夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気ままにひと言
夢惑う世界4.1.2.8−15 気ままにひと言

2007年1月29日  森みつぐ

 学力低下の原因は、「ゆとり教育」だと断言した。本当に、そうなのだろうか。私は、まだ納得していない。
 学力低下、いじめ、学級崩壊等々の諸問題を解決するために、教育再生会議では、7つの提言を行っている。この7つの提言全てが確実に実行されないと、教育再生は難しい。私は、「ゆとり教育」も同じだと思っている。「ゆとり教育」で目標とする成果を挙げるためには、それを取り巻く諸条件を満たす必要がある。例えば、今回の教育再生会議でも取り上げている家庭、地域社会、企業の役割が重要なことは、「ゆとり教育」のときも同じである。それ故、条件が揃わなければ、「ゆとり」が徒となって学力が低下する。
 要は、政府を含めた社会が教育機関に任せるだけでなく、自分たちの問題として本気なって取り組むことができるかどうかである。学力低下、いじめなど問題が深刻化して、やっと政府が重い腰を上げ、そして、政府の責任問題回避のため「ゆとり教育」を悪者に仕立て上げたと、私は思っている。
 今回の提言も政府が本腰を入れない限り、結果は見えている。


2007年3月2日  森みつぐ

 「因果関係が認められない。」公害問題が発生すると、必ず企業や国から発せられる言葉である。これまでに、この言葉に傷つけられてきた人々が、どれだけいただろうか。
 先日、インフルエンザ治療薬のタミフルを服用した後、異常と思える行動を取って高校生が死亡した。タミフルに関しては、同じような異常行動が、今までにも数多く報告されていることは、周知の事実であろう。それに対しての厚労省の見解は、「はっきりした因果関係が認められない。」から、注意喚起も行わないと言うことである。
 「少しでも疑いの余地があれば、注意を促す。」と言うのが、リスク管理ではないのだろうか。国民を危険から回避させることが、国に求められている。ところが、薬害問題、公害問題では、いつも企業や国が被害妄想的行動に走り、因果関係が100%確実になるまで、対応を取ろうとしない。そして、更に問題は深刻化してゆくのである。
 まずは、注意を喚起することが先決である(今回は、やっと重い腰を上げて注意喚起をするとのことである)。もう、薬害問題、公害問題は、こりごりである。


2007年3月8日  森みつぐ

 先週、とうとう風邪を引いてしまった。この冬は、風邪を引かないだろうと思っていたのだが、先週半ば、喉がいがいがするので少し怪しいなと思いきや、やはり風邪だった。しかし風邪は、最小限に止めることができたみたいで、ティッシュにお世話になったのは、一日足らずであった。私は、風邪を引いても薬に頼らないことにしているので、まだまだ自己回復力は失せていないみたいだ。
 来年の冬は、北国で過ごすことになるので、この冬は、少し薄着で、かつ部屋の設定温度も低めにしていた。多分、それが原因かも知れない。暖かい朝が続いて、冬の布団では暑過ぎたかも知れない。そう言えば、2日続けて雨の中をジョギングもした。今、考えれば、いろいろ原因が考えられる。いくら自分が頑強だと思っていても、風邪を引いてしまうのだから、無理せず痩せ我慢もしないのが一番だろう。
 今は、もう一枚多く着て、風邪を引かないようにしている。まだまだ、薬の世話にはなりたくないから。


2007年3月28日  森みつぐ

 やっと重い腰を上げて、いつもの私の自然観察路に歩きに行ってきた。今年、初めての自然観察である。出不精だから、2度、3度と"今日はパス!"と見送ってきていた。いつも行くところは、ギフチョウ生息地の境界辺りなので、この時期、正直なところ、余り行きたくないのだが、春の陽気には勝てない。山野を歩いていたら、保護蝶のギフチョウを採集しているかと思われ、白い目で見られるのである。帰り際、補虫網を持った男性と擦れ違ったが、挨拶しても返事がなかった。多分、ギフチョウの採集だろう。
 今日は、ぽっかぽかの陽気だった。ジャンパーを脱いで歩いていても、日差しが暖かく感じる。既に、殺風景な山肌に薄い桃色のヤマザクラが、ところどころに彩りを添えていた。路傍には、多くの草花が咲き乱れている。オオイヌノフグリ、キランソウ、カキドオシ、タチツボスミレ、ヤマルリソウ、ヒロハタンポポ、ヤマブキと春満開だった。
 そして、春の妖精チョウたちも日溜りの中で、活発に翔び交っていた。成虫で冬を越したウラギンシジミ、ムラサキシジミ、テングチョウ、キタテハ、ヒオドシチョウ、ルリタテハ、そして。羽化したばかりのモンシロチョウ、キチョウ、ナミアゲハ、ツバメシジミ、ルリシジミ、スギタニルリシジミが3月末の山野を翔けていた。
 新緑萌える春は、もうすぐそこまで来ている。


