな先の今日のことなど、想像できるはずもなかった。
ペット暮らし初体験としては、10年も生きるということが、不安でもあった。。。。。。でも私達、名コンビになったね♪
お誕生日のお祝いは、全身全霊をかけたリハビリ。待ってなさいね(^^)v


試練に立ち向かうというコト

腹部に腫瘤を見つけたとき、「次から次へと来るねぇ・・・」と言われた。私はコクンと頷いて、お互い悔しさを噛みしめた。
それは、根治術をやりとげたはずだと信じた獣医師と、ここまでやっていただいたのならと祈った飼い主の最初の会話だった。

けれど、もう癌に立ち向かう姿勢は、断脚の時点で整えてある。試練は予期されたモノ。ホントの試練はこれではなかった。

ミルの足は、あの開帳肢と言われるような状態になってしまった。
獣医師の見解は、一つには痛み。もう一つには、広範囲切除による皮膚の損傷にある。
かなり皮膚を寄せているため、思うように足が動かないのだろう。。。。。
大丈夫だと言われた。大丈夫じゃないと思った。
なぜだろう。。。。日々その原因を探りながら足のストレッチとマッサージを続けた。
足そのものに障害はないのか???
神経麻痺はないか??機能障害はないのか??? それだけが心配だった。



どんなにストレッチを繰り返しても、焼け石に水状態で良肢位(正しい位置・すぐ可動可能な位置)を保てない。
このままでは、たとえ何でもなくてもホントに足が開いたままになってしまう。。。。
前回は、お尻を左右にユラユラさせながらも歩いた。
今回は、そのお尻を持ち上げられない。完全に落っこちているため、どっしり重すぎて足のエッジが負けてしまう。
足は滑って、まさに「泳いでいる」という表現がピッタリだと思った。
不安で怖かった。
予定より早く病院へ行った。先生助けて・・・

1.6kg............ 痩せたね・・・
一週間もしないウチに「痩せた」
それは、食欲がないと言うよりは、意欲がないように私には思えた。。。。。。

先生も「どうして立たないんだろう」と言ってくれた。それは、立つはずだってコトだよね?
そして、一緒に悩んでくれた。
皮膚は必ず伸びるから、大丈夫。
でも、動物って簡単に諦めちゃうんだよね。立たなくてもできると思うと、もう立とうとしない。。。。。。

皮膚が伸びるのはヒト月くらいかかると言われた。
このまま放って置いたら、皮膚が伸びてもミルは立たない。ダメダメ!絶対また歩かせて上げる!!!
ヒト月なんて待てない。いつまた次が襲ってくるかわからない。
お尻を持ち上げて走る感覚を、ずっと覚させておくことが、私に枷られた課題になった。
そこがうさぎの難しいところ。ハイ、この姿勢で一分静止・・なぁんてリハビリが通用するはずもない・・・・(汗)
私は真剣にリハビリ計画を立てなければならなかった(^^;;; THINK!...........THINK!!
適当をやめた。タイマーも使ってきっちりやろう・・・・





今、時はまさに4年に一度のオリンピック。TVを付ければいつでもどこからでも応援が飛んでくる!
ミルのための応援歌だ!そして、歓声・激励・拍手・・・ 頑張ろう!ミル頑張れっ!
今度は言うよ!まだまだ言うよっ! ミル頑張れ! 目指せ心の金メダル!




越えて 越えて 越えて
越えて 越えて 越えて

流した涙はいつしか一筋の光に変わる
虹色の明日に続く・・・・・・・・




                                      人知届かぬ所→




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