2007年4月6日  森みつぐ

 能登半島での地震も、まだ覚めやらぬうちに、今度は、ソロモンで大地震が起きた。インドネシア、フィリピン、台湾、そして日本と大陸プレートの端にある島々では、いつ地震に見舞われても、なんらおかしくない状況である。
 私の住んでいる沼津市は、勿論、東海大地震が危ぶまれている地震の巣窟であることは広く知られている。しかし、私がここに住んでから30年近く経つが、震度4以上の経験はない。それ故、東海大地震と言われても実感が湧かない。ただ、多分、震度6の地震に襲われると私の家の中は、目茶苦茶になることは確かなことであろう。標本箱は散乱し、ガラスが砕け散る。
 予想は、そうなのだが、対策は、考えていない。多分、震度5までは、このままでも大丈夫だと考えているが、最近、よく起きている震度6の対策は、そう簡単ではないし、家具以前に。建屋そのものが耐えられないような気がする。大地震の備えを考えておかなくてはと思っているが・・・。


2007年4月15日  森みつぐ

 今日、白い雪の降る札幌から帰ってきた。札幌にいる間に、水分を多く含んだぼたん雪が2度ほど降っていた。沼津の一番寒い時期よりも寒いかもしれない。
 今回の札幌訪問は、終の棲家を探すのが目的だった。札幌市郊外で、それなりの都会生活が送れて、自然観察ができる山野に近いところを探していたが、それなりのところを見つけることができた。
 4月半ば、まだ雪が降る。短い訪問だったが、指先はかさかさになり、あかぎれになりそうである。でもやはり、子どものとき、駈け回った札幌がいい。人生なんて、そんなものだろう。


2007年5月6日  森みつぐ

 札幌に引っ越しをして来て、早、1週間が経つ。今日、やっと、こちらで注文した家具も揃い、引っ越しの後片付けもこれからが本番となる。
 心配していた昆虫標本も、まだ半分ほどしか片付いていないが、何とか無事のようだ。10tトラックと4tトラックの2台による引っ越しは、我ながら呆れてしまうほどの昆虫の引っ越しだった。荷造りだけで、朝から晩まで7日間かかった。引っ越しの前の晩まで、箱詰め作業が続いた。やはり、こんな作業は、一生に一度でいい。
 5月3日、こちらで初めて洗濯をしベランダで干していると、白い物がひらひらと舞っていた。モンシロチョウである。建物の北側の影には、まだくすんだ雪が残っている。しかし、北国・札幌にも、一気に春が訪れていた。民家の庭では、いろんな花々が咲き始めている。そして、ピンクのエゾヤマザクラも。北海道の野草の勉強もしなくては・・・。


2007年5月11日  森みつぐ

 引越しの片付けも幾分落ち着いてきたが、昆虫標本は、段ボール箱から棚に移し変えただけで、これからは生物区毎に、分かりやすく並び替えをしなくてはならない。
 トラックでの輸送は、大きな衝撃もなかったみたいで、ほぼ無事だった。ただ長い振動によって、10数匹の昆虫が敷板からピンが抜けて倒れていた。しかし、どれも損傷には至ってなかったのが幸いだった。原因は、ピンを深く刺していなかったためと思われる。注意はしていたのだが、数が多過ぎて全てを確認することはできなかった。でも、無事で良かった。ただ、アフリカ産の大きなアリの頭部が落ちていた。これも振動によるものと思われるが、修復が可能なので問題はない。
 29年前、札幌から沼津へと持って行った昆虫たちも、再び、札幌へと戻ってきた。鮮やかな薄紫色のエゾムラサキツツジが咲き乱れ、新緑が日に日に濃くなってきた札幌の春を、私は、以前とは確かに違う目でそれを捉えているようだ。


2007年5月24日  森みつぐ

 札幌に引っ越してきて、最初の昆虫採集である。定山渓近くの林道に入った。今年3月末に訪れた山梨の林道と、その風景が似ている。タチツボスミレやニリンソウが林道沿いに咲き乱れていた。冬を越し、日向ぼっこをしていたクジャクチョウが、地面から翔び立つ。美しき北海道のチョウである。
 私が札幌に住んでいた中学生のとき、瑠璃色に光るルリタテハは、憧れのチョウだった。そのルリタテハを一度だけ、江別市の野幌森林公園で樹液に来ていたのを見たことがあった。静岡県では、普通のチョウであったが、いつもその光景を思い出していた。29年ぶりの札幌、機会があれば、もう一度ルリタテハを見てみたいものだと思っていた。
 川沿いの林道の湿ったところには。ルリシジミが来ている。すばしっこく翔び回っているのは、コツバメである。イタドリハムシが、あちこちを走り回り飛び交っていた。そんな中、黒っぽいチョウが私を追い越していった。"あれっ!もしかして!"暫らく歩いていると、今度は、前方から翔んできた。やっぱり、ルリタテハである。越冬したとは思われぬほどの新鮮な個体だった。憧れのチョウを、早くも見つけた。そして、北海道では越冬できないはずのヒメアカタテハが、翅をいっぱいに広げてタンポポで吸蜜していた。

Copyright (C) 2007 森みつぐ    /// 更新:2007年5月27日 ///